三十一話 主人公の退場と事後処理。
その後の処理。
これはかなり大変だった。
『悪い人が逮捕されました。よかったね』では現実は終われないのだ。
事情聴取と現場検証だけじゃない。
王都所属の冒険者が他所で問題を起こしたのだ。
それも禁術を使って。
これは王国を揺るがす大問題になった。
フィンが所属していた王都のギルドマスター、ポワソンは茹でだこのように真っ赤になって私に吠えてかかった。
「あのシャドウくんがそんなことするわけない! お前が仕組んだことなんだろう!」
覚悟はしてたけど、いちいち正論で静めないといけないのがつらい。
近くに衛兵もいてくれたから暴力沙汰にはならなかったけど……
一応洗脳魔法が掛かっているかも見てもらったし、証拠は挙がってるから大丈夫だと思うけど。
結局ポワソンもオルテンシアとチータより小規模だけど洗脳はされていたけれど、性格的に私に頭を下げる事を認めたがらなくてなかなか事務作業が進まなかった。
あの野郎が折れるまで、おおよそ二週間。
ようやくフィンを逮捕させる流れになった。
彼の仲間だったオルテンシアとチータは洗脳されたし、犯罪行為はしていないので不問となった。幸いにも、貞操も無事。
フィン曰く「仲間外れにしないように五人一緒に相手にしてあげたかった」らしい。
……気持ちわっる。
フィンの余罪はどんどん出てきて、問答無用で終身刑となった。
罪状を告げられたフィンは笑いながらこういった。
「追放ってやつか! いいだろう! 牢獄でも俺は無双してやる! 必ず生きて帰ってお前ら全員ざまあしてやるからな! だって俺はこの世界に呼ばれた主人公なんだからよお!」
もう彼を相手にする人間はいなかった。
最後までフィンを庇っていたポワソンも青ざめて静かに俯いていた。
フィンが行くことになった離島の牢獄。
そこでは囚人の人権はなく、国の為のモルモットとして様々な実験を行っている。警備もどの牢獄より厳格だ。
原作を知っていればもう絶対逃れられないと思うけどな……
主人公のフィンが汚されて嫌な気分だったけど、これで一件落着だね。
テレーシア領の皆、とくに『三つ葉』は喜んでくれた。
ルルくんも笑顔で私を迎えてくれた。
そして通常通り業務を終えた帰り道、ルルくんはこう声を掛けてきた。
「ドロシー様、少し寄りたいところがあるのですが」
「うん、いいよ」




