タリアが強い
【エリック】
僕はノック音に反応して移動しようとしたが、リリアンナは僕を離そうとしなかった。
「誰か来たみたいだ離してくれないか?」
「嫌です」
「頼むから」
「絶対に離しませんよ」
リリアンナの顔は私にとってはとても嫌な笑顔になっていた。そしてノック音はますます大きくなってきていた。
「なんですの!ここに殿下がいらっしゃるのでしょ!離しなさい!!」
誰だか分からないが使用人に連れていかれそうになってるんじゃないか?急いで止めなくては
「ごめん、僕は外が気になる!」
無理に移動するとリリアンナはまた涙を流した。私はその姿に戸惑いながらもドアを開けた。するとそこには、前に魔法学校に居たタリアという女性が使用人に連れていかれそうになっていた。
「待ってくれ、その人は僕の客人なんだ!」
「分かりまして?お離しくださいまし!」
使用人は申し訳なさそうにタリアを離した。
「えっとタリアさんですよね?どうしてここが?」
「私はニーナの友達よ?同じことができても不思議じゃないでしょ?」
「そんな力があるんだね!」
「そんなことよりいいの?ニーナを一人にしても」
「あ!」
そういうと僕は走り会場へと向かった。
「さて、邪魔者は居なくなりましたわね?お嬢さん」
リリアンナは悔しそうな顔をしてタリアを睨んだ。
「許さない・・・あなたさえ、あなたさえ居なかったら!!」
リリアンナはタリアに飛びかかったがタリアは氷の壁を作りそれを止めた。
「しばらく反省するといいわ」
そしてタリアは悠々と部屋を後にし戻って行った。
【ニーナ】
タリア様大丈夫かしら・・・このまま何事もなければいいのですけど・・・
心配しながらも堂々と笑顔で会話や挨拶に対応していると息を切らした王子がやってきた。
「よ、よかった・・・ぶ、ぶじ、無事みたいだね」
「え、ええ私は平気よ?殿下の方こそ大丈夫?」
「ああ、すまない君を一人にするつもりは無かったんだ」
「ええ、その話はまた後にいたしましょう殿下」
王子を私は支えると正面を向かせた。会場の人達は笑顔で見てくれていた。
「ちょっと恥ずかしいわね」
「みんな祝福してくれているのさ」
「無事でよかったわ・・・」
「それはこっちのセリフだよ」
私はこの雰囲気に何か勘づいて少し距離を開けた。
「ど、どうしたんだい?」
「いえ、なんでもありません」
そう言ってハンカチを出して王子の頬に付いた口紅を拭いた。
「あ、いや、これは・・・」
「殿下も悪戯されるんですね」
「あははは・・・そうみたいだね」
「ん゛っ!お取込み中失礼いたしますわ」
タリアが少し息を上げながらやってきていた。
「タリア様!」
「まったくニーナ!あなたは殿下の婚約者よその言葉の意味をもう少し考えなさい!!」
「はい・・・」
「殿下も失礼ですが、気を抜きすぎだと思えますのでお気を付けください」
「はい・・・」
「タリアそれくらいで・・・」
男の人がやってきた。王子よりも歳は少し上に見える落ち着いた男性だった。
「あら、私を止められるとでも?」
「頼むから大人しくしてくれ・・・王族に喧嘩なんて仕掛けたらどうなるか分からない訳ではないだろ」
「私はこの子に対してだけは誰になんて言われようとも好きに言うわ」
男の人は頭を下げて謝罪してきた。私はタリアを宥め、そして王子はその男性を慰めた。




