壊れかけ
お城から戻りその日のうちにパン屋に行き経緯を全部話した。
「アンナちゃんがそんなことに・・・」
「おいお嬢さんそれ本当なのか!?」
「ええ、それで私はアンナと一緒に居ようと思っておりますのでパン屋のお仕事を辞めさせてもらいたくて来ました」
「確かに危ないが狙われる理由っていうのはなんなんだい?」
夫婦で顔を見合わせてそう聞いてきた。
「それは・・・私の所為とまでしか言えません。国に止められていますので」
「国!?いやいや・・・お嬢さんスケールが大きすぎるぜ」
「じゃ・・・じゃあ王様の命令ということかい?」
「そういうことになります・・・」
「まあ残念だが仕方ないな。客も残念がるよ」
「申し訳ございません」
「客としては来てくれるかい?」
「ええ、それくらいなら大丈夫です」
「よかった・・・たまには顔出すんだよ!」
「よかったわねアンナ・・・こんな風に言ってもらえる人ができて」
「あんたにも言ってるんだよ!」
そう言って私は苦笑いをして店を後にした。
【パン屋】
「ねえ、あんた・・・大丈夫だと思うかい?」
「ああ・・・あの顔あの目、少し不安だな」
「あたしたちに出来る事あればいいんだけど・・・」
「おいしいパンを焼いて待つしかないだろ」
二人はそういって不安そうに入口を見ていた。
【ニーナ】
寮に戻ると私はベッドに座りボーっとしていた。
「ニーナ様?どうしました?」
「アンナ・・・なんでもないわ」
「そう・・・ですか」
アンナは少し残念そうに椅子に座った。そしてしばらく沈黙が流れた。ご飯の鐘が鳴るとアンナは元気よく立ち上がった。
「ニーナ様!行きましょ!!」
「え・・・そうね」
そして二人で食堂へ移動した。私はご飯を残してしまったのでアンナに食べてもらい部屋にふらふらと戻って行った。その姿をタリアは見てため息をついていた。
「ニーナ様食べないと力が出ませんよ!」
「ええ、そうね・・・」
アンナは少し悲しそうな顔をして本を読み始めた。
お風呂の時間になってもそれは変わらなかった。普段は顔を赤くして恥ずかしがって入っていたお風呂も無表情で入っていた。周りの目はどこか心配そうな目になっていた。
それでも部屋で私はベッドに座り外を眺めてボーっとしていた。
アンナがすすり泣きを始めた。
「ニーナ様が・・・ニーナ様が変になっちゃいました」
私はその姿をみて何もできずに震え始めた。その部屋は異常な空気になっていた。




