第6話:王都の長い一日と浪漫の嵐w
今回パロディネタがいくつか入ってます。
嫌いな方はスルーしてください…orz
主人公たちがワイバーンを倒した後から遡ること数刻…
<王都冒険者ギルド>
「冒険者諸君!集まってもらったのは他でもない!この王都に向かって魔物の群れが押し寄せてきている!」
ざわつく冒険者たち。
「群れの方角は北。推定数は2千。魔物の群れの構成だが、ほとんどはDランクの魔物だ。希にCランクがいるがBランク以上はいない!後数刻で王都の北門に到達するだろう!
そこでDランク以上の冒険者は全員魔物の掃討に出てもらう!Eランク以下の冒険者はギルドの指示にしたがって、王都の住民の避難および戦闘の補助をしてもらう!」
「だが今この王都には侯爵のクエストのため、Bランク以上の冒険者達はいない!諸君らしかいないのだ!激しい戦闘が予想されるため、各員の無事を祈る!また、現時点をもって王都の北門と南門を封鎖する!」
ギルドマスターが状況の説明を終えたとき、冒険者から声が上がった。
「ギルドマスター!今Bランク以上の冒険者は居ないと言ったが、この前、金竜の咆哮がランクアップしてBランクになってるじゃないか!金竜の咆哮はどこにいるんだ!逃げたんじゃないのか!」
「そうだ!そうだ!緊急召集に来てないじゃないか!」
「逃げたのかよ!」
「静まれ!!!金竜の咆哮は今ギルドからの別のクエストを受けておる!」
ギルドマスターが金竜の咆哮の状況を説明する。
「どういう事だよ!王都の方が重要じゃないか!何をやらせてるんだ!」
「彼らはワイバーンの討伐に出ておるのだ!こちらも抑えなくては北と南両方から挟まれることになる!」
冒険者達が黙っていく。
「嘘だろ…北から魔物の群れ、南はAランクのワイバーンなんて…」
「どのみち逃げ場はないのだ。だが!金竜の咆哮が討伐を終えて帰ってきた時は、王都の住人達を南から温泉街の方へ逃がす。それまで持ちこたえてくれ!」
「やるしかないのか…」
こうして冒険者ギルドの長い一日が始まっていく…
****
<王城にて>
「騎士団諸君!今この王都には未曾有の危機が迫っておる!王都の住人達は冒険者達が避難にあたる!諸君らはこの国の未来のため、全力をもって魔物の殲滅にあたって欲しい!」
「「「「「「ハッ!」」」」」」
「では全軍出撃!」
「王子よ!お主には王城の非戦闘員達の避難指揮を任せる!見事勤めを果たしてみよ!」
「承知しました、父上。」
王城でも着々と戦闘の準備が始まっていく中、王女付きの侍女が慌てて駆け込んできた。
「王様っ!大変です!」
「ここは非戦闘員は立ち入り禁止のハズだ!」
「申し訳ありません、王様!ですが…ですが、王女様と王子の婚約者殿が居ないのです!」
「何だと!」
「王子の婚約者殿の執事が重傷を負っており、その者の話では王女様とご一緒の際に魔族とおぼしき女が学園から連れ去って行ったそうです!執事が応戦したのですが…」
「なんと…!やはり魔族が裏で手を引いておったか…!侯爵は血迷ったか!」
「父上っ!侯爵が関係しているのですか!」
「恐らくは…な。その執事に言っておいてくれ。よくぞ生きて情報を持ち帰った!…と。」
「かしこまりました!」
「うむ、では他の者達を集めて避難するのだ!王女達は親衛隊の中でも腕の立つ者達を向かわせる!」
「かしこまりました!」
「王子よ!婚約者が連れ去られてショックだろうが、放心している暇はない!すぐに非戦闘員達を避難させるのだ!」
「…わかり…ました…。」
王は漠然と…何かが起きている事を感じていた…
****
そして現在。
猛スピードで王都の南門に近づく馬車があった。
「皆!もうすぐ王都の南門に到着する!ミリィ!ソフィ!ユーキ!戦闘準備だ!」
「うん!」
「はい!」
「ああ!」
「アーネさんはどうするんだ?」
「私はギルドの方に向かいギルドマスターに報告をします!皆さん!ご無事で!そしてユーキさん!終わったら話をしたいことがありますので絶対に死なないで下さい!」
「…わかった。」
…おいおい、こんなところで死亡フラグ建てるなよ!
前の俺と同じ死亡フラグじゃね?
…通り魔いたりしないよな?レオが刺されそうになるとかやめてくれよ?
「あーっ!くそっ!やっぱりアーネさんはユーキ狙いだったか!くそーっ!俺も絶対生き残ってやる!」
「やっぱりアーネさんもユーキ兄さん狙い…ブツブツ」
「…私も負けません…」
…なんなの、これ?
俺、ゲイなのよ?
なんでこんな時に…しかも、女にモテてるの?
「では私はギルドに!」
そう言ってアーネは俺のほっぺにキスをしてギルドに向かっていった。
「俺、今ならワイバーンも殺せる気がする…」
「偶然だね…あたしもだよ」
「私も、神官ですけどいけそうです…ふふふ…」
おぅふ…!アーネめ!なんという爆弾を放り込んでいくんだ…!
『ドーン!!』
ここで大きな音が聞こえた!
くそっ!やはり戦闘が始まってやがる!
需要のないラブコメなんてやってる場合じゃねぇ!
****
<王都北門>
「右翼の部隊が押されてる!援軍を頼む!」
「バカヤロー!そんな余裕ねぇよ!」
「誰か回復魔法使えるやつ来てくれー!重傷者がいるんだ!」
「くそーっ!全然魔物が減らねぇ!キリがねぇよ!」
「左翼!弾幕薄いよ!何やってんの!?」
「逃げたら駄目だ、逃げたら駄目だ、逃げたら駄目だ!」
「薙ぎ払え!」
戦場は混乱を極めていた。
冒険者ギルドの指令本部でも、
「ギルドマスター!騎士団から連絡です!第三騎士団が左翼のオーガ部隊を殲滅したそうです!」
「ならば、右翼のキメラに向かってもらえ!あそこの『赤い獅子王』はCランクだがキメラは手に余る!」
「ギルドマスター!ポーションの在庫がきれました!」
「王都の店中から集めてこい!」
そこにアーネが飛び込んできた!
「ギルドマスター!アーネです!金竜の咆哮がワイバーンを倒して戻ってきました!」
「何っ!それは本当か!」
「はい!温泉街は無事です!」
「よし!王都の住人達を南門から避難させろ!アーネ!彼らはどこだ!」
「今戦場に向かっています!全員消耗はありますが戦闘に支障はありません!」
「前線に伝令!金竜の咆哮が到着したら彼らに中央を任せろ!彼らに敵の指揮官を討ってもらう!残りの中央の冒険者は彼らの援護を!」
「わかりました!すぐに伝令に走ります!」
****
おいおい、かなり混沌としてるじゃねぇか。
「レオ!俺達はどこに援護に向かう?」
「ああ、前線の指令本部はどこだ?まずはそこに向かって状況の把握だ!」
「兄さん!あっちから誰か来るよ!」
「金竜の咆哮の皆さんですか?」
「そうだ!」
「では、中央に向かってください!魔物の指揮官を討ってもらいます!我々が援護します!」
ほう、俺達が戻るまで攻勢に出るのを温存していたのか。
ずいぶん高く評価してもらっているようだな。
これはギルマスから高評価を受けていると考えて良いだろう。
…さっさと終わらして、報酬を期待するとしよう。
「わかった!」
そう言って中央の戦線に突入する。
「中央の冒険者と騎士達は一旦下がれ!大きめの魔法をぶっ放す!」
「早く下がれよ!ユーキの魔法はやべえぞ!」
慌てて冒険者達が下がる。
「行くぞ!サンダーストーム・バースト!ついでにブリザードストーム・バースト!」
激しい雷の嵐が中央にひしめいている魔物を薙ぎ払い、雷に耐性のある魔物と耐えきった魔物を極寒の吹雪で凍らせる。
「これで視界がスッキリしたな!」
「あー…、本当にヤベえ魔法だったな…」
「ユーキ兄さん…何だか清々しい笑顔…」
「温泉に入れなかったのがよっぽどストレスだったのね…」
これで敵の親玉を見つけやすくなったな!
温泉に入れなかった怒りの全てを親玉にぶつけてやる!
そして地獄に行っても後悔させてやるから覚悟しやがれ!
「よし!奥に行くぞ!」
「ああ!」
しばらく奥に向かって走っていると不気味な骸骨がいた。
恐らくはこいつが魔物を指揮しているんだろう。
『ふふふ…先程の魔法は貴方ですカ?中々の魔法でしタ。ですが、ワタシには通用しませン。』
「なんだよ…リッチがいやがる…」
リッチ?
「強いのか?」
「強いなんてもんじゃねえ…リッチは魔法を極めた魔道士が不死を求めて魔物に堕ちたと言われているんだ…!アイツに神聖魔法以外の魔法は通じない…!」
「ユーキさん!リッチはAランクの魔物で不死の王と呼ばれる程の強い魔物です!聖属性の攻撃以外はほとんどダメージを受け付けません…!」
ああ、見た目まんまだな。
「ソフィ姉さん!私達に聖属性のエンチャントをお願い!」
「神よ!私達に魔を打ち払う奇蹟を!ホーリーブレード!」
俺達を不思議な光が包み込む。
「ふン!神の犬カ。そんな加護など打ち消してくれるワ!闇の波動!」
リッチの骸骨の闇をたたえた目から怪しい黒い光?が放たれた。
「えっ!ホーリーブレードが打ち消された!」
「マジかよ!ソフィの神聖魔法が打ち消されたのか!」
ソフィのエンチャントが切れてしまった。
Aランクは伊達じゃないようだな。
「食らエ!ファイアストーム!」
「オーバープロテクションサークル!」
ソフィの魔法とリッチの魔法が拮抗する。
「まだまだでス!ファイアストーム!」
「そんな!更に魔法を重ねて使えるの!?」
おいおい、反則みたいなヤツだな…!
俺も加勢しよう!
「押し返せ!ブリザードストーム・バースト!」
「なんだト!上級魔法を無詠唱だト!?」
ヤツの炎の嵐を吹雪で押し返した。
だが、ヤツ自身にはダメージを与えられないようだな。
「なかなかやるようですが、ワタシに魔法はききませン!」
「じゃあこれならどうだ!居合い抜き!」
俺はヤツの懐に飛び込み居合い斬りを放つ。
だが、ヤツを切り裂いたハズだがイマイチ手応えがない。
「ふふふ…効きませんヨ」
本当に効果が無いみたいだな。
ソフィのエンチャントもかき消されるし、聖属性の攻撃ってどうすりゃいいんだよ…。
「スナイプダガー!」
「グランドクロス!」
ミリィとレオが攻撃を放つ。
「ぐウ!なぜダメージがあるのダ?」
「ダガーに聖水振りかけたからね!」
「俺の本来のジョブは聖騎士だ!邪悪を打ち払う神の騎士の本当の力を見せてやるぜ!」
おお!レオすごい!カッコいい!てか、パラディンって…!
イケメン戦士だと思ってたけど、本当はイケメン騎士なの?惚れ直しそうだわ。
騎士様の太い剣で俺を貫いて欲しいぜ!
「ふふふ…、確かに驚きましたが、その程度ではワタシを倒す事などできませン!」
「まだまだ!セイントソード!」
ん?そう言えば俺の好きなゲームで、帝都の闇から生れた化け物を刀で倒す蒸気エンジンの甲冑に乗り込んで闘うヒロインが居たな。
あれ、隊長がカッコいいんだ。ヒロインはどうでもいい。隊長の黒髪の貴公子は最高だな!
レオも剣に自分の聖属性の魔力を込めて技を放っているみたいだし、俺も似たような事ができるかもしれん。
「くそっ!全然ダメージが足らねぇ!ミリィはどうだ!?」
「ダメ!こっちももう聖水が無くなりそう!」
「ふふふ…ムダな努力でしたネ。そろそろ死んでいただきましょウ!」
えーと、聖属性の魔力を刀に集めて…と。
あ、なんか出来そう。
念のため必殺技の名前を替えて…(コンプライアンス大切!)
「レオ!離れろ!破邪顕正…桜華砲身!」
上段の構えから振り下ろした俺の刀から光が放たれる!
サターンを想像したからなのか、極太のレーザーみたいな聖属性の光が真っ直ぐ進み、リッチに直撃する。
うん。レーザーの方が大きいから、完全に光に包まれてるな…。
「ぐウううゥ!ば…バカナ!コレは色々とマズイでしょウ…!」
そう言ってリッチが跡形も無く消し飛んだ。
「おい、ユーキ…。何アレ?」
レオが面白い顔して放心してる。可愛いな。
…まぁなんだ。ちょっとやり過ぎたかもしれん、いろんな意味で…。
…怒られるかな?
一応、必殺技名替えてるけど…
いや、男の子なら一度は7つの星入りボールを集めるマンガの亀のじいさんの必殺技『かめ●●波』を出そうとするもんだし、コレは男のロマン技だ!きっと大丈夫…だと良いなぁ…。
うん。大正の桜に浪漫(と非難)の嵐だな!
スミマセン!
これなら大丈夫かなぁ…?
怒られないかなぁ…(((;゜Д゜)))ドキドキ




