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第5話:温泉回は定番だよね!

「いつもありがとうございます!クエスト完了しました!明日の指名依頼が来てますので、また明日来てくださいね?」


ねえ、王都の近くにBランクモンスター多くない?


口を滑らせた次の日から毎日毎日指名依頼をこなしているんだけど?


いつになったらマッサージは出来るの?


むしろ、俺のマッサージをして…


「ああ、わかった…。」


「本当にすみません…。私もこんな事態は初めてです。お疲れの様ですが、私がマッサージでもしましょうか?疲れがとれますよ?」


あんたが言うんかい!


「いや、さすがに毎日だと精神的に疲れてきただけだ。」


…もう女で良いからマッサージしてもらったほうが良いのかな?


「アーネさーん…。あたしマッサージして欲しーい…。もう疲れたよー!」


「もうっ!ミリィったら…。アーネさんすみません。でも、確かにこんな事態はかなり異常ですね…。私達と言うよりも、ユーキさんがいてくれるから毎日クエスト完了出来ていますけど、本来だともっと時間がかかってしまいますし。」


ミリィがアーネに泣きついてそれをソフィが嗜めた。


正直、ミリィの気持ちもわかる。ソフィが言うように、これはさすがにおかしいだろう。


だが、ギルマスも日に日にやつれていってるし、まだ侯爵も見つかって居ない。いったいどうなっているんだ?


「王城からも騎士団が派遣されていますし、明日のクエストが終わったら少し休暇が取れるようにギルドマスターに話をしてみますね?」


「アーネさん、頼む。俺達も疲れているが、それ以上にユーキにかなりの負担がかかっていてな。」


「ええ。任せてください。」


「やったー♪」


え?本当っ?よし!もうひと頑張りだ!今日は早く休もう!


「ありがとう!アーネさん!じゃあまた明日な!」


レオもアーネにお礼を言ってすぐに宿に帰ろうとしてるし、本当に疲れてるな。


宿に戻る時にレオからこんな提案が出た。


「明日のクエストが終わったら、王都の近くにある温泉に行かないか?」


え?今何とおっしゃいました?


「温泉があるのか?」


「なんだ、ユーキも温泉は知っているのか。この国を建国した勇者様が温泉を作ったそうだぜ。王都の場所もその温泉から近いって理由らしいし。」


やっふーぅぅっ!


勇者様っ!あんた、なんて素晴らしいんだ!俺、あんたに惚れそうだわ。


「兄さん、ナイスアイデア!ユーキ兄さん行こうよ!」


「ああ、楽しみだな。」


…レオと裸の付き合い…天国はここにあったんや…



……


そして翌日。


「すみません!このクエストがAランクの魔物なんです!今回ばかりは危なくなったら逃げてください。クエスト失敗にはなりませんから!」


「おいおい、ギルドマスターは何を考えているんだ?俺達はまだBランクだぜ?」


アーネが謝っている。レオも驚いているようだ。


どうやらギルマスは俺達に無茶ぶりしたらしい。


確かに、俺達も疲れもあるのに危険なAランクなんて相手してられないな。


「てか、Aランクモンスターなんて災害級じゃねえか!なんでそんなヤツが温泉街に出るんだよ!」


ん?…今何と…?


「くそっ!俺達が温泉に行こうとしてた所に現れるなんて、どんな確率だよ!さすがにしばらく温泉街は封鎖だなぁ。」


なん…だと…!


ふ…ふ……ふ・ざ・け・る・な!


「さすがにAランクはヤバいぜ。なぁユーキ…うわっ!なんだよ!めちゃくちゃ怒ってるじゃねぇか!どうしたんだよ!」


「ユーキさん!すみません!お怒りはごもっともです!ギルドマスターにはちゃんと言っておきます!」


「いや、ギルドマスターに怒ってる訳じゃないんだ…。クエストも受ける…!」


ああ、別にクエストが問題なんかじゃ無い。


「じゃあどうしたんだよ!」


「俺が心の底から楽しみにしてた温泉に…!俺の温泉…!許さん!絶対に許さんぞー!魔物は確実に殺す!」


絶対にぶっ殺す!どんな魔物でも魔王でも関係ねぇ!チリ一つ残さず殲滅させてやる!地獄の業火で魂まで殲滅してやるぞ…!


「…ユーキのヤツ、どれだけ楽しみにしてたんだよ…」


「ユーキ兄さん、可愛い!」


「でも、Aランクの魔物は本当に危険ですね…。アーネさん、ちなみにどんな魔物なんですか?」


そうだ!どんなバカだ?俺の邪魔をする愚か者は!


「クエストによると…ワイバーンだそうです!」


「ワイバーンですか…。空を飛びますし、魔法防御も高い…厄介ですね。」


愚か者はワイバーンか…確かに空を飛ばれると厄介だな。


だが、そんなものは関係ない!


「空を飛ばれるとあたし達なにも出来ないもんね。むー、困ったよ。」


「俺が何とかする。」


撃ち落とす!


「何とかって…。さすがにユーキでもムチャだって!」


「ああ、もしダメだったら諦めるさ。」


絶対に撃ち落とす!確実に撃ち落とす!何としてでも撃ち落とす!全てを投げ売ってでも撃ち落とす!


「仕方ねえ。だが、ユーキ!ヤバそうになったらすぐに撤退するぞ!」


「それでかまわない。」


そんな事態には絶対にさせないがな!


「わかりました。では、クエストを受理しますが、気をつけてください!」


「任せろ。必ず片を付けるさ!」


俺の楽しみを奪おうとしてるんだ…。必ず消し飛ばしてやるさ…ふふふ…ふはは、ふははは!


「おぉう…ユーキが怖ぇ…」


「えー?ユーキ兄さんがムキになってるところも可愛いじゃん!」


「確かに、いつもは冷静沈着ですからね。そう思えば可愛いかも…」


「ほら!ソフィ姉さんもそういってるじゃん!兄さんが変なんだよ!」


「…そうなのか?アーネさん…?」


「私ですか?私も可愛いと思いますよ?ふふっ♪」


「女の可愛いの基準がわからん…」


…なんか4人で色々言ってるが聞いてなかったな。まぁいい。待ってろよワイバーンめ!


人の恋路を邪魔するヤツは、地獄の業火で焼かれてしまえ!



****


<???>


「まだ準備は終わらんのか!」


「慌てるな。もうほとんど出来た。だが、王都には厄介なヤツがいるようだな。私が呼び出したモンスターがことごとく倒されている。」


「なんだと!そんなに強い冒険者などもう居ないハズだが?」


「なに、ワイバーンを呼び寄せた。それで対処できるだろう。」


「ではついに!」


「ああ、作戦を始めようか。」


「ふはは、ついに王家の最後だな!そして私が次の王だ!」



****


<王城にて>


「ワイバーンが現れただと!ギルドマスターよ!大丈夫なのか?」


「わかりません。優秀な冒険者に依頼を出したのですが…。彼らを信じるしか…」


「例の勇者の可能性がある者か…。」


「はい。このような時期に現れた黒髪・黒目の優秀な冒険者…。神が遣わした勇者殿としか考えられません。」


「ふむ。これでワイバーンを討伐できると確信に変わるということか。」


「はい。そう言えば、王城にも黒髪・黒目の者が現れたとお聞きしておりますが?」


「うむ。だが、勇者では無さそうなのだ。彼女は気が付いたらこちらに居たと言っておる。もしその冒険者が勇者であれば、おそらくその勇者の召喚に巻き込まれたのではないかと。」


「そうですか…」


「だが彼女も優秀でな。伯爵の養女にして王子の婚約者にしたのだが、我が子が本気で好きになっているようだ。」


「なるほど、それほどとは…。では、同じ時期に現れた彼も勇者の可能性が高まりますな。」


「…また大きな争いが生まれようとしているのかも知れぬな。」



****


「ここが温泉街か!」


「ああ。なかなか良いところだろ?本当なら他にも人がいっぱいいるんだがな。」


確かに温泉街に人はほとんどいないな。


だがこの温泉独特の硫黄の臭いが懐かしい。早くワイバーンを倒して温泉に入らないと!


「レオ、ワイバーンが現れたのですから仕方ありませんよ。」


「そうだよー。ワイバーンが出てくるのにのんびり出来る人はいないよー。」


「レオさんもソフィさんもミリィさんも仲が良いですね。」


…何故かアーネもついてきてるが。


「まさかアーネさんもついて来てくれるとは思わなかったぜ!なぁユーキ!」


「Bランクの依頼ではありませんからね。私もギルドメンバーとして、微力ながらお手伝いさせていただきます!」


…何故だ。


「ギルドの方で宿には話を通していますので、一旦その宿に向かいましょう。」


「お!それはありがたい!」


レオめ…少し浮かれてやがる…。


まあいいさ。さっさとワイバーンを倒してレオと一緒に温泉だ!



……


このクエストの依頼主は宿のオーナーだったみたいだ。


オーナーの話では2日前にワイバーンが突然現れたそうだ。


アーネは「もしかして召喚された…?」と言っていたが、召喚なんて出来るのか?


まぁそんなことはどうでもいい。


俺の邪魔をするワイバーンは今、温泉街から南の岩山にいると言う。


そんなわけで、今俺達は岩山に到着した。


「おい!あそこにいるのがワイバーンじゃねえか?」


レオが見つけたようだ。


ふふふ、幸先がいいな!


ワイバーンは既にこちらに気付いており、こちらを警戒しているようだな。


気付かれていなければ奇襲しようと思ったのだが。


まぁ通常の方法で行くか。


「俺に任せてくれ。上級魔法でヤツの翼を焼く。そしたらレオ達で牽制してくれ。」


「お前、身体強化の魔法だけじゃなくて上級魔法まで使えるのかよ…」


「魔力の最大値がそこまで多くないから、あまり身体強化以外の魔法は使いたくないんだよ。」


神様に魔法の才能をもらったが、肝心の魔力はチートと言う程じゃなかったんだよなー。


まぁ、それでもこの世界の宮廷魔道士よりは多いが。


それに、剣も魔法も使えるとなると、目立ちすぎて変なことに巻き込まれるのが嫌だったんだよ。


奇襲出来れば隠しておけたんだがな。


「よし、行くぞ!ファイアストーム・バースト!」


「グギャァァ!」


俺の起こした炎の竜巻がワイバーンを包み込む。


魔法耐性が高くても、俺のフルパワーの魔法ならダメージが通るハズだ。


「見て、兄さん!炎がおさまったよ!翼がボロボロになってる!」


「よし!壁役は俺に任せろ!」


「援護魔法で防御力を上げます!プロテクション!」


「うおぉぉ!」


皆がワイバーンに牽制してくれている。


俺も身体強化を最大限に高め、刀を鞘にしまって集中力を研ぎ澄ます。


っ!!


ワイバーンがブレスをしてきた!


「神の奇蹟よ!オーバープロテクションサークル!」


「ソフィ!助かったぜ!」


「ブレスは任せてください!」


焦ったー!ソフィの神聖魔法に助けられたな。


「あたしも負けてらんない!アサシンエッジ!」


そう言ってミリィがワイバーンの喉元を切り裂く!


これでブレスは出来なくなったハズだ!


「ソフィもミリィもやるじゃないか!では俺も行かせてもらう!居合い抜きっ!」


とどめに俺が居合い斬りでワイバーンの首を落とした!


「うおっ!一撃で首を落としやがった。さすがユーキだな!」


「ユーキ兄さんカッコいい!」


「相変わらず凄まじい威力ですね。」


よし!依頼達成だーっ!


温泉!温泉♪レオとしっぽり温泉タイムだ!


男同士裸の付き合いで、これまでの友情や信頼関係で背中を流しあっている内に、段々とお互いの気持ちが高まりあって…


そして、お互いの大切な所も洗いあって、ついには…!!


ぶはっ!ヤバい!鼻血が出そうだ!


待て待て待て待て!気が早すぎるぞ俺!ちゃんと手順を踏んで行ってだな。


まずはちゃんと告白して付き合ってからキスを重ねて、それで熱い夜をだな…。


そんな妄想をしながら、ウキウキ気分で温泉街に戻っていくと…


「皆さん!大変です!先ほど連絡があったのですが、王都に大量の魔物が迫っているようです!スタンピードが発生しました!」


アーネが青い顔して駆け寄ってきた。


スタンピードってどういう事だよ!


事前に予兆とか無かったのか?


「緊急クエストです!ワイバーン討伐した後で本当に申し訳ありませんが、全冒険者はスタンピードの対処をお願いします!至急、王都に戻りましょう!」


な…なんだと…!


「ちっ!仕方ねぇ!皆!急いで戻ろう!」


「わかった!兄さん!」


「ええ。急ぎましょう!」


「助かります!皆さん!」


…。


…ふふふ、ふはは、ふはははは!


おのれ!ことごとく俺の『薔薇色温泉旅行~親友との熱い夜~』計画を邪魔しやがって…!


大量発生した魔物は全てぶっ殺す!


一匹残さず駆逐してやる!


俺の怒りを…悔しさを…悲しさを思い知れ!!

この小説は健全な小説ですw

作者の目の黒い内は18禁展開は許しません!


エッチなのはいけないと思いますっ!

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