霊(たま)
生きるとは。
存在する事でも、継続する事でもない。
日本には、言霊や曲霊、神、妖怪という言葉がある。
言霊は、言葉が持つ力を存在として仮定した物。
力を持つ言葉は生きている。
古い言葉、例えば「畢竟時勢遅れという感じ」などと言ったところで、今の若い人間は何も感じない。
つまり、若い人間にとって、古い言葉は力の無い言葉。
力を衰えさせている言葉は、言霊を失いつつあるという事。
言霊が無くなるという事は、言葉が死んだという事。
曲霊は、音楽が持つ力を存在として仮定した物。
古い音楽、三味線など聞いても、今の若い人間は感動しない。
若い人間にとって、古い音楽は力の無い音楽。
力を衰えさせている音楽は、曲霊を失いつつあるという事。
曲霊が無くなるという事は、音楽が死んだという事。
神は、あらゆる物が持つ属性を、信仰の対象として仮定した物。
妖怪は、あらゆる物が持つ属性を、恐怖、畏怖の対象として仮定した物。
その存在が信じる者は、生活、行動に影響を受ける。
人間が信仰しなくなれば、神は死に、その力も失う。
人間が恐怖、畏怖しなくなれば、妖怪は死に、その力も失う。
生きるとは、人、物に影響を与える事、その力を持つ事。
自分以外の何かを変える事を諦めた者は、死んでいるも同じ。
それは、決して、悪ではないけれど。
影響を与える、その為の力を持つ者は、生き、霊を宿している。




