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擬獣
人間は誰でも、心の中に、人あらざる『モノ』を飼っている。
『それ』は、人間とは思えない程、残酷で。
人間だと信じられない程、無鉄砲かつ狡猾で。
あまりにも、人間味がある。
普段は、大抵、檻に入れて首輪を繋いでいるけど。
時折、首輪を食いちぎり、その顔が間近に見える事がある。
稀に、檻を食い破って、暴れる事もある。
自ら、好き勝手に暴れさせる人も、見事に乗りこなす人もいる。
そんな『モノ』はいないと考えるのは、間違いで。
まだ育っていないだけで、必ず、心に巣食っている。
人の、心の負の感情を喰って、育ち続ける。
気分が晴れた、気が変わったと思うのは、ただ、喰われただけだ。
その分、『それ』は肥え、力を蓄えているのだ。
その、さも獣のようであり、遥かに質が悪い、人間の一部。
あなたは、いつまで、飼い馴らしたつもりでいられるのか。




