悪いと思うこと。
お知らせです。
前話に文章が追加されているので、違和感を感じる場合は先に読んでいただくことをおすすめします
これで三度めになりますね……(-_-;)
気を付けてはいるんですが、ごめんなさい
どうも、今日はお休みだったので、さっそく書き上げましたよ。
なんというか……自分でもどうなのかなーと考えながら完成しました。
それでは、本編どうぞ。
「いやー助かっちゃいましたよ」
ウィズが窓に手をかけ、しっかりと閉めて施錠をする。
俺たちは、軽めの夕食の後に、動くのが辛そうなルズさんに代わって、この小さな教会の全ての窓を閉める手伝いをしていた。
夜にこの街は、結構なこと冷える。
なるべく建物の中にある熱を逃がさないために、こうするらしい。
「……」
でも、ウィズはわかっている。
これが、ただ熱を逃がさないためのことではないことを。
そして、ウィズがこんな表情をすることも、俺が襲われると仮定した時から熟知していた。
だから気を付けていたのに……。
「さぁ、部屋にお戻りください、寒いでしょうから、既に暖炉は焚いてあります」
「は、はい……」
「すみません、ルズさん、俺たちのために色々と……」
ルズは俺たちに向かって微笑む。
「いいんですよ……助け合ってこそでしょう?」
そう言って、まだ殴打された背中が痛むのか、足取りがおどおどしいルズは、通路の奥へと歩いていった。
俺は、少し体をすぼめながらウィズに小声で言った。
「俺たちも……戻るか」
「……はい」
ガチャリと、ドアを開ける。
既に手伝いもしなかったマーメイは鼻風船を出しながら眠っている。
マスティマは……多分、この部屋にある三つのうちの一つが盛り上がっているから、そこで寝ているのだろうか。
「さて、俺たちも寝ると……」
ウィズが、ドアを開けたまま動かない。
「……ウィズ?」
カチカチと少し震えている。
いくら窓を閉め切ったとはいえ、この寒さは尋常じゃないようだ。
そういう俺も寒い。
「少し、暖炉で温まってからにするか」
「……はい」
暖炉の火っていうのは、こんなにも温かいものなのか。
轟々と燃える火を目の前にして、俺は少し生前の頃を思い出す。
実は、俺に友達が人生で一度もできなかった、なんてことはなかった。
小学生の頃、カードショップで後ろから俺を覗く変な奴がいて、たまたま話しかけた時、友達という関係になったんだと思う。
そいつの家に遊びに行ったし、友達と言って差し支えはなかったはずだ。
でも、最初は驚いた。
その時期がちょうど冬で雪が降っていたんだが、遊びに行って、掘り炬燵を見つけたから、寒くてすぐさま入り込んだ。
今時の掘り炬燵っていうと、四角くて赤いアレが中にあるものだが、その炬燵はなんと、今では珍しく木炭で暖を取っている家だったのだ。
おかげで、勘違いした俺の靴下は焦げるし、火傷こそしなかったが、その友達っぽい奴は、キョトンと首を傾げていた。
……子供のうちで、貧乏くさいっていうのは、一つの嫌悪点でもある。
いつの間にか、そいつと疎遠になっていったのも、俺が純粋な子供だったから、心の中で「貧相な生活してるなー」とでも思ってしまったのが原因なんだろうな。
「淳介……」
「ん?」
ウィズが、俺に向かってこう言った。
「どうして、人って他人がどう思っているかを考えないのでしょうか……」
この街の考えとかすっ飛ばして、そういう疑問に行きついたか。
俺は暖炉を見つめながら、こう返す。
「人っていうのは、『悪いと思ったもの』から意見を変えることはしにくい生き物なんだ……しかも、その同意見が多ければ多いほど、考えは変わりにくい……それこそ、他人がどう思っているかじゃないのさ、自分がこういう考えで、それを聞かない相手が悪いっていうのが、人が歪んでいくパターンの一つ……」
俺が、クラスのみんなに『カードゲームなんかに熱くなっている猿』なんて広まったパターンと一緒。
要は、理解できないほどそれが悪いことなんだという意見だけが、毒ガス状に広まっていくんだ。
この街もそう。
『人以外には思想も許されなければ、生きる価値もない』、その意見が悪いことだと言った奴を、信じる奴らから見たら、聞かない相手だからしかたないと割り切ってしまう。
「デュエルとは、違うんですね……」
ウィズは、足を自分の身体に引き寄せる。
「デュエルだったら、認め合うものなのに……」
確かに、マーメイとの一戦は、それを大いに思い知らされた気がする。
負けを認める、デッキを認める、相手の勝ち方を認める。
これって、簡単に見えて、実は難しいことだ。
それを正直に受け止められるマーメイって、本当に強いのかもしれない。
「でもさ、思うんだ……」
「……?」
「そんな中で、動物達をかくまいながらもここにいるルズさんってすげーなって」
「そうですね……本当にそう思います、自分だけでもきっと精一杯なはずなのに、犬や猫のことまで考えているなんて……」
どうしてここに居座るのかは知らない。
でも、そうまでしてここで生きていきたい理由が、彼にはあるのだろう。
俺は、そういうのを見ていると、無性に応援したくなる。
「なぁ、ウィズ!」
そう思った時に、自然と俺の声は出ていた。
「俺たちで、何かルズさんにしてやろうぜ?」
ウィズも、その言葉を待っていたようだった。
「……そうですね、やりましょう!」
相変わらず、ウィズとは気が合う。
恐らくだが、この街全員の意見を変えることはまず不可能だろう。
だから、少しでもこの街にいる間、支えるくらいをしようと俺たちは話し合った。
……あ、でも、外を歩く時は帽子の中にいろと、ウィズは口を酸っぱくしていた。
よほどさっきのが堪えたのだろう。
明日から忙しくなる。
思いを胸に、俺とウィズは布団へ入り、眠りについた。
……どうなんでしょうね。
自分が悪いと思うことは、なかなか意見を変えにくい。
実はそんなこともなかったりしますよね。
スポーツとかで、お前のここが弱点だと言われて意地を張るタイプと張らないタイプがいるように、これが絶対ではないのは確かです。
けど、思っていることと違うから相手が悪いとか、自分は悪くないって思うことはいくらでもできる気がします。
認めるって、本当に難しいですね。
でも、そこが人として生きていく上で楽しいところ、なのかな?
あれ、違うでしょうか?
そ、それでは次回に(-_-;)




