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第六話

私たちは、現在お城のある街から少し離れたところにある森まで来ています。

どうやら狩りは、この森でするみたいです。

驚いたことに同行者は無し。王族が狩りに行くのに侍女どころか護衛すらいない。

まあ、母様自身が国で誰よりも強く、母様に害せるようなやつ相手では護衛なんていてもいなくても

かわらないのだけど…それでいいのだろうか?

「では、狩りをするさいに重要なことを教えよう。それは、気配の抑え方だ」

「抑え方、ですか?」

「うむ、大抵の魔物どもは強者の気配に敏感でな。それこそ腹でも空かせてない限り、感じ取った瞬間

逃げ出してしまう。逃げる獲物を追って仕留める、という趣向ならそれでもいいのだが、今回アマービレは慣れぬ森で追うのも難しかろう。気配を抑えておけば獲物は逃げ出さないし逆にこっちを獲物だと思いあちらのほうから近づいてくるだろしな」

「なるほど。でも母様、いきなり気配を抑えろと言われても無理ですよ」

「さすがにいきなりやってみろとは言わんよ。まず、我が実際やってみせるから少し離れたところで

テネレッツァとともに見ているがいい」

母様はそう言うと、なんでもないように森の中を歩いていく。

その様子を眺めていると

「どう、アマービレちゃん?リビドゥム様の気配の違いがわかる?」

ふむ、確かに言われてみれば、いつもは真祖たるやという気高い雰囲気が漂っているのにいまは

なんというか地味な感じだ。別に母様の美貌がすこしも損なわれたというわけではないのに。

「はい、母上。母様の存在感が薄れたのを感じます」

「そう。よく見ておきなさい、これからあなたも行うことになるだからね」

たしかにそうなのだが…見て感じ取れたからといって、じゃあすぐできるというわけにもいかない

と思うのだが。そんなことを思っていると母上はその不安を感じ取ったのか

「大丈夫よ。今日できなくたって誰も怒りはしないのだし、その時はまたくればいいだけだしね」

たしかに母上の言うとおりだ。私たち吸血鬼には時間はたっぷりとあるのだから

そんなに焦らなくてもいいか。

そうして母様のことを二人で見守っていると視界の端になにかを捉えた。

「母上、なにかきました」

「ええ。あれは、ワイルドボアといって、あ、終わりましたね」

見るとワイルドボアが一瞬で首を落とされていた。

「どうだ、アマービレ!我の勇姿、見ていたか!」

母様が落とした首をもってこっちにやってくる。おそらく娘に自分の成果を自慢したいのだろうけど

すこしグロイです母様。

「さすが母様です。あまりの速さに目が追いつきませんでした」

「ふふふ、そうだろう!だがアマービレも我の娘だ。成長すればあれくらいできるようになる。

では、次はアマービレの番だ」

「え!?いきなりですか」

「なに、もう手本はみせたろう?後は実戦あるのみだ。

それに危なくなったらすぐに助けに入るから安心するのだ」

「頑張って、アマービレちゃん」

母上まで…速すぎて見えなかったと言ったのに。

仕方ない危なくなったら助けてくれるという言葉を信じてやってみますか!

魔王について

魔王と呼ばれる条件は、強ければいいというわけではなく魔王委員会の独断と

偏見によりつけられる。沢山の魔族を率いていたり、とても強かったり、人族からそう呼ばれているからなんていうのもあったりする。

魔王委員会には魔王全員が加入していることになっているが半分近くが一度も

集会に参加しておらず、残りも盟主を除いて参加したりしなかったりしている


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