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転生勇者と黒龍少女~戦死エンドから逃れるために黒龍の少女と添い遂げようとしたら、いつの間にかゲームには無かったルートに進んでしまいました~  作者: 遠野紫
第二章 現れしメインヒロイン

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29 獣人の本能

 宿屋を出ると、えっちな服装のビスカが私を待っていた。 

 な、何でそんなことになった……?


 と言うかどうしてビスカが私の泊っている宿を知ってるの?


 うーん、仕方ない。

 色々と問いただしたいことは多いけど、まずはここにきた理由から聞かないとだよね。


「ねえ、ビスカ。聞きたいことは色々あるんだけど、まず何をしにきたのか聞いても良いかな」


「何ってそりゃ……お前は俺の命の恩人なんだ。恩返しに来たにきまってんだろ。言わせないでくれ……恥ずかしい」


 ビスカはそう言うと頬を染めた。

 え、何その反応……なんか凄いえっちだ。


 って違うよ。

 今はそんなことを考えている状況じゃない。


 恩返しって言ったよね?

 なら何でこんな格好をしてるの。

 これどう考えてもそう言う事する格好じゃん。


 ああ、駄目だ。

 見れば見る程癖に刺さる。


 普段の装備の方が露出が多いってのはそうなんだけど、女の子らしい可愛らしさのある今のビスカの恰好は正直こう……癖に刺さりすぎる。

 男勝りな口調と性格の彼女がそう言う恰好をしていると言うのも余計に火力を増大させているよこれ。


「なあ、アルカ……」


「は、はい! 何かな!?」


 不味い、ジロジロ見ているのがバレた!?

 引き締まりつつももっちりしたビスカの褐色柔肌を凝視しているのがバレてしまった!?


「俺に返せるものは無いから……さ。俺の事を好きにしてくれ。それで恩を返せるなら、俺としては本望だ」


「……ひょ?」


 思わず変な声が出てしまった。

 いや出るでしょ。

 こんなに可愛くてえっちな子が、この体で恩を返すって言ってるんだよ。


 これもう据え膳喰わぬは何とやらって奴でしょこれ。

 美味しくいただいてしまわないとそれこそ彼女に失礼ってもの。


 なら、私がやるべきは……


「……駄目だよ、ビスカ。自分のことは大切にしないと」


「だが……俺には他に何も……」


「良いんだよ。何も返さなくても。私はお返しが欲しくてビスカを助けた訳じゃないんだから」


「……そう、なのか。……分かった。アルカがそう言うなら、そう言う事にしておく。けどせめて、また別の機会にしっかり礼をさせてくれ。そうしないと、獣人としてのプライドが許さねえんだ。でも、もしアルカがそのつもりなら俺は……」


「うん、分かった。楽しみにしてるね」


「お、おうっ! ……楽しみにしておいてくれ!」


 そう言うとビスカは帰って行った。

 何だか最後まで納得はしていない様子ではあったものの、まあ気のせいだよね。

 うん、気のせいと言うことにしておこう。


 それにしても、本当にあっぶなかった。

 あのままビスカに手を出していたら間違いなくビスカルートに入ってしまっていた。

 そうしたらそれこそ間違いなく戦死エンド待ったなしだよ。

 

 でも、あのまま行けば私は彼女のことを自由に……。

 あの筋肉質でありながら豊満なボディを私の手で……。


 いや、いやいや!

 未練こそあれど、この選択は決して間違っていないはず!

 私は死ぬわけにはいかないんだから……!


「あら、彼女はもう帰ったのね」


「あれ? ミラ、起きてたんだ」


 宿屋の中からミラが出てきた。

 彼女は彼女で寝間着のままで、ありえないくらい色気を放っている。

 露出なんて無いのに、何かこう……ヤバイ。


 あぁ、お願い、誰か助けて。

 私、このままだと欲望を抑えきれない獣になっちゃう。


「さっきの彼女、獣人でしょう? 帰して良かったのかしら」


「え……? どういう事?」


「あら? うふふっ、知らなかったのね貴方。何とも罪深い人」


 罪深いって……ミラは何か知ってるのかな。

 家の書斎にも獣人について書かれた本はほとんど無かったからあまり詳しいことは分からないんだよね……。

 ゲームでもそこら辺が語られることあまり無かったし。


「獣人は自らの命を救ってくれた強き相手に対して、好意を抱いてしまうのよ。それも信じられないくらいに強く……それこそ、その身を捧げたくなるほどに」


「えっ……」


「いわば一世一代のプロポーズみたいなものなのだけど……ふふっ、貴方はそれを……」


「ま、待って……言わないで……」


 思わずそう口にしていた。

 私は、とんでもない事をしてしまったのかもしれない。

 きっとビスカがどこか落ち着きのない様子だったのは、そう言う事だったんだ。

 

 けど、それでも私は……彼女の好意を受け取ることは出来ない。

 そうしたら結局、最後は彼女を悲しませることになってしまう。


「まあでも、そんなに心配することは無いんじゃないかしら」


「え?」


「だってあの子、まだまだこの先もずっと貴方に好意をぶつけ続けるつもりみたいよ? あーんなことからこーんなことまでしてね」


「……それ、未来が見えるってやつ?」


「ええ、偶然見えた未来だからこれがいつなのかは分からないけれど」


 ……何と言うか、ビスカが元気そうなのを喜んでいいやら、歩み寄る戦死エンドに絶望するべきなのか。


 あ、あははっ……これもうわかんないや。

本作をお読みいただき、誠にありがとうございます。

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