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コウの物語  作者: パルス


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56/67

第56話「街道の話」



 夕方。


 露店を畳んだコウ達は宿へ向かっていた。


 フェルドの通りはまだ賑やかだった。


 酒場。


 行商。


 荷車。


 日が落ちても人の流れは残っている。


「町って夜も動くんだな」


 セナが周囲を見る。


「フェルドはそんな感じだな」


 コウが答える。


 村とは違う。


 夜でも人と物が動いている。


 シノは横を歩き。


 セナは自然にリアカーを引いていた。


 もう確認もしない。


 宿裏へ着く。


 ルナは馬小屋側で休んでいた。


「ブルル」


「ただいま」


 リリアが笑う。


 コウはルナの足元を見る。


 水も確認する。


「大丈夫そうだな」


 シノはそのまま宿裏へ寝転がった。


 その時。


 リリアが干し場を見る。


「あ、もう乾いてます」


 塩干し肉だった。


 加工中だった10本。


 十分乾いている。


「回収するか」


「はい」


 3人で回収する。


 そのまま葉っぱで包んでいく。


「こうやって包みます」


 リリアが教える。


 セナも横で真似する。


「こうか?」


「はい、上手です」


「土細工とかやってたからな」


 少しずつ包み終える。


 塩干し肉10本。


 販売用完成。


「よし、飯行くか」


 コウ達は食堂へ向かった。


 食堂内は賑やかだった。


 酒を飲む者。


 商隊。


 旅人。


 色々な人間がいる。


 席へ座る。


 リリアが荷物を確認した。


「今日はかなり売れましたね」


「ああ」


 本日販売。


 普通干し肉24。


 塩干し肉6。


 塩漬け魚3。


 乾燥薬草8。


「126ルクか」


 コウが呟く。


 セナが少し驚く。


「1日でそんなにか」


「今日は条件が良かった」


 コウは冷静だった。


 町。


 熊騒ぎ。


 人通り。


 色々重なっている。


「でも四種掛け人気でしたね」


「酒飲み向きだったな」


 そんな話をしていると。


「おう」


 ドランがやって来た。


「戻ったか」


「ああ」


「今日はよく売れてたな」


 ドランが笑う。


「あの粉掛けは面白い」


「宿でも使えそうか?」


「かなりな」


 ドランは頷く。


「酒飲みは味変えられるの好きだからな」


 山椒。


 唐辛子。


 セルハ。


 塩。


 組み合わせで変わる。


「ただ粉管理が面倒だぞ」


「そこなんだよな」


 ドランも笑う。


「酔っ払いに勝手に触らせるわけにもいかんしな」


「小壺管理だな」


「ああ」


 宿で出すなら。


 注文。


 量。


 管理。


 その辺を決める必要があった。


 その後。


 ドランがリアカーを見る。


「そういやあれ」


「あのリアカーってお前が作ったのか?」


 コウは首を振る。


「いや」


「作ったのはグレンだ」


「グレン?」


「フェルドの工房職人」


「俺は形を考えただけ」


「作ったのも改良したのもグレンだな」


 ドランは納得する。


「やっぱ職人仕事か」


「最近かなり見るぞ」


「そうなのか?」


「ああ」


「荷運びが変わってきてる」


 木材。


 薬草。


 小さい荷物。


 前より動かしやすくなったらしい。


「街道側だと分かる」


 コウは少し考える。


「欲しいならグレンに言っとくぞ」


 半分冗談で言う。


 ドランが笑う。


「宿屋に何運ばせる気だ」


「案外便利だぞ」


「考えとくわ」


 場が少し和む。


 その時。


 ドランが思い出す。


「そういや魚」


「あれも売れてたな」


「塩漬け魚か」


「ああ」


「高いのによく売れる」


 コウは頷く。


「鍋向きだからな」


「鍋?」


「魚から出汁が出る」


「塩味も出る」


「だから追加の塩はいらない」


 ドランが考える。


「具材は?」


「何でもいい」


「普通干し肉を切って入れてもいい」


「野菜でも豆でもいい」


 リリアも頷く。


「結構美味しいですよ」


 ドランは納得する。


「宿向きだな」


 商隊。


 旅人。


 酒の後。


 色々使える。


 その後。


 料理が運ばれてきた。


 焼き肉。


 スープ。


 柔らかパン。


 煮込み。


 セナが肉を食べる。


「……柔らかい」


 保存食とは違う。


 温かい料理。


 作りたての味。


「美味い」


 自然に言葉が出た。


 ドランが笑う。


「そりゃ良かった」


 食事中。


 コウは荷物から取り出した。


「そういや宿代」


「これでいけるか?」


 普通干し肉2本。


 塩漬け魚1匹。


 ドランが見る。


「現物払いかよ」


「試すには丁度いいだろ」


「まあな」


 ドランは笑った。


「もらっとく」


 宿代精算完了。


 その後。


 話はルナへ移った。


「しかし馬の扱い丁寧だな」


 ドランが言う。


「そうか?」


「ああ」


「街道じゃ馬を潰す奴もいる」


 足。


 水。


 汗。


 飼葉。


 管理を怠れば馬は弱る。


「困るだろ」


 コウが普通に答える。


「壊れたら」


 ドランは少し笑う。


「その考え方出来る奴が少ないんだよ」


 セナは黙って聞いていた。


 そこでコウが聞く。


「そういや馬を増やすならどこだ?」


「馬?」


「ああ」


「村でもう足りなくなってきてる」


「ロイド達にも言われてる」


 リアカー。


 輸送。


 荷運び。


 便利になった分。


 馬の需要が増えた。


「俺もいつか増やしたいけど」


「今はまず村だな」


 ドランは頷く。


「ならラザだ」


「ラザ?」


 リリアが聞く。


「街道の先の町だ」


「馬商が多い」


「商隊も集まる」


「荷馬も流れてくる」


 フェルドより馬を探しやすいらしい。


「途中は?」


 コウが聞く。


 ドランが説明する。


 リース。


 フェルド。


 ミルル。


 バルク。


 ラザ。


「ミルルは細工村だ」


 木工。


 編み細工。


 小物作り。


 手先の仕事が多い村。


「バルクは逆だ」


「鉱山村」


 石材。


 鉱石。


 採掘。


 力仕事中心。


「その先がラザ」


「物流の中心だ」


 セナは静かに聞いていた。


 知らない場所ばかりだった。


 食事が終わる。


 コウ達は宿裏へ向かった。


 シノへ肉と骨を渡す。


「ワフ」


 嬉しそうに食べる。


 ルナも休んでいた。


 コウは首を軽く撫でる。


「明日も頼むぞ」


「ブルル」


 セナは夜の街道を見る。


 リース。


 フェルド。


 ミルル。


 バルク。


 ラザ。


 世界は思っていたより広かった。


 まだ知らない場所がある。


 少しだけ。


 行ってみたいと思った。


 シノが横へ座る。


「ワフ」


 セナは少し笑った。


 フェルドの夜は静かに続いていた。


PL(第56話終了時)


通常収支

開始:359ルク

収入:なし

支出:なし

終了:359ルク


現物精算

・ドラン宿代:普通干し肉×2、塩漬け魚×1(13ルク相当)


加工

・塩干し肉B×10:加工中→完成品


BL(第56話終了時)


所持金

・359ルク


完成品

・普通干し肉D×18

・塩干し肉A×4

・塩干し肉B×10

・塩漬け魚B×3


加工中

・なし


粉類

・山椒粉×44

・唐辛子粉×18

・セルハ粉×48

・粉塩×33


素材・薬品

・乾燥薬草×43

・生山椒×5

・乾燥山椒×80

・乾燥セルハ草×10

・乾燥唐辛子×25


リアカー積載品

・木箱(小)×1

・木箱(大)×1

・水桶×2

・水袋×2

・葉包み用葉

・予備袋類

・小物類


道具

・リアカー×1

・紐×5

・ショベル×1

・ツルハシ×1

・ナタ×1

・斧×1

・網×1

・竹網×2

・魚罠×8

・吊るせるくん×1


馬用品(木箱大)

・飼葉マス×1

・荒縄×1

・ロープ×1

・蹄かき×1

・ブラシ×1


予備資材

・予備ロープ×2


個人装備


コウ

・背負いカバン×1

・肩掛けカバン×1

・水筒×1

・革手袋×1

・ナイフ×1

・革靴×1


リリア

・カバン×1

・葉っぱ用袋×1

・水筒×1

・革手袋×1

・ナイフ×1

・革靴×1


セナ

・なし


仮拠点(離れ)


生活用品

・普通の布×1

・ボロ布×2

・薪×多数


調理器具

・鉄板×1

・中鍋×1

・古い大鍋×1

・小鍋×2


設備

・簡易かまど×1


同行者

・リリア

・セナ

・ルナ(馬)

・シノ(犬)


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