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コウの物語  作者: パルス


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55/67

第55話「露店の日」



 フェルドの通り。


 人通りはかなり多かった。


 荷車。


 行商。


 職人。


 セナが少し周囲を見る。


 昨日よりさらに騒がしい。


 コウ達は、

 ドランの宿から露店側へ向かっていた。


 ドランも一緒だった。


「そんな毎回売れるもんなのか?」


「場所次第だな」


 コウが答える。


「今日は人多い方だ」


「熊騒ぎもあるしなぁ……」


 ドランが少し笑う。


 露店側では、

 既に準備を始めている人間もいた。


 コウ達も、

 止めていたリアカー側へ向かう。


「よし、

 始めるか」


「あ、はい」


 露店側へ着くと。


 コウはまず、

 リアカーから木箱を下ろした。


 通り端。


 いつもの位置へ置く。


 さらにその上へ、

 販売布を被せた。


 一気に露店らしくなる。


「おー……

 ちゃんと店っぽいな」


 セナが少し感心する。


「まぁ、

 見た目は大事だからな」


 コウが普通に返す。


 その横で。


 リリアが葉っぱ包みを並べ始める。


 干し肉。


 塩干し肉。


 小壺。


 塩漬け魚。


 少しずつ露店が形になっていった。


「……本当に店になるんだな」


「まぁ、

 毎回こんな感じだ」


 コウは普通に答える。


 その横で。


 ドランが腕を組みながら、

 露店側を見ていた。


「なるほどな……

 ちゃんと店になってる」


「まぁ、

 慣れたからな」


 コウが答える。


 ドランは客の流れを見る。


 注文。


 反応。


 香り。


 かなり真面目に確認していた。


 その途中。


「お、

 また来たな」


 以前見た酒寄りの男達だった。


 もう顔を覚えられている。


「今日は何ある?」


「干し肉と塩漬け魚だな」


 コウが葉っぱ包みを開く。


 肉の匂いが広がる。


「おー……

 やっぱ腹減るなこれ」


 かなり反応が良かった。


 さらに。


「今日は熊積んでねぇのか」


「流石に置いてきた」


 周囲が少し笑う。


 熊騒ぎは、

 もう普通に話題になっていた。


 そのまま。


 最初の客が干し肉を取る。


「山椒掛けくれ」


「あいよ」


 リリアが粉を掛ける。


 香りが広がる。


「やっぱこれだな」


 かなり慣れた様子だった。


 さらに別の客。


「山椒と唐辛子とセルハの三種掛けくれ」


「全掛けじゃねぇのか?」


 コウが少し笑う。


「塩が足りねぇぞ」


「あ、

 塩もあったのか」


 周囲が少し笑った。


「じゃあそれも掛けてくれ」


「四種掛けだな。

 5ルクになるけどいいか?」


「お、

 結構するな」


 男が少し笑う。


「まぁ面白そうだし頼むわ」


「毎度」


 リリアが粉塩まで追加する。


 香りが一気に強くなる。


「おー……

 これ凄ぇな」


 客が少し笑う。


 周囲まで普通に匂いを嗅いでいた。


「なんか酒欲しくなる匂いだな……」


「分かる」


 酒寄り客達まで頷いていた。


 ドランはその様子を見ながら、

 少し笑っている。


「これ絶対酒場向きだわ……」


 さらに。


「山椒二度掛け出来るか?」


「出来る」


 リリアが追加で山椒粉を振る。


 香りが一気に強くなった。


「うお、

 こっちもすげぇな」


「鼻に来る……」


 周囲まで少し笑う。


 酒寄りの男が匂いを嗅ぎながら頷いた。


「これ絶対酒進むわ」


「多分な」


 コウが普通に返す。


 ドランはそのやり取りを見ながら、

 かなり納得していた。


「なるほどなぁ……」


 客回転。


 注文。


 反応。


 全部確認している。


 さらに。


「これ、

 うちでもやらせてくれ」


 コウが少し止まる。


「宿でか?」


「ああ。

 酒場側と相性良いわこれ」


 リリアも少し納得していた。


「確かに酒飲み多いですしね」


 ドランは頷く。


「特に二種掛けとか好きそうだ」


「四種掛けまであるぞ」


「マジかよ」


 かなり楽しそうだった。


 その後。


 ドランは大きく頷く。


「分かった。

 続きは宿で聞くわ」


「ああ」


「流石に戻らんと仕事溜まる」


 そう言って、

 宿側へ戻っていった。


 そこからは、

 コウ達だけになる。


 客はまだ来る。


 セナはその空気を見ていた。


 肉が売れる。


 加工で値段が変わる。


 客が味を選ぶ。


 森側では無かった世界だった。


「……変だな」


「何が」


「肉に名前付いてる」


 コウが少し笑う。


「売るなら必要なんだよ」


 セナはまだ少し理解し切れていない。


 だが。


 少しずつ分かり始めている。


 保存する。


 加工する。


 運ぶ。


 売る。


 それで生活が回っている。


 かなり不思議だった。


 さらに。


 別の客が塩漬け魚を見る。


「魚か?」


「ああ」


「高くね?」


 1匹7ルク。


 普通に高い。


 コウも頷く。


「高いぞ」


「おい」


 周囲が笑う。


 だが。


「その代わり、

 出汁かなり出る」


「出汁?」


「魚食った後、

 煮ればスープになる」


 客が少し止まる。


「……酒には合いそうだな」


「合うと思う」


 そのまま1匹売れた。


 さらに。


「おい、

 その魚まだあるか?」


「あるぞ」


「じゃあ2つくれ」


 酒場帰りらしい男だった。


「宿持って帰る」


「あいよ」


 リリアが包む。


 塩漬け魚は、

 思ったより反応が良かった。


 さらに。


「薬草もあるのか?」


「ああ。

 乾燥済みだ」


 旅人風の男が少し見る。


「街道用か」


「そんな感じだな」


「じゃあ2つ」


 薬草まで少しずつ動いていた。


 さらに。


「おい、

 そのリアカー例の奴か?」


 通り側の男が、

 荷台を見る。


「ああ」


「最近増えたよなぁ」


 別の男まで頷く。


「荷運びかなり変わったぞ」


「見りゃ分かる」


 以前より、

 通り側でもリアカーが増えていた。


 木材。


 荷袋。


 布。


 細かい荷運び。


 少しずつ。


 街道側まで変わり始めている。


 セナはその流れを見ていた。


 森。


 村。


 町。


 全部繋がっている。


 リアカー1つで、

 そこまで変わるとは思っていなかった。


「……これ、

 そんな凄いのか」


「まぁ便利だからな」


 コウが普通に返す。


「前よりかなり運べる」


 セナはもう一度、

 リアカーを見る。


 荷物。


 人の流れ。


 街道。


 その真ん中で、

 リアカーは普通に使われ始めていた。


 以前の自分なら、

 こんな光景は想像もしなかった。


 夕方。


 少しずつ客波も落ち着き始める。


 コウ達は露店近くの木陰側へ移動した。


 水を飲む。


 流石にかなり動いていた。


「……疲れるなこれ」


 セナが少し息を吐く。


「慣れるともうちょい楽」


 コウが普通に返した。


 その途中。


 リリアがふと、

 セナの足元を見る。


「……靴、

 かなり傷んでますね」


 底もかなり削れている。


「まぁ……

 ずっとこれ」


「明日買うか」


 コウが普通に言った。


 セナが少し止まる。


「……いいのか?」


「怪我される方が困る」


 かなり現実的だった。


「水筒もいるな」


「あ、

 確かに」


「革手袋もいるか」


 セナは少し黙る。


 普通なら。


 そんな物は、

 自分でどうにかするものだった。


 だが。


 この二人は、

 かなり自然に共同体側へ組み込もうとしている。


 まだ少し慣れない。


 だが。


 嫌ではなかった。


 その後。


 コウ達は立ち上がる。


「そろそろ戻るか」


「あ、はい」


 リリアも荷物を持つ。


 その途中。


 セナが先にリアカー側へ向かった。


 そして。


 かなり自然に、

 持ち手を掴む。


 引こうとしていた。


 コウは何も言わない。


 ただ静かに見ている。


 セナも、

 もう確認しない。


 そのまま普通に引き始めた。


 シノも当然のように横を歩く。


「ワフ」


 リリアはその様子を見て、

 少しだけ笑った。


 夕方のフェルド。


 人の声が響く中。


 コウ達は宿へ向かって歩いていった。


PL(第55話終了時・修正版)


通常収支


項目増減

開始233ルク


普通干し肉販売

+72ルク


塩干し肉販売

+21ルク


塩漬け魚販売

+21ルク


乾燥薬草販売

+12ルク


終了

359ルク


⸻


依頼関連預かり(別管理)


販売側預かり


* 木材・木炭売却金

 60ルク

* 販売依頼前受け手数料

 12ルク


合計72ルク預かり


⸻


購入側預かり


* 小麦購入依頼

 予想価格30ルク

 上限価格40ルク

 預かり40ルク

* 塩購入依頼

 予想価格20ルク

 上限価格25ルク

 預かり25ルク

* 鉄類購入依頼

 予想価格30ルク

 上限価格35ルク

 預かり35ルク


購入依頼預かり合計

100ルク


購入依頼前受け手数料

16ルク預かり


⸻


依頼関連総預かり


188ルク


※全額未精算

※通常所持金へ未編入


⸻


食料変動


* 普通干し肉 合計24販売

* 塩干し肉 合計6販売

* 塩漬け魚 合計3販売

* 乾燥薬草 合計8販売


⸻


粉類消費


* 山椒粉 使用12

* セルハ粉 使用8

* 唐辛子粉 使用7

* 粉塩 使用2


⸻


BL(第55話終了時・修正版)


完成品(携帯・販売用)


* 普通干し肉A 完売

* 普通干し肉B 完売

* 普通干し肉C 完売

* 普通干し肉D×20

* 塩干し肉A×4

* 塩漬け魚B×4


⸻


加工中


* 塩干し肉B×10

 ※町滞在中継続加工


⸻


粉類


* 山椒粉×44

* 唐辛子粉×18

* セルハ粉×48

* 粉塩×33


⸻


素材・薬品


* 乾燥薬草×43

* 生山椒×5

* 乾燥山椒×80

* 乾燥セルハ草×10

* 乾燥唐辛子×25


⸻


販売関連


* 四種掛け販売開始

* 二種掛け・三種掛け販売確認

* 山椒二度掛け販売確認

* ドラン 酒場導入検討開始


⸻


依頼関連


* 木材・木炭販売完了

* 販売関連72ルク預かり中

* 購入関連116ルク預かり中

* ロイド側未精算状態


⸻


同行状況


* セナ 初露店営業確認

* セナ 商売・物流文化を体験

* セナ 共同体参加意識が強まり始める


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