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05 愛ゆえに…

ーガサッーー


「!…現れたな、魔王…!」


「フッ……」


 約束の場所で既に待機をしていたオレ、勇者・レイド率いる、剣士・スタン、僧侶・アイリス、その他・数名は、深闇の気配を放ちながら、一人の家来と共に現れた『魔王』の黒い気迫に息を飲んだ。

―さすがは夜の者を従える闇の王…それはこのオレでさえも怯ませた…ー


「やぁ~レイド君達、待っとった??

 もう、おいも年やもんけんね~忘れそうやったばい(´∀`)!!」



…これが無ければ。

 毎度これで、皆の緊張の糸は強制的にちょぎられてしまうんだよなぁ。

…何故に方言…(-_-;)?


「体もバキボキやもんね~」

「…なぁ…いつも言ってるけど…あんたが何言ってるのかオレ達にはちょっと…(-_-;)」


…方言が強すぎて……


「ぁっ…!! そやった…コホン。…これでいいかな? レイド君」


 にっこりと、魔王らしからぬ微笑みを一つ。

…アンゼルもこんな風に微笑んだら、更に可愛いんだろうなぁ(*´∀`*)♪♪ いや~ん///♪♪!!


「レイド君は、何を一人でニヤけているのかな??」

「いえ…気にしないで下さい…どうせまた、ヨコシマな事を考えているだけですから…。

 レイドさんはいつもこんな感じなんです…ご存知なかったですか…?」

「ホンット、恥さらしもいいとこだぜッ!!」


「あはは…(^^;そうなんだ…」


――乾いた笑顔のアイリスちゃん、チッ!! と、憎々しげに舌を打つスタン君…君達、本当にレイド君の仲間とよね…(^v^;?

 その他・数名の子なんて名前さえ出とらんし…喋らんし…



「魔王様…! もうすぐでいつも楽しみになされているお昼ドラマが始まるお時間ですわ!

 速急にこやつらを片付けてしまわれないと…ッ!!」


「ああ~そうやった! 間にあわんたい!!

…と、いうわけでレイド君達の方も準備万端のようだし、そろそろ殺りあっちゃう??

息子からも

『レイド君達を倒してきてね♪パパ~(´∀`)』って、可愛くお願いされちゃってることだしね♪

 久々に本気、出しちゃおうかな~♪♪」


――方言と標準語混じり(←お気遣い、あざーすッ!)に、涼しげな笑顔で恐ろしいことをほざく魔王。

 本気でくるとかマジありえなくない?? 勇者軍、一瞬で死んじゃうじゃん。

…うん、なんていうか…聞かなかったことにしようそうしよう!!

…それにオレ達の、今回の目的は…(´Д`)!!


「魔王!! 実は『勇者』であるオレから『魔王』のあんたに、大切な話があるんだッ!!」

「大切な話…? もしかしてプロポーズとか??

 いやーんオジサン、困っちゃうぅ~(*^ー^*)>♪♪」

「近い!! けど、違うッッ!!」

「近いのッッ(=_=;)?!!

オジサンびっくりだよッッ!!!!」

「あら、おませな勇者君なのね。

 だったら、お姉さんが優しく可愛がってあげるわよ?」


――レイド君の発言に目ばうっとりと歪ませたのは、さっきドラマの心配ばしよった、おい専属家来・竜族の娘である、ミヤコ。

 普段はしっかりした子っちゃけど…自分好みの子ば見たらつい、悪い癖が出てしまうっちゃんね…(^^;



「…美女からのアプローチ…確かに男にとってこれ以上ないくらい魅力的なお誘いなんだろう…がしかし、ここはあえてご遠慮いたす!

 なぜならそう!! オレには既に心に決めた人がいるのさぁぁぁハッフーンッッ(*>∀<*)!!」

「ウフフ…可愛い子ねぇ♪

 お姉さん、一途な子はもっと大好きよ♪」

「こらこら、ミヤコ、こがん若い子ば誘惑したらいかんばいっていつも言いよるやろ(;^_^A)!

…でも初耳だなぁ、レイド君に好きな子がいるなんて♪

 やっぱり…あの子(´艸`)??♪♪

 えっもしかして、すでに両思いだったりするのかな♪♪?!」


――何を勘違いしているのか、にやけながらチラチラとアイリスの方を見ている魔王…アイリスは、ハンっと鼻をならした。

「その質問、今まで何人の人にされてきたと思っているんですか…(^-^)?

…私とレイドさんは、確かに幼馴染みではありますが、その様な関係ではありません。

 言っておきますけど、RPG的な世界において『勇者』には『回復役』のヒロインが寄り添うものなどとそんな勝手な思い込みは、やめて下さいね…魔王さん(^v^)

 くだらない話はもういいのでさっさとレイドさんから話を聞いちゃってください。話が進みません。」


 オレとアイリスは、向き合うと互いにニヤッと笑みを浮かべる。←意味不明。

 ソレを見て魔王は何故か、びくっと震えた。


「あはは…うん…ごめんね…(^^;!

 そっそれじゃ、レイド君の大切な話、聞こうかな!」

「えっそう?? じゃあ…

…ん~っ、でもどうしよっかなぁ~? これ、言っちゃってもいいのかなぁ~??」


「え~?! ここでもったいぶるの?!」


「だってさぁ~? 凄く大切な話だしィ~? そんな簡単には、ねぇ~??」


「そこまで大切な話なら、もっと気になるよ!

 えっなになに?? 凄く気になるっ!!」


「え~っ? そんなに~??…でもな~(´∀`)??」


「レイドく~ん! ここまで話しておいて、それはないよ~(≧∇≦)!」



 やっぱ、言わな~い♪ 教えてよ~♪ そんなに知りたければ、オレを捕まえてごらんなさ~い☆ あはは★ 負けないぞ~♪ と、追いかけっこを始めた。…ところで、自分の装備している杖を、片手で握り潰して粉々に破壊したアイリスと、殺気しか込められていないスタンの視線に気付き、オレと魔王は速やかに自分の定位置へと戻った。



…改めまして。

 魔王は一度、コホンと咳払いをした。


「レイド君の大切な話って何なのかな?」


「…オレの大切な話…

 それは…!!


『魔王、オレ達はもうあんたと戦う気はない!』


っていう事なんだけど♪」



「へぇ~……ぇっ…は…ぃっ(・ω・;)?」



 オレの発言に、目をてーんとさせた魔王とその家来。

 あ、驚いちゃった(´∀`)?? やっぱり驚いちゃうよね~♪♪



「…勇者君は何を言いたいのかしら…? お姉さん達、ちょっと意味がわからないんだけど…(-_-;)」


「えっと…レイド君……それはどういう事なのかな…(;^_^A)?

…自分が言ってる言葉の意味、ちゃんと理解出来てるんだよね…?!」


「もちッッろんのすけッッ(*>v<*)!!」

「うわっなんかムカつく…ッ(^o^;)!!」


「…オレはもう…あんた達、魔族とは戦いたくないんだ…

 いや!! 戦えないんだよッッ!!!!」

「なっ…なんで…?!」

「それは…」



―オレは顔を上げると、決意を込めた眼で魔王を見据えた。

…アンゼル…オレ、言うよ…?――




「……息子さん…アンゼルを…!!



『愛している』



からですッッッ!!!!」


らですっっ!!!


です!……


す!……



ー………………………………………………(^_^;)?!

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