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その日の夕食。
久しぶりに家族全員の夕食という事でいつもより豪華な夕食だった。
「まったく連絡もなしにいきなり帰ってくるから驚いたぞ」
「すみません。カトリナの事を聞いて飛んできたので」
「それでも手紙くらいは出せるでしょう」
「まぁまぁ。せっかくの料理が冷めてしまいます。早く食べましょう」
「ああ。そうだな」
お嬢様が3人をなだめて食事が始まる。
「カトリナ、ステーキ切ってあげるよ」
「大丈夫です」
「いいから。貸して」
と皿を取ってしまった。
「相変わらずね」
フェルソニー様の留学の話など家族の楽しい会話を壁際で聞きながら食事も終盤になってきたところで旦那様が不自然に咳払いをした。
「ゴホン」
全員が旦那様の方を向く。
「旅の件だが、気持ちに変わりはないか?」
「はい」
お嬢様はカトラリーをそっと置き真剣に返事をした。
「そうか。あれから考えたのだが、確かにカトリナの気持ちも分かる。旅に出てみなさい」
「本当ですか?」
「あなた!」
「今まで后教育で色々我慢させていた部分もあっただろう。少しくらいは好きにさせてやりたい」
「ありがとうございます。お父様」
お嬢様は嬉しさのあまりか席を立ち旦那様に抱きついた。
「おっ…そんなに嬉しいか?」
「本当に嬉しいです!ありがとうございます」
「こら!カトリナはしたいですよ。大体あなたは子ども達に甘すぎます」
「なっ…仕方ないだろう」
そう言って気まずそうにした後、続けた。
「しかし、条件がある」
「なんですか?」
「まず護衛をつける。数日中にこちらで選定させてもらう」
「護衛は僕だけで充分では?」
「お前だけでは不安だ」
「分かりました」
お嬢様が返事をする。
「それと最初に向かう国はフェルソニーが留学しているカドーニ王国だ。比較的治安も良いしなによりフェルソニーがいるから安心だろう」
「はい。もちろんです。しっかりカトリナを守ります」
「それもそれで不安だが…」
旦那様が呟く。
「とにかく定期的に手紙を送ってくれ。それと護衛から報告もさせるつもりだ。いいな?」
「はい」
「あとネリアにもついて行ってもらいたい」
いきなり声をかけられて驚いたがすぐに返事をする。
「ありがとう。これで安心だ。さぁ続きを楽しもう」
こうしてお嬢様の旅が決まったのだった。
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