167(フェルソニー視点)
しばらく経ってから医者による診察が始まった。
と言ってもできる事は限られているので熱などを測って僕の話を聞くくらいで終了だ。
やがて正式に疫病への感染が確認され、僕が部屋の外に出る事は禁止された。
そもそも咳が止まらなくて辛いので外に出る余力もないし食事は職員が持ってきてくれるので問題はない。
そうして僕の外出禁止とともに親族による面会が解禁されるとすぐに叔父様が来てくれた。
面会の方法はまず面会したい患者の部屋の前まで案内され扉を閉めて扉越しに会話をするようだ。
「フェルソニー!大丈夫か?」
面会に来てくれた叔父様は開口一番にそう言った。
「ゴホッゴホッ。ええ。ゴホッゴホッ。大丈夫です」
「大丈夫ではなさそうだな。何か欲しいものはあるか?」
「それよりゴホッゴホッ。カトリナには?」
「ああ。伝えたよ。すごく心配していた」
「そうですか。ゴホッゴホッ心配しないよう伝えてくださいゴホッ」
「分かったよ。お前も何かあったら言うんだぞ」
「ふふっゴホッゴホッはい」
叔父様はそれからも頻繁に訪れてくれていた。
そんなある日、叔父様からカトリナが面会したいと言っていると聞いた。
正直、感染の可能性がある場所にカトリナを来させていいものか迷ったし最初は断った。
でも叔父様からカトリナの話を聞く度、恋しくなってしまい会いたいという気持ちになってしまった。
「カトリナが薬学を学びたいと言っている」
「ゴホッゴホッ薬学を?」
「そうだ。今回の疫病でそう思ったらしい。シスカ公国に行きたいと」
「ゴホッそうですか。ゴホッやっぱりカトリナはすごいなぁ」
「兄上の元に帰らせるつもりだったのに兄上を説得すると言って聞かないんだ」
「ゴホッふふっ。父上は厳しいゴホッ…からなぁ。叔父様はゴホッゴホッ…父上と連絡を取っているんですよね?それならゴホッ…伝えてくれませんか?」
「なんだ?」
そうして僕は叔父にある頼み事をした。
「分かった。伝えるよ。それよりフェルソニー、薬はちゃんと飲んでるか?」
「ゴホッ飲んでますよ。でも叔父様も分かってゴホッ…いるでしょう?ゴホッ飲んでもあまり変わりはないって…」
「それでも飲まなきゃだめだ!」
扉越しでも叔父様が少し熱くなっているのが分かる。
「ゴホッ叔父様は優しいですね。ゴホッ叔父様ありがとうゴホッ…ございます。僕、叔父様がいて良かったです」
「そんな…」
叔父様はそれ以上、喋らなかった。
「ゴホッカトリナの面会の件ゴホッ…よろしくお願いします」
「良いのか?」
「はい。ゴホッ」
「伝えておく。疲れただろう。ゆっくり休んで」
「ゴホッありがとうございます」
療養施設でも手紙は渡してもらえる。
その後、叔父様から手紙が届き正式にカトリナとの面会が決まった。
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