16(ばぁば視点)
私は清水三紗子78歳。
数年前に亡くなったじいさんのお墓参りに孫と一緒に行って車に轢かれた。
あまりにあっけなくでもそれでも良いかと思った。
私はもう歳だ。それよりも孫の方が可哀想に思えた。
孫の心陽はまだ17歳。これから色んな事ができたはずなのにこんな事で命を落とすなんて…
その時、どこからか声がした。
「ばぁば…おばあちゃん!」
私は生きているのか?死んでいないのか?
力を振り絞って目を開ける。
すると最初に見えたのは心陽の顔。
「気づいた?良かった…」
心陽は心底安心したような顔をする。
私も心陽が無事な事に安堵するが次に思ったのはここがどこかという事だ。
「ここどこ…?」
そこに現れたのは白い衣を纏い頭に輪が乗っている男性。
その男性によればどうやら自分はあの世とこの世の境目の案内人で死ぬには早かった私達は異世界転生というものができると言う。異世界転生は孫がアニメなどでよく観ていたので言葉は知っているが詳しい事は分からない。
でも要するに私は生き延びたということだ。
たとえ他の世界であってもこの命があるなら目一杯楽しもうではないか。
そう思い
「なんだか分からないけど楽しそうじゃない」
と言った。
「ばぁば?」
孫は私とは反対に不安そうにしていたが、こう見えても孫は結構強い事を私は知っている。たぶんすぐ馴染むだろう。
「おばあちゃんは結構ノリノリみたいだね。イイねぇ。一応2人が1番近くにいられる配役にしといたから安心してね」
(それにしてもなんかこの案内人、チャラいわね)
「あっ今、チャラいって思った?さすがばあちゃんと孫だねぇ。考えてる事が一緒」
(えっ…この人考えてる事分かるの?)
「全部分かるよ。さぁお孫さんはもう行ったよ。ばあちゃんもいってらっしゃい」
すると突然、急激な眠気に襲われた。
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