希望……
「デザインはコレとコレとコレでいいですね、貴女は何か希望はありますか?」
「男がブラジャーの好みもへったくれもないだろ」
「貴女、今 女ですよ」
「きーこーえーなーいぃぃぃいいいいいいいいっ!!」
「後はサイズですか…測り方はここに書いてありますね、測ったトップとアンダーのサイズをここに入力すれば後はカップを算出してくれるようですよ」
「結局サイズ測らなきゃダメなのかよ!」
「これで自分で測ればいいじゃないですか」
「おう、ありが…ってメジャーはメジャーでも硬いコンベックスじゃねーか!」
「メジャーで怪我をしてもそれなりに治してさしあげますから些細なことは気にしないでください」
「それなりに?! っていうか怪我するの前提かよ ぜんっぜん些細なことじゃねーよ!!」
「些細かどうかは個人の感覚にもよりますからね」
「……個人の感覚の一言で片付けるな」
「何も身に着けない状態で水平を心掛けて測るそうです」
「裸で水兵?!」
「とりあえずアンダーからにしましょうか、位置的には乳房のすぐ下の」
「華麗にスルーして事務的に脱がすなよ、っていうか乳房って言うな」
「そんな細かいこと気にしてどうするんですか、ほら、水平かどうかくらいは見てあげますから可及的速やかにしてください」
「いや、水平って言われてもいだだだだだ?!」
「高々自分の身体にメジャーを巻くだけなのに何でそんなに身体が硬いんですか」
「俺はインドア派なんだよ!」
「散々アウトドアしたでしょう」
「徒歩と飯炊きで柔軟性が身につくかっ!」
「女性としては足腰が鍛えられて丈夫になって大変よかったですね」
「おいやめろ、女の人生において生死に関わる特定の一大イベントを連想しそうなことを言うのはやめてくださいお願いしますこのやろう」
「はいはい、いい加減鬱陶しいですからさっさと測量してしまいましょう、背筋をまっすぐ、メジャーを通しますよ」
「冷たっ! 心の準備無しにコンベックスを巻くのはやめろ冷たいだろ! っていうか測量って言うな」
「アンダーはよし、次はトップですね」
「…淡々と無視するなよ」
「…はぁ、わたし来年には叔母さんになっちゃうのかなぁ」
「何言ってんだよ聖子、俺らまだ小学生だろ?」
「……(なんで男ってこんなにバカなのかな)」
…というわけで、ヤマもオチもイミも無く唐突に始まり唐突に終わる
読んで下さりありがとうございました!




