【おまけ】仕事
これはアカデミーにいた時、特待生になってからもたまに気になる授業は受けており、その日もまた授業を受けていた。
アカデミーに居る間は、契約精霊の二人に国の周辺の見回りをさせていた。何かあったらすぐに念話が飛んでくるようにもしていた。
その日は授業の始まるギリギリに教室に行き、いつものように声を掛けられることもなく平和に授業を受けていた。そんな授業を受けていた時のこと、教室に急にアロンが入ってきたのだ。
「主様、モンスター型の強化魔物が二十体程現れました!私とセズで何とか討伐しようにも力及ばず、申し訳ありません」
いつも、何かあったら念話で状況を知らせてくれるアロンが、急に教室に来て大きな声でそう言ったのだ。
教室の生徒達は精霊?と興味深そうにこちらを見ていた。だがそのうちの一人がひっ!と声をあげる。
アロンは腹に深い怪我を負っており、そこから魔力が垂れ流しになっていたのだ。
「アロン、お前は私の影で休んでいろ、魔力はいくら食べても構わん。回復しろ」
「申し訳ありません…」
「いい、魔物はセズの座標に居るな?」
「はい」
「教諭、授業を妨げてしまって申し訳ありません。急用が出来たので、失礼します」
「え、えぇ」
そう言って私はそのままセズの座標へ飛んだ。
幸いセズは上空から攻撃していたようで、傷は負っていない。私はそのままセズに周辺の情報を落とすよう伝えた。
魔物の正確な数は二十三体で、私はアカデミーに居る間に考えた討伐方法を試してみる。
パキンッ!
成功したらしい。それは核の場所に直接氷魔法を生成するというもの。刺すのではなく、体内から貫通させた。核の場所に生成された氷は、核を貫き魔物を討伐する。
その方法で数体は倒したが、強化種なので核が硬く、変に時間がかかるため辞めた。
残り数十体に雷魔法を当て、足場を氷で固定する。
少し怯んだところを風魔法を使い首を落とす。
あとは核を壊して終わりだ。
「確かに、こいつら相手はちょっとアロンとセズは相性が悪かったな。でも、よくやった」
「この程度も討伐出来ず、申し訳ありません」
「謝るな、相性の善し悪しは仕方ないことだ。知らせてくれてありがとう、セズも休んで魔力をお食べ」
「ありがとうございます」
さて、報告書を書かないとな。
ついでに近くの魔獣の様子も見てから帰るか。
強化種二十体同時出現だし、スタンピードの予兆がないかもチェックしなければ。
一、二体なら別に報告書だけでいいのだが、二十となると少しやることが増える。これが管理者の仕事だ。
これプラスで守護者の仕事も増えるのだ。弱音を吐いていられない。
そう意気込み、森を大体見て回ってからアカデミーの寮に帰り、報告書を書いた。
十分休んだセズとアロンが帰る時に報告書を持って行ってもらい、そのまま机を使ってちゃんと提出してくれたらしい。
優秀な契約精霊に恵まれ、頼もしい限りだ。




