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番外編 お父さんのつぶやき

101,000PV、16,000ユニークアクセス御礼です。

紫さんのお父さんのつぶやき。

 うちの娘は生まれたときからかわいかった。新生児室でも一番の美人だったと今でも思ってる。

 すくすくと育ち、反抗期も特に無く素直な娘になってくれた。仕事で、あまり家にいることの出来ない私をお父さんお父さんと慕うのを、どれだけ自慢したことか。


 海外赴任から帰国後、中学から女子校に入った紫は、女友達と楽しそうに過ごしていた。余計なムシがつかなくていいと、喜んでいたが、あまりにも男の影が見えなくて、ちょっと心配したことも。同じく女子校育ちの妻が「そういう子なのよ」と言うので、しばらく様子を見ることにした。

 なにしろ、紫の周りの男性と言えば、私と神父様くらいという状況だったからな。


 高校生になった頃、紫の口から男性の名前が出るようになった。後輩がお世話になっているお宅のおじ様とお兄さんとその友人だ。おじ様があのカガミの社長だったと知ったときは驚いたが、安心もした。何度か会ったことのある各務社長は信頼できる人だ。

 パーティーで各務社長にあった時、紫の名を口にすると、各務社長が相好を崩した。どうやら、娘はかなり気に入られているようだ。さりげなくご子息とその友人の話を聞くと、娘さんを持つと心配ですよねと、微笑まれた。…そんなにわかりやすかっただろうか?

 息子さんはどうやら娘の後輩に気がある様子で、心配なし。その友人は、各務社長もべた褒めの好人物らしい。ふむ、一度会いたいものだと思っていたら、意外にその機会は早くやってきた。


 海に行った紫を送ってきたのが、蘇芳君だった。なんと、ご近所さんだったとは。紫を妹のようにかわいがってるのが見てとれた。礼儀正しく、さわやかな好青年。それが第一印象だ。

 各務社長が目を掛けるだけあって、少し話しただけでも頭の良さがわかる。いずれ各務社長の息子の片腕になるのだろう。将来が楽しみだ。後で妻に印象を聞いたら、知的ですてきだわ~と言う。そういえば、妻はメガネの似合いそうな文系男子が好みだった。一時期韓流にもはまっていたっけ。


 蘇芳君が各務社長に勧められて留学したとき、紫は少し元気がなかったが、心配するほどでもなかった。う~ん、紫にとって蘇芳君は恋愛対照だと思ったんだが。まあ、今の時代メールやスカイプで連絡取れるしな。私のときは、エアメールだったなぁ…。

  


 2年後、蘇芳君が帰ってきて、紫と一緒にカガミ・コーポレーションに入社が決まった。各務社長に挨拶の電話をいれたところ、紫を「姫」にしたと報告を受けた。

 カガミ・コーポレーションの「姫」の掟。取引のあるうちの会社にも伝わっている男の掟だ。まさか、うちの娘が「姫」になるとは…。しかも騎士役は蘇芳君。このとき、私は蘇芳君がいずれ義息子むすこになるだろうと覚悟したのだ。


 入社して、2年。もれ伝わる話によると、蘇芳君のブロックは完璧らしい。だれも紫には近づけない。それにもまして、うちの娘はニブいらしい。私は思わず若かりし頃の妻を思い出した。結婚まで持っていくのにどれだけ大変だったか…。

 蘇芳君、君の苦労はわかるよ。いつか、そのことについて、語ろうな。


 蘇芳君は、寝込んだことをきっかけに我が家によく来るようになった。私は、お酒と将棋の相手が出来てうれしいし、妻は息子ができたみたいと喜んでいる。もうすっかり家族だ。今日蘇芳君からプロポーズの協力をお願いされた。もちろんOKだ。楽しみだなぁ。


 そうそう、今度各務社長にあったら、うちの息子をよろしくって言わないとな。

 

お父さんはもちろん親バカです。途中から蘇芳さんに対しても親ばかになってる気が…。

ありがとうございました!

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