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RETURN: EDEN  作者: Eishun
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第35話:最後の灰と、新たな世界の種

1575年6月28日(天正3年5月21日)……。

設楽原(したらがはら)の平原、連吾川の濁った水面に朝霧が濃く立ち込めていた。日本全土の無敵の恐怖である2万の赤備え(あかぞなえ)騎兵が一斉に長槍を下ろした時、大地が激しく揺れ始めた。

隊列の先頭に立つ立花雪姫(アエリア)は、銀で象嵌された血朱色の甲冑を纏い、朝風にプラチナブロンドの髪をなびかせ、その紫色の目には揺るぎない決意の炎が燃え盛っていた。彼女はきらめくカタナを振り上げ、霧を引き裂くような叫び声を上げた――

「武田と連合の誇り高き武士たちよ!我らの前には、自らを魔王と称し、神仏を踏みにじり、先祖からの千年の秩序を破壊する暴君、織田信長がいる!我らの馬の蹄と伝統的剣術で、やつの野望を粉々に押し潰せ!」

ドドドドド……!

何千頭もの軍馬が一斉に疾走した!怒号と旗印が空を覆い、その猛烈な勢いは真っ赤な津波のように織田軍の防衛線へとまっすぐに突進していった。

茶臼山の丘の頂上の観測台に立ち、織田信長(オリン)は赤いベルベットのマントを纏い、指揮剣を手に取り、押し寄せる騎兵の嵐を静かに観察していた。

混乱した進軍の太鼓の音もなく、伝統的な儀礼に従って単身で名乗りを上げて突撃する武士たちもいなかった。

武田軍の目の前にあったのは、数マイルにわたって連なる3重の連続木製柵(馬防柵)が突き立てられた、泥だらけの川岸にすぎなかった。障害物の後ろでは、鋼鉄の鎧を纏った3千人の足軽兵が一斉に真っ黒な種子島火縄銃を構え、息が詰まるほどきれいに3列に整列していた。

軍師・黒田正智(オルロ)は左翼を馬で駆けており、その陣形を見るや否やハッとして慌てて羽扇を振って絶叫した――

「雪姫!止まれ!川岸が泥だらけすぎる、やつの木の柵は鋸歯状に建てられており、騎兵の加速が完全に相殺される!これは罠だ!」

しかし、すでに手遅れだった。赤備えの馬の蹄が連吾川の泥に沈み込むと、疾走していたスピードは堅固な木製柵の前で即座にピタリと停止した!

高い丘の上で、オリンは口角をわずかに上げ、指揮剣を高く掲げて力強く振り下ろした――

「一列……撃て!」

ドーン!ドーン!ドーン!

千発の鋭い爆発音が鼓膜を引き裂いた!真っ白な銃煙がもうもうと立ち上り、空気を引き裂く鉛の弾の雨を伴って、赤備えの先陣に真っ直ぐに突き刺さった。馬が悲鳴を上げ、何百人もの精鋭騎兵が泥の中に吹き飛ばされた!

敵が態勢を立て直す間もなく、信長の次の号令が雷鳴のように再び響き渡った――

「二列……撃て!三列……撃て!」

ドーン!ドーン!ドーン!

一秒たりとも途切れることなく、交互に装填――点火――発射を行う「三段撃ち」!連続する火の壁が連吾川の川岸をハイテクの殺戮場に変え、伝統的剣術と馬の蹄の誇りを完全にへし折った!

「雪姫、気をつけて!」

竜崎源之助(コール)が雷のように咆哮し、雪姫の目の前に飛び出し、500斤(約300kg)の鉄で覆われた金棒を横に払って彼女を庇った。

カーン!カーン!カーン!

十発以上の鉛の弾が鉄の棒に直撃し、火花が激しく飛び散った。恐ろしい衝撃力が源之助の屈強な体を泥の奥深くまで押し戻し、両手は裂けて血が滲んだ――

「クソッ……なんだこの化け物じみた武器は?!俺の腕が……まるで真っ二になりそうに……」

雪姫は唇を血が出るほど強く噛み締め、紫色の目は憤怒で満たされていた。彼女はすべての剣気を込め、馬の背を踏み台にして木製柵を飛び越え、3本の火縄銃の銃身を切り払い、信長の指揮台に向かってまっすぐに突進し、怒りに満ちた声で叫んだ――

「織田信長!貴様は自らを魔王と称し、真の勇者どもを虐殺するために異国の商人の卑劣な武器を使っている!貴様には武士の名を名乗る資格はない!」

シュッ!

オリンは剣を抜かなかった。彼は手に持った銀で象嵌されたポルトガルの短銃を掲げ、引き金を引いて雪姫の肩の鎧を粉々に撃ち砕き、熱々の火薬の気流で彼女を泥の地面へと転げ落とした。

信長はゆっくりと歩み寄り、軍靴のつま先で彼女のカタナの刀身を踏みつけ、裁きの神のように低く冷たい、威厳のある声で言い放った――

「真の武士?千年の名誉?万の庶民の命が内戦の割拠の餌食になっているというのに、お前たちはその空虚な名誉にしがみついて何をするつもりだ?!」

オリンは震える雪姫の紫色の目を真っ直ぐに見据え、一言一言が重いハンマーのように叩きつけられた――

「新時代の戦場において、勝者とは、物流と技術を用いて戦争を最も早く終わらせ、最も多くの命を救う者のことだ。詩に書くために一番美しく死ぬ者のことではない!目を覚ませ、愚かな娘よ!」

忍者・服部雀(ジビー)が毒煙の変わり身の術を使って飛び込み、雪姫を背負い、正智と源之助が全力を挙げて血路を開いた。

一味が追い詰められているのを見て、オリンは騎兵に追撃を命じなかった。彼はルシファーの教えを厳格に遵守した――決して逃げ道を断つな、対戦相手が自ら進化できるように狭い隙間を必ず残せ。

オリンはわざわざ西の翼に手を振って合図し、山岳地帯へ向かう泥だらけの脱出ルートを一つだけあえて残した。同時に、彼は胸元から黒い絹で包まれた羊皮紙の巻物を取り出し、正智の足元へと投げ捨てた――

「これを持っていけ、そして目を覚まして見ろ!将軍・義昭と京都で金を蓄える大和尚どもは、お前たちを捨て駒にして安全なところで茶を飲んでいるぞ!俺の首が欲しいか?真の力を手に入れてから出直してこい!」

その日の真夜中、三河西部の放棄された山の洞窟にて……。

軍師・正智は、揺らめく松明の光の中で信長が投げ捨てた密書の巻物を広げた。読めば読むほど、若い軍師の顔色は青ざめ、扇子を持つ手が震えた――

「なんと……これは秘密の賄賂の帳簿だ……足利義昭将軍と本願寺の大和尚どもが……権力と引き換えに3つの銀山と10万石の食糧を外国の商人に密かに売り渡していた……我々は……我々は奴らの不法な財産を守るための使い捨ての駒にすぎなかったのか!」

雪姫はボロボロになった肩を押さえながら座り込み、鎧に残った銃撃の焼け跡を見つめ、憤怒の涙が両頬を伝い落ちた。

十数年間にわたる「封建的正義」への盲信は完全に崩れ去った。しかし、その幻滅の灰の中から、彼女の紫色の目の中で新たな揺るぎない光が激しく燃え上がった。

彼女は無理やり立ち上がり、カタナを石の床に深く突き立てた――

「信長は残酷だが、偽善的ではない……やつは火と弾丸を使って腐敗を打ち砕いた。だが我らは、その腐敗を盲目的に庇い続けてきたのだ」

彼女は振り返り、3人の仲間を見つめた――

「我らはもう、いかなる大名や将軍にも仕えない!雑賀の火聖地や伊賀の隠れ里へ赴き、銃器の扱いを学び、剣術と融合させるのだ!新時代のまさにその武器で信長を打ち負かし、この地に真の平和を自らの手で取り戻すのだ!」


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