仲井戸 智(なかいど さとる)1《依頼》
コロコロと人物が入れ替わるので、章節が膨大になってますが短編小説と呼ばれる程の長さです。
警視庁の、俺の部屋から見える月が、綺麗な夜だった。
俺は辞めた筈の煙草に火をつけ、過去を振り返っていた。
ネゴシエーターという、特殊な勤務について早8年という月日が流れ、刑事のように外回りはしなくなった。来る日も来る日も、犯罪者の心理を研究し、資料とパソコンをにらめっこしている毎日だ。
家に帰る事もほとんどなくなり、彼女なんてこの数年できず、未だに一人身だ。夜はこの部屋で一人過ごすことが多くなった。
今まで、いろんな犯罪者を見てきた・・・犯罪者の心理を読み、次の事件を読み、逮捕という事も数件あった。
今回の事件は、緊急を要するという事で俺の部署に回ってきた。
都内連続殺人事件。
2ヵ月前から、都内で起こっている連続6件の殺人事件。被害者は男女問わず、年齢も18歳の少年から42歳の女性まで幅広い。被害者達にも関連性はなく、致命傷もナイフによる刺殺から鈍器による撲殺まで様々だ。
一見、それぞれの殺人事件に見られるが、統一しているのが、「何時何分頃、何歳くらいの女(男)を何区で殺した」と犯人から警視庁にメールが送られてくるのだ。もちろんネットワークやサーバー等を調べるのだが、厳重なロックがかかっていてIPも様々な場所から送ってくるので確定できない。
犯人はメールで自分の事を「もんすたぁ」と呼んでいる。
ここ最近ではワイドショーでも「もんすたぁ」の名前を聞かない日はないほど知れ渡っていた。




