三十秒の攻防
コボルト退治を終え、報酬を受け取り部屋で寛ぐ事にした三人は宿舎の階段を一歩ずつ確りと踏み締め登って行く。昼間は気づかなかったが、この世界に来てからと言うもの、階段を上るのは久しぶりで懐かしさを感じる響也はこの後の問題を予期していなかった。
「ベッドは誰が使うんだ?」
現在のメンバーは三人。しかしベッドは二つ。普段から地べたで寝ている三人からしたらベッドは余りお目に掛からない代物だ。
「俺は床で良いから二人が使いな。」
「私は普段から床で寝てるから床で構わない。」
「私も普段は屋根の上とか屋根裏なので。」
埒が明かない。話し合いの結果としては窓側のベッドを響也が使い、通路側をルイーザが使う事となった。ジョゼ曰く狭い所は暖かく落ち着くとの事なのでルイーザのベッドの下を希望。今思い出すと王都に来る馬車の頃から狭い所に居たと感じる響也はジョゼがそれで良いならと寝床を決定した。
「取り合えず買い物に行って来るよ。いくら何でもプライバシーは必要だろ?」
そう言いながらフードを被り直し部屋を出ようとする響也は「私は別に構わないぞ。今までもそうだったし。」と言うルイーザの言葉を無視し衝立代わりになるスタンドやカーテンを買いに外へ出る。
その間、残された二人は明日の魚が楽しみらしく、どんな魚料理が好きかをお互いに紹介しあう事に。
先程の報酬は全て衝立代に消え、ものの数十分で部屋へ戻った響也だが、そこではだらしのない恰好でベッドで眠るルイーザと窓から月明りを眺めているジョゼの姿を目の当たりにする。
ジョゼの話によると、「魚の事を考えると腹が減るので寝る」との事らしい。一度寝たルイーザは殺気以外では中々起きない為衝立を二人でセットする事に。木枠の中に布製カーテンを取り付けるだけと言う簡素な物で、蝶番になっている部分を広げジグザグに立てる屏風と同じ仕組みである。
ふと自分のベッドに目をやる響也。シーツを始めとした洗濯物の類は取り込み、確りと畳んだ上でベッドメイクされたベッドの上に置かれている所を見ると、三人で協力していく仲間『クラン』になった実感が少し沸く。帰りが遅かったので洗濯物が完全に冷たくなっているのはご愛敬と言った所。
夕飯を食べずして眠ったルイーザは響也達が仕方がないので二人で夕飯を食べようと相談した瞬間に「飯!」と飛び起きる。衝立の時に起きろよとツッコミを入れると三人は食堂へ向かう事にした。
明日は港町バーウィックへ出発するので朝早くから出ようと作戦を手短にし食事を済ませ部屋に戻ると、ルイーザは倒れ込む様にうつ伏せでベッドに体を預けるとそのまま眠ってしまう。その姿を見た二人はお互いの顔を見合いクスりと笑う。
「ルイーザも寝たし俺達も寝るか。」
響也は部屋の隅に置かれたテーブル上のランプを吹き消しベッドに入る。物置でも馬小屋でも無い質素ではあるがちゃんとしたベッドへ約二か月ぶりに入ると、数回呼吸しただけで夢に国へ出かけてしまった。
翌日、朝日が入らない為か薄暗い部屋で目を覚ました響也は何故獣臭がしないのか一瞬考え自分がギルドの宿舎に居る事を思い出す。
日課にしていた素振りをしようとベッドの頭側の壁に立てかけていた剣を持ち上げ部屋を出る。まだ誰も起きていないのか不気味な程しんとした宿舎に階段の軋む音だけが鳴り響く。
中庭から西の扉を潜り日干しの広場に着くと剣を構える。サイコメトリーを発動し、映像<ヴィジョン>と全く同じ動きに加え、コボルトやケルベロス戦で見た映像を記憶を頼りに繰り出す。
一通りの鍛錬を終え、一息つく響也は剣を鞘に納めた瞬間、背後から只ならぬ気配を感じ咄嗟に右方向へ飛び、地面を回転しながら後方を確認する。するとそこには二階から手を振るルイーザと自分の口元を抑えているジョゼの姿があった。
先程まで自分が居た場所を見ると、左足を踏み込み抉れた地面の横三十センチ程の位置に鍼が突き刺さっている。確実にジョゼの物である。驚きの余り鍼とジョゼを交互に見る響也を一笑いすると窓から飛び降りたルイーザは鍼を引き抜き、「背後からの飛び道具に反応出来るなら私の背中も預けられるな。」と言って鍼を見せる。
「お前訓練にしたって流石に危ないだろ。」
「大丈夫だ。ジョゼのコントロールは完璧だし、実際避けなくてもお前に当たる事の無い位置に投げて貰った。」
「だからって万が一ミスったら・・・」
「お前はジョゼの腕が信用できないのか?」
そう言われ言葉を返せなくなる響也。ジョゼの腕前は知っているが、自分に武器を投げられたと言う行動に対し何とも言えない感情になり、一度自分の髪をぐしゃぐしゃにすると落ち着いてジョゼに対し手を振り何事も無かったかの様な態度を取る。一方ジョゼも訓練だとルイーザに言われ断れなかったらしく、合流後響也に謝りに行くが気にするなと笑顔で返す姿を見て胸を撫で下ろした。
三人は朝食を取ろうと食堂へ向かうが、まだ準備中な様で食事が出来る状態ではなく、仕方なく途中の店で買いながら東門を目指す事にした。早朝とは言え流石王都だけあり、既に開店している所はチラホラと見られる。八百屋にて胡桃やレーズン等の日持ちする物と洋梨や林檎等歩きながらでも食べれる物を購入すると、店主の前で林檎に齧り付くルイーザ。その豪快さが気に入ったらしく、店主はもう一つ林檎をサービスとして手渡し笑顔を見せる。
果実類を選ぶ二人に対し、その一方ジョゼは人参、キャベツ、カブ等の野菜類を中心に選んでいた。小さくて白い上に野菜を選ぶジョゼの姿はまるで兎の様な小動物か何かに感じ響也の口元に笑みが浮かぶ。
王都へ来てから数回しか来た事の無く見慣れない東門はバーウィックを始めとする町や村へ行き来する馬車が所狭しと陳列していた。流石王都ともなると朝一から仕入れを行っているらしい。
バーウィックまでは基本的に草原となっており、非常に穏やかな道になっている為三人の気分も穏やかで清々しい気持ちにる。途中バグベアやゴブリン等との戦闘はあったものの、今の響也には慣れた相手で苦戦する様な事も無く一行は五時間掛けてバーウィックへ到着する。
青い海、白い砂浜、まるで南国の様な見た目をした海岸に、二階建ての建物が殆ど無いと言う構造の街並みに対し何処か懐かしさを感じる響也と魚目当てと言う感想が全く異なる二人はバーウィック特有の砂利を使った石畳の道に足が触れる。
「まずは依頼人のアレッシオさんに会いに行くか、それとも・・・」
その時、響也の言葉を遮る様にルイーザの胃袋が抗議を始める。
「まずは飯だな。」
港町だけあり新鮮な魚介類を使用した料理が大量にあり、店舗だけでなく屋台も非常に多く見られる。その近くにはここで食べろと言わんばかりのベンチやテーブルがあるので、三人は適当に屋台で買ってその場所を集合地とした。
響也が選んだのはムール貝の蒸し焼きと、トマトとバジルとチーズを挟み焼いたパン、元の世界で言うパニーニを選ぶ。選んだ理由としては、魚の塩焼きや焼きエビ等は他のメンバーが買ってきそうと言う考えから。
実際、ルイーザは大量の焼き魚、ジョゼは車エビの串焼きを買ってきていた。
響也としても久々に口にする海魚の味は、ご飯や漬物、味噌汁等が欲しくなる程懐かしい物。王都でも少し高価な塩も贅沢に使われており、そのしょっぱさが五臓六腑に染み渡る。
「肉も良いが魚も良いな。身がすぐに解れるから食いやすいくて幾らでも入るぞ。」
「はい、少し生臭くなる事以外は言う事無しです。」
魚の味に感動している響也を尻目に見境なく料理を頬張る二人。一口ずつ感動していたら自分の分が無くなると感じた響也も次の料理へ手を伸ばす。懐かしい貝やエビの弾力と噛む度口に広がる独特の風味を楽しみつつ三人はあっという間に平らげてしまう。
「よし、腹拵えは済んだ。早速依頼人の元へ行くぞ。」
と立ち上がる響也に対し、ルイーザは疑問をぶつける。
「依頼人の名前は分かっても何処に居るかは分からないぞ。実際依頼書にはバーウィックとしか書いてなかったしな。」
そうなると聞き込みしか無い為、時間が経ったらここに集まる事にし三人は聞き込みを開始する。と、なる筈だが、ジョゼの人見知りが発動し会話が殆ど出来なかった為、響也と二人で聞き込みをする事にした。
アクアリザードは街の北側の海岸にある洞窟を住処としているらしく、過去に数名調査に向かったクランが居たがその強さに逃げ果せたとの事。その為、アレッシオだけでなく、町中の人間がアクアリザードの撃退を要望している。
「場所が分かったし先に倒しておけば今依頼人に会わなくてもクリア扱いにならないか?」
「確かに。町の集も私等が倒した事を知れば自ずと耳に入るだろう。」
「なら今から行きますか?それとも宿を確保します?」
倒したにしても今日中に帰る事は無理な為、宿を取ってからそのまま討伐と言う作戦に決定した三人は街の北側で一番近い宿屋に三人分の部屋を確保すると、海岸通りを北上する事にした。
陽が傾き夕日になりそうになった頃、一行は話に聞いていた洞窟を発見する。岩だらけで波に乗って海水が流れ込む二メートル程の入口に立つと中から妙な生臭さがある潮の匂いと大量のフナ虫が三人を出迎える。
「アクアリザードが居たとしてもこうまで暗いと探しようがないなぁ。結構深そうだし。」
火打ち石で着火した松明で中を照らしながら目の届く範囲で愚痴を溢す響也。声の反響具合からして十メートルを軽く超える程の洞窟である事が分かった。
「出てくるのを待つという手もあるが、何時になるかは分からない以上我々が先に・・・」
そう言いかけたルイーザは急に背負っていた剣を手にすると振り向きながら前へ出る。釣られて響也も剣を、ジョゼは鍼を構え状況を確認する。
「まずいな、今帰ってきたようだ。」
ルイーザの言葉通り、陽と松明の灯りに照らされて見える海面には大きな影が確認出来る。その大きさからして尻尾を含めた全長は四メートルを優に超えているだろう。
「聞くの忘れたが、奴の弱点は?」
「魔法だ。硬い鱗を纏っているから刃物は効果が薄い。が、鱗を剥がせば問題無い。」
作戦は剣撃による攻撃で何とかして鱗を剥がし突き刺すと言う物。魔法を使えない三人にとっては海の中に居るアクアリザードは苦手とする相手になる。
「来るぞ!」
ルイーザの言葉を合図に海面から飛び出したアクアリザードは口から高圧の水を噴き出すと辺り一面へ撒き散らす。その水の狙いは響也が左手で持っていた松明だったようで、火が消えた事を確認すると地上へ出てその巨躯を露わにした。
全身が濃い青色をし、ワニとトカゲの間の様な顔付をしサメの様な歯を持った四つ脚の生物の鱗が陽の光を反射させながらジリジリと近づいて来る。
「ジョゼ!目を狙え!」
と言うルイーザの指示で目を狙い鍼を投げるが勘づいたアクアリザードは顔を動かし鍼を鱗で受ける。反射速度も非常に高いようだ。
次に動いたのはルイーザ。鍼の到達を待たずに斬りかかっており、一気に大剣を振り下ろすが硬い鱗はそれさえも受け止め肉を切る事は出来ず、逆にルイーザへ噛みつこうと顔を突き出す。咄嗟に下がったお陰でアクアリザードの歯はギリギリ届かなかったルイーザだが、岩場と言う足の接地面の悪さと先程の水により足を滑らせてしまう。
響也もサイコメトリーを発動させてみたがアクアリザードとの戦闘経験が無い様で今回の戦闘は映像<ヴィジョン>に頼る事は出来ず、自分自身の実力のみと言う初めての状態になる。だからと言って日頃の任務と訓練により足手まといにはならず、一戦闘員として十分に戦う事が出来るのだが、目の前で襲われそうなルイーザを見た動揺から剣筋は普段とは異なる線を引き空振りに終わる。
バランスを崩し片膝で立つルイーザを見逃す筈もなく、アクアリザードは再びルイーザへ牙を向け噛みつこうとした瞬間に顔を背ける。その原因はジョゼの鍼であり、先程同様に目へ投げつける事で最大の武器である歯を使わせない様照準を狂わせる事が出来るのだが、相手も無能ではなく学習した様で、目標をジョゼへ変更されてしまう。
顔がジョゼへ向いた事により隙が生まれ為、持ち直したルイーザが今度は鱗の隙間に狙いを定め自分の持つ最大の力を込めた突きを放つ。すると意図も簡単に大剣はアクアリザードの背中に突き刺さり、その状態から剣を捻じる様に動かし鱗が数枚剥がれるが、暴れたアクアリザードの力に及ばず剣を離してしまった。
「響也!割れた鱗を狙え!」
ルイーザの指示に従い剣を突き刺そうとする響也ではあるが、暴れたアクアリザードの動きは全く読めず動くに動けないでいると、ジョゼの投げた六本の針の内一つが右目に突き刺さり隙が生まれる。
「キョーヤさん!」
ジョゼのサポートにより再び訪れたチャンスを二度も同じミスで繰り返させない為、何も聞こえない程に轟く自分の鼓動を抑えルイーザの剣の根本を目指し一気に剣を突き刺す響也。手は完全に震え上がり狙いこそずれた物の、ルイーザが広げた傷のお陰で見事鱗の無い部分へ命中。暴れてどす黒い血が撒き散らされるも剣を体内へ押し込み続けるが、今一歩力が足りない。
アクアリザードが一瞬だけ落ち着いたその瞬間、ジョゼは響也の手を掴む様に支えると両手を前へと動かす。同時に、ルイーザも刺さったままの大剣を先程の続きと言わんばかりに突き立てる。
背中に乗った三人を振り落とそうとするアクアリザードだが、ガリッっと鈍い音が響き渡ると紐の切れたマリオネットの様に地面へ体を叩きつけた。動かなくなった体から剣を引き抜く事は無く、三人の荒々しく乱れた呼吸音と波の音だけが洞窟内に反響する。
血まみれになった両手に握られたどす黒い剣。呼吸が整い始めた頃、ルイーザが大剣を引き抜いた事により残りの二人も剣から手を離す。引き抜かれたその傷口からは血が噴き出す事は無く、心臓が止まった事を証明していた。
「やったな・・・」
引き抜いた大剣を地面へ転がし、尻餅をつくように座り込んだルイーザは二人に声を掛ける。時間にしてほんの三十秒も無い時間。たったそれだけの時間が三人には何分にも感じられる程の間に命のやり取りが行われた。
体格差のある相手からの不意打ちに勝利した時の感情は『達成感』ではなく『安堵感』。その気持ちが徐々に露われ自然に涙が出てくる響也。自分は生きている。
「泣き止んだか?」
「まだ。」
数分後、響也の剣をアクアリザードから引き抜きながら二人に声を掛けるルイーザだが、壊れた蛇口の様に響也の目からは止めどなく涙が流れていた。
「どうせ俺は弱虫だ。笑いたければ笑えよ。」
「生きている事に感謝するのを笑う人間なんか居る訳ないだろ。死に物狂いで戦って、生きている実感を受けたなら誰でも涙の一つでも出るもんだ。私だって冒険を始めた頃よく泣いていたしな。」
ルイーザはやや卑屈気味に言う響也に対し慰めの言葉を掛ける。鞄に入っていた布切れを使い剣の血を拭うと布ごと響也へ差し出す。
「それに、涙の量ならジョゼの方が多い。」
そう言われジョゼの方を見ると、漫画やアニメでしか見た事の無い様な涙を大量に流しており、それを見た響也は気が抜けたのか急に涙が止まる。
剣を受け取り鞘に納めると、響也はズボンの腿部分で手を拭き自分の鞄を漁り王都で買ったレーズンをジョゼへ差し出す。
「コレ食って落ち着け。」
レーズンを受け取ったジョゼは子供の様にピタリと泣き止み一つずつ口へ運ぶ。ここまで効果があるとは思わなかった響也は、逆に情緒が気になったが、あえて口には出さずアクアリザードの前にいるルイーザの元へ向かう。
「どうする?」
「コイツの鱗の硬さは想像以上だ。加工すれば何かに仕える筈だから持ち帰るのが一番得策なのだが、如何せん持ち辛い。」
重いではなく持ち辛さに着目する辺りが流石ルイーザと言った所。そこで解体し鱗付きの皮と牙だけ持ち帰ろうと言う響也の提案に乗り、先程の傷口から剣を差し込み皮と鱗を剥いでいくルイーザ。
「すまないが響也、剣を貸してくれ。私の剣じゃ大きすぎて難しい。」
「ほらよ。確かにこういった時の為に解体用ナイフみたいなのを一つ持ってた方が良いかもな。」
響也から剣を受け取ると比較的柔らかい腹側に突き刺し、見る見るうちに解体が進む。肉質も固いが、皮と肉の間にある薄い脂肪部分に刃を当てると簡単に分離する事が出来る。しかし、その途中違和感を持ったルイーザは内臓を切り開くと中からは見慣れない物体が姿を現した。
「何だこれは?剣の一種か?」
拾い上げ響也に見えるよう差し出すルイーザの手に握られていた物は三十センチ程の両刃になった刃に対し柄が平行になっているジャマダハルと呼ばれる剣に酷似した物であった。
「ファンタジーで見た事あるぞ。この中央部分を握って殴る様に使う剣だ。」
「どこかの国の名前か?まぁ剣だと言うのならば、恐らくコイツに食われた可能性があるな。後で弔って・・・いや、バーウィックで聞き込みでもするか。」
握って使う剣がアクアリザードの中にあったと言うのならば答えは予想できる。響也はルイーザからジャマダハルを受け取ると持っていた布で綺麗に磨き始め、その姿を見たルイーザは解体作業に戻った。
数分後、見事皮と鱗だけ剥ぎ取る事を終えたルイーザは一度皮をその場に広げてみると皮の中央部には割れた鱗と穴が開いており、先程聞いたガリッと言う音はルイーザの大剣が貫通した時になった物と推測する。
人を襲っている為、内臓や肉部分は食べる訳にもいかず、戦利品は皮と折った牙のみ。念の為内臓を調べ遺品になる物は無いか調べ終わると一行は仕方なく水葬と言う扱いでそのまま海へ流す事にした。結論から言うとアクアリザードの体内から見つかったのはジャマダハルのみで、独特な形状から内臓に引っかかり排出されなかったと考えられる。そうなると気になるのは住処にしている洞窟内である。
夕日で空が真っ赤に染まる頃、一行は糞を始め洞窟内のありとあらゆる場所を探索したが骨の一本さえも見つからず、遺品と言えるのはジャマダハルだけと判断しバーウィックへと引き返した。




