表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勘違いフラグ乱立中  作者: キリ
中学三年
7/7

閑話:笑い者フラグを回避しました。

こんばんわ、沖縄でも家に籠って課題に埋もれているキリです。


今回は少し薄めの勘違い。


フラグメッセージが馴染んでから本領発揮です。たぶん。

栄太視点


ボールが顔面に直撃して気絶したアホな奴を保健室まで運んで、俺はそのまま授業に戻った。


てか、いくら俺が力ある言うても一人で問題なく運べるとか、コイツ軽すぎやろ。普段何食うとんねん。別に心配しとる訳やないし俺には関係無いけど。


その後、悠斗が授業に戻ってこぉへんまま昼休みになった。

遅い。一人だけ授業サボるとか羨ましすぎて許せんから様子を見に行く事にする。


「ちわー、友人の様子見に来ましたー」


「あぁ、さっきの。ちょうど良かった。私、少し職員室に行かなきゃいけないんだけど、私が戻るまで様子見てて貰って良い?」


「あ、はい。ええですよ」


保健室を出る養護教諭を笑顔で見送ると、俺はベッドの横のパイプ椅子に腰掛けた。


悠斗はまだ起きとらん。養護教諭も特に何も言わんかったし、ずっと気絶したままなんやろか。




それにしても……こうもアホ面さらして寝とる奴見ると、何かしたなるな。


座ったまま保健室をぐるりと見回すと、養護教諭の机の上にペン立てがあるのが目に入った。

そして、その中にある油性ペン。


これは、やるしかあらへん。


音を立てずにゆっくりと腰を浮かせた瞬間、急に開いた悠斗の目と俺の目が合った。


やば。


「何や、もう起きたんか。おはようさん」


咄嗟に、ちょうど座るところやったと装って椅子に座り直したけど、つい焦ってしもて軽く声が裏返った。


「……おはよう」


俺の動揺に気付いとらんみたいに返事しとるけど、目だけを動かした室内を見回す悠斗に冷や汗が流れる。


コイツ、アホやけど勘はええからな……

あのタイミングで目ぇ開けたんも、偶然ちゃうやろし。


寝てる間に顔に落書きしようとした、なんて知られたら何されるか分からん。


とりあえず何とか誤魔化さなアカン思うて悠斗に話し掛けた。


「にしても自分、アホやなぁ。ボール顔面直撃て、漫画かいな」


あからさまな俺の態度に気付いとるやろう悠斗は、呆れたように溜め息を吐きながら起き上がる。


……俺もうコイツに落書きしようとか思わへんわ。次は無い、って言われとる気もするし。


俺がそんな事を考えとると、何でか悠斗の動きが止まった。


「……悠斗?」


って、おい。


訝しんで声を掛けた途端、悠斗は再びベッドに身を沈めた。


「何しとんねん、どんくさい」


口ではそう言いつつ内心はバクバクや。そういやコイツ、ボールが頭に直撃して倒れてんもんな。安静にしとかなアカンやろ普通。いや別に心配しとる訳やないけど。


「はは……なんか俺、疲れてるっぽくて」


「ふーん……」


確かに今の悠斗の目は何となく虚ろで、めっちゃ疲れてるんやろうな、とか思うような顔しとる。


「早退するん? 今昼休みやけど」


「……念のため、そうしようかな」


「分かった。しゃあないから鞄取ってきたる」


「さんきゅ」


そんなやり取りをして扉に向かうと、ちょうど養護教諭が戻ってきたので早退を伝えて保健室を出た。


担任に連絡してくれるらしいし、手間が一つ減ったわ。

本当は体育の授業中の栄太視点も書いてたんですが、勘違いが無く栄太がツンデレてるだけだったのでボツりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ