第1回 静田課長は忙しい
――シスター!!
――これで、村が救われる!!
扉を開けると、
目に映ったのは歓喜する人々。
待って、私はシスターではないし、村を救うような力は持っていない。
どうして、こんなことになってしまったんだろう――。
――――――――――
「相沢さんは、コピーをお願い。」
「永瀬くんは、グラフ作って。」
「佐藤くんは、顧客リストをまとめて」
テキパキ指示を出していく。
――部長が入院してしまい、私の仕事が激増した。
代わりに、課長の私がしっかりしないといけない。
「静田課長……あの……、」
佐藤くんが、何か言いたげだ。
「顧客ファイルなら、永瀬くんに聞いて。」
なぜか、しょんぼりする佐藤くん。
早く進めてもらわないと、仕事が終わらない。
相沢さん、また、永瀬くんに見とれてる。
「相沢さん、ボーッとしてないで、コピーまだ?」
「は、はい!」
――とにかく、毎日が忙しかった。
無駄なことは省かないと、仕事が進まない。
早く資料を仕上げていかないと、大事な会議が続いている。
細かいところは、後でもいい。
聞きたいことも、会議に関係ないことは、後日にしてほしかった。
――時計を見ると、もう23時。
いつの間にか、フロアには私しかいなかった。
今日も、私が最後、か……。
もう少しやりたいけど、そろそろ帰らないと、明日に支障がでそうだ。
帰らなきゃ……。
疲れ切った体を、引きずるようにフロアから出た。
その瞬間。
――――パァァァ
一瞬で目の前が、黄色に染められる。
窓から強烈な光が差してきた。
え……、何。
この光は??
わけがわからないまま、私はギュッと目を閉じた。




