4月
「やあ、一週間振りだね。調子はどうだい?」
「………………」
「硬直しちゃって。僕と会うのが久し振りで言葉も出ないのかな?」
「………………す」
「ん?」
「通報します」
「何で!?めでたきこの日に何で!???」
「月に何回か会うのは構いませんが、大学まで来るのなら話しは別です。気持ち悪いです」
「不法侵入じゃないからね!?ほら、身分証明書!!僕だってここの学校の生徒だからね!!」
「……?落ちたって話でしたよね?」
「ああ、それは医学部。滑り止めの教育学部は合格したって……言ってなかったっけ?」
「聞いてないです」
「じゃあ今言おう。僕は大学でも後輩ちゃんと一緒なのです!」
「この非情な社会に嘆いています」
「嬉しすぎてかい?」
「だと思ったら大間違いですよ。ここでなら新しい私を踏み出せるかな。なんて期待してたんですからね。高校の時は男子に暴力女って呼ばれてたのを知ってるんですよ」
「それは後輩ちゃんが人目も憚らず殴るからであって」
「私に話しかけてくる男子は大抵殴られる事を所望してるんです。酷い時は踏んでくださいと頼まれました」
「むむっ!なんとゲスな男なんだ!」
「だから、大学では暴力女としては通りたくないんです」
「まあ、仕方がないよね。こうなる事は大体予想ついてたし、後輩ちゃんが僕から離れる時が来るかもしれないとも考えてた。だから、覚悟は出来てるよぅおおおおお!!!」
「男泣きされながら言われても……」
「うぇぇぇぇぇぇぇええええ!!!!」
「まあ、でも先輩のお陰で皆に表情が柔らかくなったと言われる様になったのも事実です。それに、先輩と知り合う以前の私なら人の目なんて気にしませんでした」
「なら、ならっ!!」
「前ほど頻繁に顔を合わせれないかもしれませんけど、交遊は続けてあげます」
「ツンデレ萌え!!」
「まったく。私も面倒な人に捕まったものですね」
「それほどでも」
「褒めてません」
「ってことで、新シリーズのはじまり。はじまりー」
「新シリーズと言っても、一つ年を重ねるだけですけどね。私は19に、先輩は20に。誕生日はいつか知りませんが」
「そういえば、僕も後輩ちゃんの誕生日知らないや。こんなにもストーキングしてるのになあ」
「知らなくて結構ですよ。では、もう時間が押してますので」
「それじゃあ、またねー」




