2月
「こんにちは」
「やあ。後輩ちゃん、今日も可愛いね」
「先輩は全快口説きモードで呆れますね」
「後輩ちゃんが久々に登校するって噂を聞いて、ついつい僕も来ちゃったよ」
「お互いに学校に行ってなければ、携帯も持っていないのによくもまあ噂を聞きつけれましたよね」
「噂というか、仕掛けた盗聴器から聞こえてきたというか」
「大体気付いてました。先週、三つ壊した筈なのにいつの間に新しいのを仕掛けたんですか」
「それはね。後輩ちゃんのいぬ間に仕掛けたのさ」
「先輩は犯罪者予備軍ではなくて、既に犯罪者ですね。野放しにしている日本の政治体制に疑問を覚えます」
「それはどうしようもない」
「本人が言わないでください」
「ところで、どうして今日は登校してきたの?後輩ちゃんは受かってるよね?」
「奨学金の話をつけにきただけです。先輩こそ、どうしたんですか」
「いやー、後輩ちゃんに言いにくい話なんだけど、実は大学落ちちゃってさー」
「……はい?」
「やっぱ、僕に医学部なんて無理だったんだよ。そもそも留年している奴は入れないって言われちゃった」
「それで、普通に帰ってきたんですか」
「そりゃ、まあ、ねえ」
「何もせず帰ってきたんですか」
「したよ。何度も勉強して、死ぬ気で頑張って、本気で試験にも挑んだ。でも、受からなかった」
「そう、ですか」
「ま。留年したっけ、後輩ちゃんに勉強を教えてもらえれるなー。なんちゃって」
「無理に笑わなくても良いんですよ。流石に先輩が行ける範囲内の大学ではなかったんですし、当然ですからね」
「えっ。後輩ちゃんが、優しい……裏があるのかい?」
「ないですよ。ただ、優しくするのは今日だけですから」
「ええー。じゃあ、この機会に甘えておこうかぶぅえへへっ!!???」
「胸にすりすりしても良いなどと誰が言いましたか」
「だからと言って鈍器で殴るのは酷いと思う!!!」
「通報しないだけ優しいですからね。それで、その後の進路はどうするのですか?」
「あー、うん。他の滑り止めに行こうか。それとも、大学自体諦めちゃおうか。どっちでも良いんだよね」
「どちらにしろ先輩の人生ですから後悔しないように」
「なら、後悔しないように後輩ちゃんの胸にダーイブ……ウソウソウソ!!!しないから!!その鈍器を下ろして!!!」
「先輩の目は邪悪で、濁りきっているので私が綺麗にしてあげましょう」
「それを振り下ろしたとて、結果的に魚みたいに眼が濁っちゃうから!!!」
「それもそうですね」
「よしよし……落ち着いて落ち着いて」
「では、定時なので」
「まったねー」




