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会話同好会  作者: 太郎
高校3年生
43/56

11月

「高校生活最後の冬休みがもうすぐだよ」


「正常に進んでいれば、先輩は去年で高校生活は最後だったんですよ」


「悪魔の呪文だ。聞こえない、聞こえなーい」


「先輩が留年しなければ、私だって望む大学に入れなかったので、少しは感謝しているんですよ」


「うっわ、急にデレられると動揺して後輩ちゃんを舐めたい衝動に刈られる」


「今すぐご自由に死んでください」


「わーいわーい、うぇーいうぇーい。後輩ちゃんが酷い事を言うよー」


「ウザいです、抱きつかないでください」


「未来の旦那になんて言い草だ。泣いちゃうぞ」


「誰が先輩を夫にするもんですか。私だって選ぶ権利くらいあるんですよ。人権侵害で訴えてやりましょうか?」


「酷い!!その気にさせるだけさせて、飽きたらポイなの!?アレだけ僕を利用したっていうのに……それはないわ!!」


「フィクションは止めましょう。大体、利用しているのは先輩の方でしょう。会話同好会、という形で」


「…………何も言えねぇ」


「そもそも、どうして私を誘ったんですか。どうして部活を作ったんですか」


「えーえー、今日の後輩ちゃんはグイグイ攻めてくるー。僕は受け子ちゃんじゃなくて、がっぷり攻めなんだよー」


「意味が分かりません。はぐらかさないでください」


「うーあー、まー。しいて言うなら、後輩ちゃんが好きだから、しかないよね」


「……はぁ?」


「なにその、疑い深い目。なんだかんだ、後輩ちゃんの事は大好きだからね!?」


「初対面の相手を好きになって即行、部活に誘うってイカれた神経をお持ちの様で、羨ましい限りです」


「誤解してない?」


「先輩の言葉をそのまま理解したつもりですけど」


「言っとくけど、部活に誘ったのが初対面じゃないからね?あー、もしかして、覚えてない?」


「基本的に薄っぺらい関係しか築いていませんからね」


「うそん。僕史上これまでにない運命的な出会いだったのになー。心臓がひゅんって抜き取られたのかと思ったのになー」


「そんな怖いことしませんよ」


「まさかキルアじゃあるまいし、物理的には取られていないけど、そう錯覚する位僕の記憶には残っているんだよ。残念だなあ」


「運命的な出会いなら、私も知ってて当然なんですけどね」


「廊下ですれ違うなんて運命的な出会いをまさか、後輩ちゃんが忘れちゃうなんてなあ……」


「えっと、それだけですか?」


「へ?」


「運命的な出会いって、“ただすれ違った”だけですか?」


「うん、そうだけど?そこから、どんどん後輩ちゃんを知って今にいたる感じで」


「私の立場では一方的に知られたんですよ。常日頃気持ち悪いと思っていましたが、改めて気持ち悪いですね」


「褒められても」


「褒めてません」


「ううー、じゃあ。今度は、僕の日記を持ってくるよ。見てくれたら理解してくれる筈だ」


「分かりませんけど……では、定時なので」


「まったねー!」

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