レポート25ーVRMMOができてもテレビゲームは好きー
夏休みもそろそろ終盤になった頃、ここ数日の間真弓はファンオンには手を触れていなかった。それは数泊の家族旅行に行っていたからだ。
そして帰ってきた次の日、真弓は家でお隣の小学生ふたご姉妹の相手をしていた。
「まゆにい~ゲームしよー!」
「しよー!」
「よーし、Tiiスポーツするか」
家庭用ゲームTiiをつかって行うスポーツゲームだ。Tiiリモコンを降ったりすることでボウリングなどのボールを投げるように遊んだりできる。皆天堂の人気ゲームだ。
現在はTiiUというのが最新モデルだがVRSが普及し始めた今でもかなりの人気を誇っている。VRSがなかったならすでに真弓たちも買っていただろう。
「ボウリング!」
そう言うのはふたごの姉の梨奈だ。特徴は右の泣きぼくろ。
「グー!」
それに続くように言う妹は瑠奈。特徴は左の泣きぼくろだ。
近所の付き合いもあってか真弓になついている。ふたごには真弓と同級生の姉もいる。
「よし、久しぶりに本気出しちゃうぞ~」
そして気合を入れてリモコン安全ストラップをつけてゲームを始めた。
***
「負けた……」
「イエーイ!」
「いえ~」
家のテレビの前で膝を付いている真弓。手加減などせず真っ向勝負で負けたのだ。
「くっ、いつの間にそんな実力を!」
「らんねえにコツ教えてもらった~」
「もらった~」
……蘭、お前か!!
内心そう思いながら心を収めた。
***
「午前中はそんな感じでな」
「へぇ~。ていうかお兄ちゃん懐かれてるね~」
昼ごはんを食べながら蘭子はそう言う。
「可愛い奴らだ……だがさすがにもう乗られるときつい」
「大きくなったもんね~。小学2年生くらいだっけ?」
「3年じゃなかったか?」
ふたごと真弓たちが出会ったのはふたごがまだ2歳になるかならないかの頃である。
「午後はどうするの? またくるの?」
「午後は小学校のプールに行ってくるらしい」
「そういえば小学校とか夏休み中開放してるね」
「俺は部屋でゲームする」
「お、おう。そういえばお兄ちゃんってどのくらいまで行ったの? すごいダンジョンが多いって噂きいたんだけど」
「ん? 俺は第5まではクリアしたな。といっても内容とか凄さはわからないと思うが」
「そ、そっか~。あ、ごちそうさま」
「おう」
少し急ぎ足で蘭子は食器を台所に持って行く。
「じゃあ私も部屋にいるから!」
「はいよ」
蘭子はそのまま階段を駆け上がり自室に入った。
扉を閉めるとため息をつく。
「お兄ちゃんは第5か……会わないように気をつけなきゃ」




