泡と消させるそのひとは
拙作
『悪役王妃になりたくなくて変装したら、ラスボスの妻になれそうです』(N1090IJ)
のスピンオフ作品です
黒髪黒服と黒ずくめの辺境公閣下の腕から、陽光を集めたような金の髪がこぼれていた。
「小さい」
どなたかがこぼした言葉を、自分が呟いたかと錯覚する。
辺境公閣下により竜から抱き下ろされたその少女は、地面に立つと横に立つ辺境公閣下の胸まで届かない身長だった。
豊かな金の巻き毛、くもりひとつない雪白の肌、長い睫毛に縁取られた晴れ空の瞳、桜桃のような唇。これは天使か人形かと思わせる、大事に大事に守られ手入れされた美しさ。シフォンを重ねた白いデイドレスもあいまって、まばたきの間に消えてしまいそうな儚さを感じさせる。
地に降り立ったお人形は、けれどヒトのように動いて、自分に注目するひとびとを見渡した。とろりと微笑んで、口を開く。
「エーデルシュヴァルツ閣下の婚約者としてシスタヴィオリ王国より参りました。ルーフィ・アリーニナと申します。よろしくお願い致しますわ」
そう言って一礼したその姿の美しさに、みな思わず感嘆の息を漏らしていた。
北の魔王と畏怖されるヴォルフガング・アマデウス・エーデルシュヴァルツ辺境公閣下が熱望して迎え入れた婚約者は、天使のように愛らしく美しく、けれど、あまりにも儚くあどけない少女だった。
拙いお話をお読み頂きありがとうございます
完結まで毎日6時と18時に投稿予定ですが
細部を加筆途中のまま見切り発車したので
途中で間に合わなくなったら申し訳ありません
続きも読んで頂けると嬉しいです




