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episode 01 スキあり




 ひどい小学生だったとは思っている。反面、仕方がないとも思っている。だって、そうだろう。人間としては未熟なガキだったのだから。


『お前、パンツ赤!? ウチのばあちゃんと一緒だぜ! やーい、ババア!』


 スカートめくりをして、笑って暴言を吐き女の子を泣かせていたのはずいぶん前のこと。今となっては何が楽しかったのかわからない。

 幼い日の記憶だ。理由もなくイタズラばかりしていた。


『亮ちゃん! コラ! 雨宮あまみやりょう!!』


 だけど、俺の目的は手当り次第のスカートめくりではない。何をしても泣かない女が一人いた。あいつを泣かせたくて、イタズラがエスカレートしただけ。


 一ノいちのせ咲良さくら


 母親同士が親友でよく遊ぶ仲。お互いの家を行き来するのが普通。いわゆる幼なじみ。だが母親同士が相性よくても、子供同士がそうとは限らない。


『あんた、また一組の子泣かせたの!?』

『うるさいなー。あいつが泣き虫なんだろ』


 咲良が平手で頭を殴る。言い合いからの平手はいつものことで、恒例行事のようなものだ。


『謝りなさいよ!』


 こうやって怒る咲良はなんとなく可愛いと思う。泣き顔よりも、咲良の怒る姿を求めていたのだと知ったのはこの時。


『きいてるの!?』


 俺を睨みつけた咲良は腰に手をあてた。その仕草は母親そっくり。

 うるさいと思いながらも、じっと見つめる咲良に見惚れてしまう。その感情が何かわからない俺は混乱の末に手を出すしかなかった。


『スキあり!』

『ああっ!』


 咲良のパンツは真っ白なレース付のピンク。相変わらず大人っぽい。小学生だぞ。普通の白いパンツでいいだろう。




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