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【第20話】修行8日目 打ち上げ?

「あああ ねみぃ・・・ 誰かさんのせいで寝足りないんだけど?」

 目にクマを作ったアッシュはそう言うとパインを睨んだ。


「すいません」


 昨日の件、パインのミスで深夜まで2人は作業をしていた。そのことでパインは責められ、あたふたしてしていた。


「あ パイン おまえ頭洗ってこいよ それもう取っていいぞ」

 ずっときつく巻いていたこの頭の包帯のことを言っているんだろう。


(うわっ ・・・)

 パインはきつく何重にも巻かれた包帯を外すのに一苦労してしまう。

 外した包帯は布と言い難いほど変色し、パインの血や汗そして土などが混ざり硬く分厚くなっていた。

 ずっと気になっていた耳の形状を手で確認すると思っていたほどひどくない。普通に以前の形状を維持しているようであった。

 ただ、深く裂けていたとパインは思った。耳の根本から外側にかけ少しばかり線状に盛り上がっている。傷というより、本当に耳が取れかけていたことが触ることで分かった。


(うわぁ ・・・)


「お~~ くっついてる やっぱ俺天才だわ~」

 パインの傷跡を見てアッシュは笑っていた。

「やっぱり裂けてたんです?」

 パインの質問を彼はそうだと言い、目線を少し遠くにやり、早く行けといった。


…。


 川の水は冷たく、寝起きに丁度いい塩梅だ。それによってパインは目が覚めていった。彼はゴシゴシと頭周辺の汚れを洗い流していく。泥だらけの彼の鈍い色の金髪が川の水の中を泳ぎ、元の色を取り戻していく。


『つんめてぇ ・・・』


 沁みると彼は想定していたが、冷たすぎてそれ以外感じることができない。

 パインは髪を洗い終え、そしてバサバサと乾かしていく。


…。


 もうすでに仕事に取り掛かるアッシュの元に駆け寄る。


「ちょっとこっちこい ・・・ 見せてみ」

 アッシュにパインは頭を預ける。アッシュは「あ~」と言い、笑っている。

 パインの耳の後ろ側の頭にそこそこ大きな線状に抉られた傷跡が残っていた。


「ちょっと間抜けだが ・・・ まぁいいんじゃないの?」

 パインはそこに気が付かなかった。手で触れると確かに線上に数センチのハゲがあるのが彼には分かった。


「うぅ ・・・・・」

 その表情を見て、アッシュは道具を手放して腹を抱えて笑っていた。


「人の傷を見て笑うのは良くないと思います」

「いいんだよ 俺だから あっはっは」

「・・・」

 アッシュの人間離れしたものは性格にも及んでいることを知った。


…。


 その後は順調に作業が進む。

 昨日加工した3メートル程の所々に穴を開けた丸太を横にし、土台にした丸太にはめ込んでいく。

 アッシュは水平を目測し、パインはその指示の下、木のハンマーで丸太を打つ。それらを4回行い、4本の丸太が均等に土台の上に並列して乗っかる。

 その上にさらに交差して、同じ長さの丸太を並べて敷き詰めるようにして置いていく。

 両端だけ、加工が入っており下のそれとうまく固定した。間の丸太はパインが開発した「小ロープ」できつく結んでいく。


「ん~まぁこんなもんかね」

まずまずの出来なのか満足げな顔を作るアッシュ。

「すごいですね ・・・」


 出来上がったこの「丸太の土台」にパインが乗る。


 先日彼が作った椅子とは打って変わり非常に安定しているのがわかった。そして何よりこの短い時間でここまでの物を作り上げられた事が非常に嬉しかった。


「ある程度巻けたな」


(何を気にしているんだ? ・・・)

 そうアッシュが言うと、バイクに行き、何やら小さい本を持ってくる。それをペラペラめくり、何やら考えているようであった。


「よし 森行くぞ!」


…。


 ここからのアッシュの行動がまずかった。

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