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狂気の殺人者 紅蓮獅子《グレンファング》

「それで、なんで俺は連れてこられたんだ?」


「そうよ!どういうこと?」


俺の当然の疑問に小鳥遊も疑問に思ったようだ。


部屋には20歳くらいの男と小鳥遊がいた。

その男が答えを口にする。


「僕の能力は強力な能力者探知機の様なものでね。

それで君がひっかかったというわけだ。」


「「?????」」


もちろん俺と小鳥遊は疑問マークが頭から離れない。


「あれれー?もしかして君能力持ってないんですか?」


俺をここまで連れてきたアクアブルーの子が図星をつく。

にしても、やっぱり心に突き刺さるな...。やはりまだ立ち直れてないということか...。


「警部。彼は何も能力を持ってないんです。」


小鳥遊が俺の代わりに言った。


「って、え、警部?」


「そうよ。彼は超能力警察第三部隊隊長兼警部よ。」


「申し遅れたね。僕の名前は相沢透あいさわとおる

一応警部だが歳もそこまで離れていない。気軽に話してくれて構わないよ。」


確かに落ち着いていてしっかりしてそうな人だ。


「あ、考えたらあたしも名乗ってなかったね!

あたしの名前は南楓みなみかえで

同じ高校だよ!よろしくね!」


いや、制服を見れば同じ高校なのはわかるんだが...。

なんか凄くわかりやすい人だな...。


「にしても、おかしいな...。確かに強い能力を感じたんだが...」


「あのー、強い能力者だったらどうするつもりだったんですか?」


当然の疑問を口にする。


「もちろん手伝ってもらうんだよ。仕事としてね。

この2人もそうだよ。」


なるほど。超能力警察って言うくらいだ。なにか事件があるんだろう...え?2人?


「おい、小鳥遊...お前...」


「そうよ。私も能力者。隠してるつもりはなかったんだけどね。」


「いや、てか、なんであんな一般高校に来てんの?

今呼ばれるレベルってことは、実践レベルの能力者なんだろ?なら能力専門の所に呼ばれてたんじゃ?」


才能ある能力者は能力専門の学校からスカウトされる。超能力警察から要請がくるなら確実に来ていたはずだ。


「べ、別にいいでしょ...

あの高校に行きたかったのよ...」


こいつも物好きなもんだなー。


「あ、警部さん。少し考えたんですけど、昨日の夜異名持ちとかいう能力者と少し会ったんですけどそれで間違えたとかじゃないですかね?」


「異名持ちに会った、と言いましたか?」


?なんか急にシリアスなムードになったんですけど...


「は、はい...そうです。会ったっていうか会いたくも無かったんですけど...。それで俺が能力者だって勘違いしたんじゃないかって思いまして...」


「僕の能力でそれはないと思うんですけどね。まぁそれは一旦置いときましょう。もしかしてその人 紅蓮獅子グレンファングって名乗ってませんでしたか?」


「あ、はい、そうです。けど、どうして分かったんですか?」


俺は異名持ちとしか言ってないのにどうして分かったんだろう?あの男の話じゃ10人いるはずなのに。


「あいつは異名を持っていることに誇りを持っているので。異名持ちを堂々と公言してるのは彼くらいです。」


「そうなんですか?」


異名なんて貰えたら自慢したいくらいだと思うんだけどなー。

いやけど、あんな奴と一緒にされるのは嫌だな。


「異名持ちは天才の証と言っても過言ではありませんからね。

特別扱いされるのが嫌な人は多いですから。

彼以外はおそらく公言してないんじゃないですか?

ですよね?お2人。」


「え?」


どういうことだ?今お2人って...。


「そうですね。言ってないです。」


「あたしも言ってないよー。」


え、え?小鳥遊!?南さん!?


「2人とも...異名持ってるの...?」


「えぇ。教えないけどね!」


「なんで教えてあげないの?いいじゃん!あたしの異名は水の妖精(ウォーターエルフ)だよー!それでね!舞ちゃんは氷の姫(ブリザードプリンセス)だよ!お姫様だよ!」


「なんで言っちゃうのー!!!」


こいつが姫かー。性格さえよければ確かに姫って言われてもおかしくないかもな。


「なによ...。笑いたければ笑いなさいよ。」


「大人しくしてれば別に姫でもおかしくないんじゃね?」


「へ?」


「え?あれ?声に出てたか?」


「ゴホン。話を進めていいかな?」


「あ、はい。どうぞ。」


なんか固まってる姫様は置いておこう。


「あいつは凶悪でね。狂気の殺人者紅蓮獅子グレンファングと呼ばれているくらいなんだよ。そいつを確保するために能力者を探しているというわけだ。

ちなみに君はどうやって逃げ切ったんだ?あいつに見つかって逃げ切れたやつなんて聞いたことがないんだけど。」


「えーと、昨日そいつ倒したはずなんですけど...。」


「...え?倒した...?君能力持ってないんだよね...?」


警部さんがポカンとしている。そりゃ当然だろう。


「はい。実は昨日...」


その後昨日の経緯をすべて話した。友人のハッキングなどは隠したが。


「なるほど。あの爆発はそういう事だったのか。」


「あんた、あの後そんなことになってたの?」


小鳥遊は硬直が解けたと思ったら今度は驚きを隠せないようだ。

ちっとは落ち着けよ...。


「もしかしたらこの子は能力以上の戦力になるかもしれないな...。」ボソッ


「何か言いましたか?」


「いや、何も。君にも是非奴を確保するのに協力してもらいたい。」


「奴は死んだんじゃないんですか?あの爆発ですよ?」


「いや、奴は生きてる。この街から奴の気配がする。僕の能力は探知以外にも見た能力を記憶することも出来るからね。だから頼む。」


警部さんは頭を下げてきた。別に受けてもいいのだが受けられない事情が俺にはある。


「申し訳ないのですが、実は俺は学校がありまして。2人は大丈夫かも知れませが、休むと留年の危機に...って今何時だ!?小鳥遊今何時!?」


やばいやばいやばい!考えたら朝ここに連れてこられて何も学校に連絡入れてない!スマホから連絡を...って昨日壊れたんだ...!!!


「今はもう1限目の途中ね。」


そこに無慈悲な言葉が小鳥遊の口から出てきた。


「おわった...またあの教師にめちゃくちゃ怒られる...それに留年も確定だ...」


さよなら...俺の一人暮らし...。


「あーそれなら心配ないわよ。私が先生に言っといてあげるから。それと別にこっちの手伝いも私から話せばOKが出るわ。勉強は追いつくようにしないといけないけど留年はなんとか出来ると思う。」


おぉぉ!天使か姫かこいつは...!

よかった...ほんとによかった...。小鳥遊がここにいてくれてほんとによかった...。


「じゃあ、手伝ってくれるね?」


まぁ期待されてるようだし頑張ってみよう。こんな俺が役に立てるというのなら。


「いいですよ。お引き受けいたします。こんな能力なしの奴でいいなら。」

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