謝罪とお招き 1
フリストさんの男泣きに釣られたように、部屋のあちらこちらからすすり泣きが聞こえる。
けど、この会議だけでパターン化しているこれ、どうしようか。
正直、問題のてんこ盛り状態な今、私の中の優先事項として、オーシャンの子供たちのトップにいるだろうランくんとリーンくんを含めた幼年組の育成が一躍トップに躍り出ていた。
会議の最中なのだからこんなことを考えてはいけないのだろうが、こんなにも「もう今回は会議としては失敗です」と言葉にすること無く語っているものは無いのではあるまいか。
や、実際、誰が見ても会議としては失敗なんだけど、これ、こども達の勉強会としては成功になるんじゃないかな??と思うもの。
「ふ、ふぅ~」
「も、にゃむ」
「ん??あ」
寝ぼけたようなはっきりとしないこども達の声が聞こえたと思った瞬間、かかるずっしりとした重みにアルゴスくんもマルケスくんも意識を手放したことを知った。
「まさか!?」と思っていれば、ランくんとリーンくんの持っていた鏡が大きく揺れた。
「ラン!?リーン!?」
「じ、ちゃ、ま……ぅき」
「だ、好ぃ」
フリストさんの焦りに、半目ながらもにぱあっと嬉しそうに笑った二人はあまりにもたくさんの出来事があったせいか、糸が切れたように……、いわゆる「電池切れ状態」で脈略無しに寝てしまった。
オトナ達が居たこちらは子供たちを私が受け止めたが、回りに誰も居ないオーシャンの彼等を受け止めたのはフカフカそうな#絨毯__じゅうたん__#だった。
ん??相変わらず誰も来ないけど、まるで、怪我をしなくても良いように、な感じのじゅうたんじゃない??
思いながらも私はアルゴスくん達を、王様が呼んでくれた侍女さん達に「ありがとうございます。すみませんがお願いします」と感謝も交えて伝えながら託す。
完全に彼女達の姿か見えなくなってから、フリストさんが、王様はもちろん、私に頭を下げた。
「度重なる我が国の失態、大変申し訳ありません。厚かましい願いではございますが、今回は二国会議という名前の懇親会にして下されば、助かります」
「っ!!」
フリストさんの言葉に続いたオーシャンの彼等はガバッと音がしそうなほどに勢い良く頭を下げてきた。
あ"~。確かに、こちらからはアルゴスくん達の乱入、あちらからはランくん達の鏡の持ち出しプラス送り付け事件でグダグダも良いとこだもんね。
でも、私も似たようなことを考えていたから、多分、王様もそうなんだろうなとよそ行きの笑顔を張り付けたままに思っていれば、王様も対外的な笑顔を同じように浮かべて「どうする?」と視線で問うてきた。
や、あのね?王様。丸投げじゃなくて、せめてどうするかの指針を……。