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記憶共有的異世界物語  作者: さも
第11章:記憶共有的異世界物語
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第97話:滅びる運命の種族

「そう、ミレイ自身」


「お前がロストブランク身に付けたのって何時頃だ?」


「ロストブランク....?強いて言うなら幼少期の頃かしら....」


「幼少期。って事はエルフに予言を与えてたタイミングではもうロストブランクは使えたって事だろ?」


「その能力を使って運命が変わった場合、元の運命ってどうなるんだ?」


「消滅....もしくはパラレルワールドとして残るけど...」


「それなんだよ、シュンが居た世界がどっかでズレた【パラレルワールド】だった可能性」


ミレイ・ノルヴァの眉間にシワが寄る。


「一体何を0にしたって言うの?」


「【エルフ】だよ」


ここまで言って、ミレイ・ノルヴァは何かに気が付いたようで、ハッと驚く表情を見せた。


「エルフは自身を【滅びる運命の種族】って言ってただろ?あれってシュンの世界のミレイがエルフを消したから確定した運命なんじゃないか?」


「アイツの発言を信じるのもなんだか癪だが、世界が消えて【終わった】場合。その終わった世界ははまた別の世界に繋がって【再スタート】するんだろ?ならシュンの世界がこっちに繋がったって言えばエルフが消滅する運命なのも、そのズレによってミレイ・ノルヴァがミスを犯したのも全て説明が付いちまうんだよ」


飛躍した話だ。飛躍しすぎていてもはや考えるのも億劫になるが、今の僕は一本のラインがハッキリと見えている。

自分を信じる...と言うとなんだかナルシスト臭いが、今の僕は進むべき道をしっかり持っている。


「待って、仮にシュンの世界のエルフを私が消したとしたなら、どうしてシュンが生まれたの?」


「そこだけは僕自身まだ理解できていないんだ。ただヒントは分かってる、僕にはシュンと同じ根幹が無いらしい。という事はシュンと僕は【同一人物であって別人】な訳だ」


「手がかりはこれしかない。でもこれさえ証明できれば、僕はこの【記憶共有的物語】に終止符を打つことが出来ると思うんだ」


フフと半笑いするミレイ・ノルヴァ。


「物語って....ちょっと他人事すぎるんじゃない?」


「もうここまで来ると僕だけのことじゃ済まないからね....僕からすればもはや物語だよ」


そう...とだけ言ってミレイ・ノルヴァは鍵を取り出した。


「これ、何か分かる?」


「おいおい...冗談だろ」


「えぇ、本気よ」


ミレイ・ノルヴァが出した【時間を飛ぶ鍵】。彼女はこれを使って、シュンの無の空間に行き奈恵達を助け出そうと言うのだ。


自殺行為にも程がある。あの恐ろしい戦地に自ら行くなんて、こんな愚かな事があっていいのだろうか?


いい。これで良いんだ。僕はこれを達成させなくちゃ行けない。


「じゃぁ、覚悟は十分ってこったな。【ウッドソード】」


教会に一つのドアが浮かぶ。


そのドアは部屋を繋ぐものではない。時空を繋ぐ物に、今。

ミレイ・ノルヴァが鍵を指すと、無数の数字が教会の地面から湧き上がり、僕らを包んだ。

ドアを開けると、そこには眩い光が照らされていた。


僕は進む。何がなんでも進む。

例えそれが死への一本道であっても、僕は進む。



o0O○O0o0O○O0o0O○


空が緑色のようで、雲が赤色。

どう考えても地球じゃないその世界は、僕のワクワクを最高潮に奮い立たせる。


【ウッドソード】


地面から2つの石を拾い、人を覆い隠せるサイズの布にした。


「ほれ、ミレイ」


「ありがとう....なにこれ?」


「すごい体力を持ってかれる透明マント」


「....」


修学旅行先で妙な商品を見つけて困惑するような学生の表情を見せるミレイ・ノルヴァ。

ウッドソードでこの布に【透明になる】効果を付けた。


最も、透明になってる間は僕の能力が常時発動されるせいで体力が秒で減っていくのだが...。


透明マントを被り、僕等は教会へと急いだ。



「隠れろ」


シュンが居た。

僕等は近くにあった木の葉に隠れたが、シュンが足を動かさずに空中浮遊で動いている。

その気色の悪い動き方に苛立ちを覚えたが、シュンに苛立ちを覚えるなんて今に始まったことじゃない。


瞬間、シュンがこちらを睨んだような気がしたが、この距離とこの透明マントだ。気のせいだろう。


用心しながら教会の方に近づくと、そこには僕等が居た。


時が止まる...。


爆発音が聞こえる....。


バァーンと言う大きな破裂音と共に、足をバネにした僕が教会から飛び出した。

教会内から赤い霧が漏れ出す。


コツ...コツと言う足音が聞こえ教会からシュンが出てきた。

そして瞬き程の一瞬で消えた。



「失敗したからやり直すぅ...全く神ってのはつくづく罪深い生き物だねぇ...?」


その声を忘れるはずがない。

自分と同じ声、その威圧感。


僕の背後から迫ってきたのはシュンだった。


「時間軸を移動しまくってる貴方には言われたく無いセリフね」


「いつ気付いた」


「君が俺にこれをくれたんだよぉ?」


そう言ってシュンが僕に見せたのは水晶玉だった。

僕が持っている水晶玉と全く同じもの。


「君がそれを持ってるのを見たときにねぇ?俺もそれをすごく欲しいって思っちゃったのさ」


「だから君からその水晶玉を奪って【レプリカ】を作った...気付かなかったぁ?」


「そして君から奪ったそれの効力を【ノルヴァ家】ではなく【俺個人】に上書きした。どうせ君達の事だ、仮に逃げられでもしたらこう来るだろうって予想がついたからねぇ....」


「だからさっきの俊介の質問に答えるとするならぁ~....」


「最初からかなぁ!」






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