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記憶共有的異世界物語  作者: さも
第9章:最も恐るべき【死神】
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第80話:現れた【死神】

静止した時の空間の中、僕とシュンは異様な雰囲気に包まれていた。


僕はその迫力に、指一本動かせなかった。


「君の【時】は止めてないはずなんだけどなぁ.....まぁ....君がァ...?止まってたいなら....それもそれでいいんだけどねぇ.....」


シュンは右手をシュンヤの方に向けた。


【ウッドソード】


瞬間―――


シュンヤの心臓に深い穴が空いた。

ガッポリ深々と穴が空いた。


「お前....何を」


「見ての通りさぁ....シュンヤはねぇ....死んだんだよなぁ!」


「お前....お前えええ!」


待て、落ち着け。

時間は止まっている。


【ウッドソード】


シュンヤにガッポリと空いた穴は塞がった。

しかし、その穴がふさがると同時に、シュンヤの体は大爆発を起こした。


その爆風に飛ばされ、僕は教会の壁に強く打ち付けられた。


「あ~あ....シュンヤ殺しちゃったねぇ....俊介ぇ......」


「僕の【ウッドソード】はねぇ?キミのそれとはちょっと違ってね....【能力】を付与させることもできるんだ」


そう言ってシュンは一つの懐中時計を見せてきた。


シュンが蓋の空いた懐中時計の蓋を閉めると同時に、時は動き出した。


僕が投げた石は爆風の衝撃で粉微塵になり、シュンヤの血が教会の机にベットリと付着した。


「あ...あぁ....」


今僕の目の前で起こった現象を僕自身が理解する....。

理解したくない、目を背けたくなるようなクソみたいな現実を....。


「時を止める時計。時空を超えるドア.....そして【修復をスイッチにした爆弾】なんてのも作れちゃうんだよねぇ.....」


「キミは不用意にスイッチを押したんだぁ.....そう!君が!殺したんだよ!」


シュンのこの人を追い込む言い方に、僕の内心は激昂を通り越して居た。

恐怖の感情は過去に感じたことのないほどに膨大なものだったが、それ以上の怒りが僕の体の中を走り回る。


【ウッドソード】


地面を盛り上げ、シュンを潰そうとした。


【ウッドソード】


盛り上げシュンを圧迫しようとした地面はシュンをすり抜けた。


地面がすり抜けるのと同時に、その物体が水晶玉に変化した。

その美しく輝く水晶玉はプカプカと宙に浮き、シュンの目の前で停止した。


その水晶玉には奈恵達が写っていた。


「はは~。君たちチュラル村に向かったのかぁ....あの空間に入ってくれるだろうかぁ...?」


あの空間....あの歪み。

そうだ。シュンは今あの歪みの【外】に居る。


なのに何故記憶が僕の元に届かないんだ。


「お前の...記憶は....僕が....」


シュンがこちらをギョロリと睨む。

口元がニヤリと笑い、シュンは心なしか嬉しそうな表情を見せた。


「てことは彼女達をあの歪みに行くように指示したのはキミかぁ....」


「僕の作った作り話ィ....どうだい?クオリティ高かっただろう?」


「作り話...?」


「あららぁ~?もしかしてクオリティ高すぎて完全に実話だと思っちゃったぁ~?」


おい...待て....まさか。


「君に届けてた記憶はねぇ....全部僕が【作った】ものなんだよぉ~?」


「僕は【万物を司る神】...記憶だってお手のものさ」


「じゃぁ僕の未来を完璧に予知していたのは....」


「それも僕の捏造....君の未来を見たのさ....【コイツ】で」


シュンは懐から一冊の厚い本を取り出した。


「君がずうううっと探してた本....【エルフの禁忌の書】だよ」


シュンは残虐な笑みを見せた。


「エルフもマメだよねぇ....魔法で書いてるから効率は良いけど、キミの言動を一字一句そのまま正確に書き写してるんだから....」


シュンが手をずらすと、複数の禁忌の書が顔を出した。


その本は黒の革表紙で、金字でそれぞれの名前が書かれいていた。


俊介。奈恵。冬弥。和也。ラロイ。トウ。と僕がこの一件で関わった全ての人間の名前が掘られていた。


「なぁ...お前何者なんだ...?あの記憶が捏造だって言うなら【ループ】の話も嘘なんだろ?一体お前は....」


「だから何度も言ってるじゃないか....僕は【万物を司る神】シュン。ミレイ・ノルヴァの失敗が産んだ.....【死神】だよ」


「僕とお前は何なんだ。なんでお前は僕の【ウッドソード】を使えるんだ」


「質問が多いなぁ....君が持ってるその記憶...全部がフィクションってわけじゃないんだよぉ....」


死神シュン.....。


彼の言動の一つ一つにビクビクさせられている。


シュンヤを僕に殺させ、禁忌の書を見せつける。

そして僕より遥かに凄まじい【ウッドソード】を見せつける。


彼は僕をいつでも殺せる。

彼は僕を殺しに来たのだと思っていた。


しかしその記憶そのものが偽物だった。


これは一体どういう事だ。


理解不能を通り越してもはや脳が働かない。


クソ....。


なんなんだ。


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