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記憶共有的異世界物語  作者: さも
第9章:最も恐るべき【死神】
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第78話:姑息が作る【難題】

エルフの禁忌の書は今シュンが所有しているらしい。


詰まるところ、初期目標のエルフの禁忌の書強奪さえシュンを倒さなければ達成でいきないと言う事だ。


彼の記憶が頼りになるから正直言ってしまえば僕はこれからの人生禁忌の書が無くても、自身の運命を知ることが出来る。


最もこんな運命お断りだが。


シュンを許すわけには行かない。


そのループ毎に僕自身違うようだ。

その根本は同じなのだろうが、行動力。思想。アリとあらゆるところで相違が見られる。


3ループ目のシュンはどうも攻撃的だ。

2ループ目のシュンは自身を終わらせる事でこの現象を終わらせようとしていたが、3ループ目のシュンは世界ごと終わらせようとしている様に見える。


じゃぁ4週目の僕はどうだ?


――――僕は何も終わらせなくてもいいと思っている。


何もこの現象は終わらせ無くてもいいのだ。

シュンを殺して僕が過去に飛んだとしても、それが僕の能力のご動作ならここに帰ることだって可能なはずだ。


彼にできなかったとしても僕はノルヴァ家の分家。

過去の世界のミレイ・ノルヴァとの【和解】が可能なはずだ。


少なくともノルヴァ家の分家に入ったのは4週目の僕が初めてだ。


1ループ目と2ループ目がどうだったかは分からないが、ノルヴァ家も敵対している様に見えたから恐らくは違うのだろう。


まずはいち早くシュンの隠れ家を見つける必要がある。

そしてそれは記憶共有によって分かっている。


チュラル村に一つ空間の歪みができている。


これはシュンの仕掛けた罠だが、同時にシュンのいる空間への【入口】でもある。


仮にも僕...。


思考は似ている様だ。


思想は全く違うがな....。


僕はこれから記憶と全く違う行動を取る。

【ズレ】を作るためだ。


しかしこの記憶は言ってしまえば僕の【運命の全て】だ。

どうズラしたところで結局結果は同じになるのだろう。


ここから先の記憶をざっとまとめるとこうだ。


・奈恵、シュンヤ。トウ、冬弥、ライリーが協会に集まり、僕はこの記憶の事を説明する。

彼等は困惑するが、もう今更と飲み込む。


・そして馬場さんやナエラを生き返らせることについて、トウと同じ説明をする。

苦い顔をしているが奈恵とライリーの了承は得られる。

トウと冬弥はヘイトが溜まっているだろうが、ついて来てはくれる。


・僕はシュンに出会う。

ここがどうも理解できない。

ここだけ記憶が曖昧なのだ。


まるで何者かにここだけを【削られた】かのように。


ざっとまとめるとこんなもんだろうか。


後は彼女等を待つだけだ。



━…━…━…━…


しばらく待っているとみんなが降りてきた。


記憶通りに進む。


順番はライリー、奈恵、冬弥、シュンヤだった。


3ループ目で分家になってないのに何故その記憶にライリーがいるのか理解できていなかったが、ばったり会ってそのまま仲間になっているのだから、運命というのは恐ろしい。


僕はこの概念と戦わなくちゃいけないのか...。


仮に運命を司る神なんてのがいるのなら一度会ってみたいものだ....。


....それミレイ・ノルヴァじゃね?


まぁいい。考えが逸れた。


僕はライリー達にシュンの記憶について話した。


みんなの顔は困惑の表情に満ちていたが、奈恵が


「もうう今更何言われたって疑問にすらならないわ....」


なんて言って、皆それに頷いていた。


恐ろしいまでに記憶通りに事が進む。


次に馬場さんとナエラの事について僕はトウと同じ説明をした。

彼の用意したベストアンサーをみんなに話した。


【命】の重みについて。


その言葉はどこか他人に借りたようなぎこちなさがあったが、それでもこの考えを考えたのは僕だ。


3ループ目の僕だが僕だ。


今はこの言葉に縋る事にしよう。


冬弥はトウと同じように突っかかって居たが、数秒もしないうちにう~ん...と黙り込んだ。


彼は話を続ける気が無かったようだったので、僕は新しく話題を切り出した。


「シュンは今チュラル村に居る。あの村に空間の歪みが生まれてるんだ」


「まさかそこに行くとか言わないよね?」


「そのまさかだよ」


「ダメ。少なくとも俊介。貴方は行っちゃダメ」


奈恵に全否定された。

何故?


「なんで?」


「そりゃそうでしょう。貴方がシュンの記憶を持ってるって事は向こうにもその記憶が流れてるってコトよ」


「だとしたら私たちが行くところに罠か何かを仕掛けられて不意打ちで全滅...なんて事もありえるでしょう?そんな自殺行為出来る訳ないじゃない!」


言われて気付いた。


僕の【記憶】が彼に【届いている】可能性。


僕が何を企みどう動こうと、それは全てシュンに筒抜けなのだという事。


完全にうっかりしていた。


クソ。早速一手塞がれて、僕は彼の記憶通り協会に残らなくては行けなくなった。

そして教会に居ると、僕はシュンと会うことになる。


しかしもしこの運命通り進んだとすると、ほぼ100%僕は死ぬ。

協会に残ること程危険なことはないのだ。


3週目のシュンが会った時は、僕を殺してって言う提案だったから良かったものの、今の僕の前にシュンが現れたなら、彼は真っ先に僕を殺すだろう。


そしてチュラル村の罠は、彼の空間への入口ではなくて、ただの姑息な【罠】へと変わる。


クソ....なんでこうも難題が募るんだ....。

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