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記憶共有的異世界物語  作者: さも
第2章:世界の崩壊
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第10話:異世界の住人

保健医にいろいろ聞かれたが、気絶した原因に心当たりありますか?と聞かれた時には流石に肝が冷えた。

まさか女神様に会ってきましたなんて言えないし、かと言って分かりませんは分かりませんで面倒事に繋がりかねないし...とか色々考えた挙句、出した結論は【不眠不休でとある本を読んでいた】と言う滅茶苦茶なモノだった。

保険医は驚いていたが、正直自分でもこんな滅茶苦茶な回答が出るもんなんだなぁ...と驚いた。


ボロが出ないかものすごく不安だったが、なんとかボロが出ずにやりきる事が出来た。

僕が目を覚ましたのが放課後だったらしく、このまま夜まで意識戻らなかったらどうしようかと奈恵が非常に心配していたみたいだが、正直嘘だろ?と思った。

あの奈恵にも人を心配出来るんだなぁ...と失礼ながらにそう思った。



で、今家にいるわけなんだが。


「なんでお前が俺の家にいるの?」


「だってぇ~?ぶっ倒れた病人の帰る家にぃ?今日は親が居ないって言うじゃないですかぁ?」


「僕一人で問題ないよ、今日ももう遅いんだ。帰りなよ」


「やだ」


「いやだぁ?」


もう正直コイツの行動が本当に読めない。

何考えてるのかすらサッパリだ。

いつシュンヤとのコミュニケーションが...。


※※※※※※


「えーと、で?なんだっけ。あ~そうそう。今日は遅いから帰れって話」


「だからいやだって」


「なんでだよ、普通に10時だぞ?帰れよ」


奈恵の目に鋭い光が走る。

その視線には疑惑の感情が見えたのだが、その目を見てこちらも身構える。


「なんでぇ?今日ぐらいいたっていいじゃない?家事ぐらいならするよぉ~?」


「いや、家事ぐらい自分でできるさ、いくら病み上がりだからってそんな心配しなくていいんだぜ?」


「【俺】の心配なんてしなくてもいいから早く帰りな、そっちの親だって心配するだろ?」


奈恵の目に走った鋭い光が消え、奈恵は不気味な笑みを見せた。


「貴方、俊介じゃないのね。一体誰?」


ギクリとした。

鼓動が一発ドクッと鳴るのを感じた。

パワーやスピード。体術戦に置いてそれらのパラメーターで敵に負けたことはないのが自慢だが、精神攻撃に対する対策は一切考えていない。


「あらら、なんで分かっちゃった?」


「俊介に成り代わるつもりならもっと彼を勉強することね、彼の一人称は【僕】。【俺】なんて使わない。それに私は幼馴染よ?違和感ぐらいすぐに気付くわ」


「幼馴染ねぇ...確か奈恵って言ったっけ。君の事はよく知ってるよ、俊介は人にこのことを喋らないみたいだけど、俺は僕であって僕でない。俊介と俺は【記憶】っていう概念で繋がっているんだ」


「ん?」


「困惑するだろうけど聞いてくれ、俺と俊介は生まれた時から記憶を共有している。2人分の記憶を持っちゃう病気だとでも思ってもらえるといい。俊介はその記憶を物心付いた頃から気味悪がっちゃってな、こっちの記憶は一切触れなかったみたいなんだわ」


奈恵の困惑しきった顔が見える。

彼女にこの説明をしていいのか、なぜ俊介はこのことを説明しなかったのか等わからないことは沢山ある。

しかし彼がコミュニケーションを取りに来て、地球の世界の存在をハッキリ認識した今。このことをこちらの住人に知ってもらうことは重要な事だと思っている。


「それでここ最近。そうだな、ちょうど1週間程前になるんだろうか。俺等は意識下で入れ替わった。」


「入れ替わった?」


「あぁ、入れ替わった。急に体が重くなるもんだからあの時はマジで焦ったよ。俊介の奴筋トレとか一切しないんだろうな、ビックリする程動きにくかったぜ」


「あいつはそれを【憑依】って呼んでるぽいんだが、その憑依がここ最近頻発していてな。今もその憑依中ってわけだ」


「訳わかんない」


「そりゃそうなるだろうな、あー。そうだな、じゃぁまず俺の自己紹介と行こうか。俺の名前は【シュンヤ】バーミア...地球のちょっとズレた世界とでも思ってもらえばいい。そこの住人だ」


「で、俊介とはその憑依で繋がってるだけの関係...なんだが、どうもあいつ今日の憑依で女神に合ってるっぽくてな、どうも【だけ】の関係で済みそうにないんだわ。マ、俺はバカだから詳しいことは俊介に聞いてくれ。で、こっちもこっちでコミュニケーションをとりたいわけなんだが、メモ帳みたいなのってあるか?」


奈恵が席を離れ、メモ帳とシャーペンを取ってきた。


「はい」


「サンキューな」


『やぁ俊介、俺だ。シュンヤだ。お前がモンスターに殺されそうになった時、お前を助けた奴いただろ?あいつはこの前お前に必死こいて説明してたあいつだ。ナエラ・リライってのがフルネームなんだが、俺の大事な仲間の一人だ。といってももうお前は俺の記憶を一通り確認したんだろ?じゃぁ説明する必要もないな。今与えられる情報はこんなもんだが、お前がミレイ・ノルヴァと連絡を取ってる間、こっちはエルフについて調べてたんだが、そっちに記憶は行ってるか?後でじっくり思い出してみるといい。』


「さ、こんなもんかな」


「エルフって?あの創作上の?」


「あ~そういやこっちの世界じゃエルフは架空の生物なのか、バーミアじゃ普通にエルフだのドワーフだのって沢山の種族が存在するんだ。といってもまぁ今のエルフは人間とのハーフがほとんどだからイメージとは微妙に違うかもしれんが、あれだ。耳が長い」


「え、えぇ」


「さ、後はこのまま待つだけなんだが」


奈恵の顔とスタイルに見覚えがある。

ミレイ・ノルヴァは俊介に対して対になる人間の存在の話をしていた。

まさかとは思うが奈恵はその中の一人なのだろうか。


こいつのスタイルといい顔の雰囲気はどう見てもナエラだ。

俺と俊介も全体的に見れば似ている。



まさかな。



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