8話 下宿の床
知ったか豆腐さん、遅くなってすみませんでした!
夏休み、久々に叔父に出会った時に聞いた話です。
何か、「面白い話はないか?」と聞いたところ、酒で仄かに赤く染まった状態で教えてくれたのでした。
それは、叔父が学生として1人暮らしをし始めたころです。
ある日、叔父が友人の下宿に遊びに行った時のことでした。遊びに行った先の友人は、どうしてかわかりませんが、そわそわと落ち着かない様子でした。なにかに怯えているみたいにも見えたようです。
尋常ならぬ様子だったので、叔父は友人に「どうしたのか」と問いかけてみることにしたそうです。
すると、その友人が言うには
「なんだか、変な感じがする」
と……
とりあえず、なにかあるのかもしれないと話し合い、カメラで部屋を取ったみたいです。
その後は、何も起こりませんでした。そして後日…現像した写真を見て視ると
床一面に、歪んだ人の顔が写っていたそうです。
この部屋で昔、殺人とか自殺とかがあったのかもしれないと、調べてみたらしいですが、なにもありませんでした。
ただ……この部屋の真下には、戦時中に防空壕があった場所だったようです。
もしかしたら、その防空壕で亡くなった人が……
という話を、叔父が語ってくれました。
ちなみに、この写真を見た後……叔父は友人にこう言ったみたいです。
「この写真を、大家に見せて家賃を安くしてもらおうぜ」
結果として、家賃が安くなったか分かりませんが、怪談話よりも、叔父が幽霊を利用しようとしていたということに、驚いてしまいました。
募集を締め切らせてもらいます。
応募いただきありがとうございます。順次、UPしていきたいと思います。




