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サバゲー令嬢ディアナ ――勝たない悪役令嬢の生存戦争  作者: 南蛇井


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27/99

シーン8:章末(ディアナの自己確認)

演習区画を離れ、

夕方に近づいた学園の回廊を、

ディアナは一人で歩いていた。


勝敗の余韻は、

もう背後にある。


胸の内に、

高揚はない。

達成感もない。


あるのは、

静かな確認だけだ。


(無双をやめた結果、私は生き延びた)


少なくとも、

今日の時点では。


だが、

周囲を見渡せば分かる。


学園は、

いつも通りに回っている。


生徒たちは笑い、

次の授業の話をし、

明日の予定を語っている。


誰も、

世界が少しズレたことなど、

気づいていない。


(世界は、何も変わっていない)


自分が勝たなくても、

授業は進む。


自分が目立たなくても、

物語は進行する。


理解は、

冷たく、だが明確だった。


(私が消えても、物語は進む)


ならば、

取るべき行動は一つしかない。


(消え続ける)


存在を薄める。

判断を委ねる。

介入しない。


勝たない。

正しくならない。

目立たない。


今日の敗北は、

許容された。


不調という評価は、

安全圏だった。


そして、

無双をやめるという選択は、

確かに有効だった。


ディアナは、

足を止め、

一度だけ空を見上げる。


夕焼けに染まる空は、

驚くほど平穏だ。


――勝たないことが、

生存に直結する。


その事実が、

初めて現実として、

彼女の中に定着した。


第二章は、

その静かな確信をもって、

幕を下ろす。

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