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はなやぎ館の箱庭  作者: 日三十 皐月
第3章 「箱庭の連想」

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第27話




セリー

〔ホワイトデーの時期が来ました〕

〔というわけで今年もお弁当作ろうと思ってるんだけど、食べたいものある人〕

〔聞くだけ聞きます どうぞ〕



〔はいはいはい!〕

〔ハートの卵焼き!!〕


おその

〔西京焼き!西京焼き!西京焼き!〕


あまねん

〔ほうれん草の胡麻和え~!〕


かのあるふぁ

〔からあげ!!!からあげ!!!からあげ!!!〕


〔あのさぁ ちょっといいかな〕

〔あの セリーのちらし寿司…食べたい…〕


〔うわ 分かるわぁ〕


セリー

〔おお〕

〔チーズハンバーグとか言われるかと思ってたけど、案外和食だった〕

〔卵焼き、西京焼き、ほうれん草の胡麻和え、から揚げ、ちらし寿司ね オッケーです〕


あまねん

〔やった~!好きなものばっかりだ!嬉しい!〕

〔てか蛍、めっちゃわかるよ~~!ちらし寿司、セリーのSNSのやつでしょ!私も10000いいね♡くらいしたかったやつだ〕

〔萌ちゃんに作ったっていう、ひなまつりの日の献立写真…美味しそうで何回も見ちゃった〕


〔そう そうなんですよ〕

〔あの具沢山でかわいいちらし寿司が…蛍ちゃんも食べたいんでしゅ…〕


おその

〔うお…キモしゅぎ…♡〕


セリー

〔ひなまつりの時のちらし寿司、手毬寿司にするか悩んでたんだけど反応良くて普通に嬉しい〕

〔じゃぁ、和食な感じで行きますか 言ってくれたやつに良い感じに何かしら足して作ります〕


〔わーい!わーい!〕

〔よろしくお願いしますん〕


〔なんて素敵なホワイトデー〕


おその

〔あ ちなみに和菓子屋からはホワイトデーとして、〕

〔「苺大福~ホワイトデーエディション~君にありがとうを伝えたくて」が出ますんで〕

〔セリーのお弁当の後に食べてくだされー〕


セリー

〔何そのエディション?〕

〔タイトルはともかくとして、苺大福はめっちゃくちゃ楽しみ やった〕


〔長い やり直し〕


セリー

〔ああ、ほら タイトル評論家さんのお出ましですよ〕


〔マジで最高やん おそのの苺大福キタコレ〕

〔お、タイトル評論家さんチーッス〕


〔でも正直一周回ってアリ〕


〔分かる 実際ホワイトデーエディションとかいう単語見かけたらワイも「何やこれ」って予約しちゃうと思うんですよね〕

〔つまり、おそのの作戦勝ちってワケ〕



かのあるふぁ

〔ぃや゛ったあ゛あ゛ああああああああああああ!!!〕

〔セリーの美味いホワイトデー弁当が今年も食べられて、しかもおそのの苺大福まで食べられてもうサイコーーー!!!〕

〔君にありがとうを伝えたくてぇぇぇぇぇぇぇぅぁあ゛り゛がどお゛ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!ーかのあエディションー〕



〔うるさコイツ〕


〔こんなエディションは願い下げだ〕


かのあるふぁ

〔えーー!?ありがとうって言ってるのに?!?!超喜んでる上に発言的には超ポジティブなことしか言ってないはずなのに!?〕


おその

〔ポジティブ超えてほぼ奇声なんよ〕


〔奇声はさすがに草〕


〔ワイたちには「キェェェェェェェェェェェェェェェェイ!!!」としか伝わってない定期〕


かのあるふぁ

〔あんだけの長文がキェェェェェェェイは悲しすぎない?!翻訳機もうちょっと頑張ってもろて!!〕


〔でも大体合ってる定期〕


おその

〔ああ、何か喜んでるんだなぁって伝わってるから 大丈夫、ほぼ合ってるよ〕


かのあるふぁ

〔ちょっと待って!!扱いが野生動物に対するそれじゃない?!一応友達で合ってるよね?大丈夫だよね?!〕


〔うーんダイジョウブダイジョウブ〕



かのあるふぁ

〔大丈夫じゃ…〕

〔あ゛!!!そうだ!!!そのダイジョウブダイジョウブもそうだけどさ!〕

〔そろそろはなやぎで誰かスタンプ作ろうよ!!これ!!〕



セリー

〔有り得ないくらい唐突で草〕


おその

〔アホみたいに直進してると思ったら何の前振りもなく鋭角に曲がるやんこいつ〕


かのあるふぁ

〔前回のさぁ、蛍の「逆に良い…♡」のスタンプも誰か作ろ!!〕

〔あとおそのの「呼ばない♡」も!!〕


〔何でおそのの方なんだよ〕


〔スタンプね 任せて〕

〔はなやぎでしか使わなさそうなスタンプ作るわ〕


セリー

〔えぇ…任せて大丈夫かなぁ〕

〔かのあの思い付きとはいえ、せっかく蛍が作ってくれるなら絶対使いたいから使えるやつをお願いね〕

〔メロいな…♡とかやめてね 使うタイミングないから〕

〔今起きた とか、おやすみー とか 後で返事する とか日常で使えるもの作ってくれたら助かる〕


〔えっ〕

〔今トークちらっと見返してて面白そうなやつ軽くピックアップしてみたけど〕

〔かのあの言ったやつ以外だったら「お前が最強だよ」と「お前が妥協しろ定期」と「バカだけど…」と「こいつ殴っていいか」にしようかと…〕


セリー

〔あのさぁ 当たり強いやつばっかりピックアップするのやめて?〕

〔それはもうスタンプじゃなくて、自分で書いて?〕

〔せっかく蛍の絵で描いてもらえるんだったらママさんとかにも送れるやつを〕

〔作ってほしいよ!!〕


〔おっ おお?!!〕

〔珍しくセリーさんが語気荒く…!!!〕

〔じゃぁママさんたちに送れそうなゆるかわ系も別で描くから、それでどうでしょう〕


セリー

〔えっ ありがとう!〕

〔実はスタンプの話出た時、うわスタンプめっちゃいいなーと思ってたから本当にかわいいのほしかった〕

〔ありがとう!!〕

〔でも、忙しいと思うから無理はしないでね〕


〔へへ スタンプ作るのなんてワイからしたらちょちょいのちょいですわ〕

〔そしたらほしい文言送っといて スタンプのデザインくらいなら半日もあればできますん〕


セリー

〔神なの…?だったら早くお願いすればよかった〕


あまねん

〔スタンプうれし~!スタンプぽんっで終われる会話もあるから助かるんだよね!〕


セリー

〔でもかわいすぎるスタンプは、かわいすぎて連発しちゃうのが悩みなんだよね〕

〔蛍が作ってくれたら今まで以上に無駄に使っちゃうかも〕


あまねん

〔そうそう!見せたくて使っちゃう!〕


おその

〔おい この会話に混ざれない悲しみを知ってるか〕


〔基本絵文字すらつけないもんな我々〕


〔2人ともグループトークの時は合わせて絵文字なしで送ってくれるけど〕

〔個人トークでメッセ送ってくれる時はかわいいスタンプとか絵文字つけてくれてて〕

〔勝手にメロい気持ちになってます〕


セリー

〔いや だからメロいの定義ゆるすぎない?〕


おその

〔分かる〕

〔わっ…!じょ、女子からトークきた…!トゥンク…♡って感じ〕


〔それはさすがにキショすぎて〕

〔でも気持ちがちょっと分かるのがかなちい〕

〔ちっちゃいハートいっぱい描いてある絵文字とか送ってくれたらさ、わいにハート送ってくれた…♡って気持ちになるよね〕


〔思春期の中学生じゃないよね?〕

〔でも悲しいかな わいもなんよな…〕

〔些細なことでキュンてきちゃう 好きすぎておかしくなっちゃう〕


セリー

〔よく分からないけど〕

〔それだったら、かのあも個人トークで結構ハート多めの文章送ってこない?〕


〔『やっほーーーー!!!♡♡♡腹減りすぎて特盛牛丼食べたいんぬーーーー!!!もしお腹空いてたら一緒に買ってきてほしいんだぬぅ!!よろちく♡♡♡』〕

〔これのどこにキュンってしろって言うんや?〕


かのあるふぁ

〔はあ゛?!かわいいぢゃん!!お腹空いてぬーぬー言ってるかのあちゃん、めっちゃかわいいぢゃん!!!〕


〔かわいいのジャンルがわいと解釈不一致みたいなので…すみません…〕


〔牛丼食べたいしお腹空いたから買ってくるね!一緒に食べる?とかじゃなくて、買ってきて!なのがかのあならではだよね〕


おその

〔煽りたい時にぬーぬー言ってるかのあのスタンプ送るから、それも作っといて〕


〔任せて 此処までやらんでええやろってくらい腹立つ感じで描いとく〕


かのあるふぁ

〔かわいいのにして!!かわいく描いて!!!〕



あまねん

〔えっと…とりあえずスタンプの話は落ち着いたかな?〕

〔一旦ホワイトデーの話題に戻すね…?〕

〔ホワイトデー、色々落ち着いたから私も何か作ろうと思ってるんだけど、おそのが苺大福だったら何にしようかな~〕

〔何か考えとく!〕


おその

〔うわーい やったー〕


〔やったー〕

〔あまねんエディションも楽しみでごわす〕


かのあるふぁ

〔弁当、和菓子、洋菓子!!うっひょーーーーー!!!〕


セリー

〔楽しみ 今年も良いホワイトデーになりそう〕

〔じゃぁ、どうする?おそののお休みを考えたら木曜か、当日の夜でいいなら土曜日ですが〕


おその

〔イベントごとの時ははなやぎで何かあるって認識みたいで〕

〔じいちゃんが気遣ってイベント当日は午前までのシフトにしてくれてるんだよね〕

〔てなわけで、土曜なら丁度昼ご飯食べるかな?ってくらいの時間で帰宅できマウス〕


セリー

〔うーん じいちゃん本当尊い〕


〔わいは今、締切を乗り越えて神と化してるんで〕

〔最強なんで もういつでもオッケーです〕


かのあるふぁ

〔土曜日は夜から配信しようと思ってたから、全然いけるよーーん!!!〕


あまねん

〔私も土曜日大丈夫!色々準備しとくね~〕


〔ほな土曜日で〕


セリー

〔了解です 土曜日だったら萌もいるけど、大丈夫?〕


おその

〔勿論やで 七人分持ってくるわな〕

〔てなわけで弁当と洋菓子よろしくお願いし申す 諸々楽しみにしてますー〕


あまねん

〔もちろんだよ~!むしろいなかったら持って帰ってもらう予定だった!〕

〔お弁当と和菓子楽しみにしてるね!〕


セリー

〔いつもありがとう 萌も喜びます〕


〔作ってくれるお三方 よろしくです〕

〔いつもありがとね〕


セリー

〔こちらこそ〕

〔じゃぁまた当日に〕














「はい。というわけで、ちらし寿司弁当~ホワイトデーエディション~です」


「「「おおーー!!」」」



ーーーホワイトデー当日。

食堂のテーブルに並べられたお弁当を開いて、はなやぎの面々は各々感嘆の声を上げた。


ちらし寿司には飾り切りされた蓮根、胡瓜、人参と、色鮮やかに茹でられた絹さや、海老が乗せられており、錦糸卵と桜でんぶでバランス良く彩られている。

ハート型の卵焼きに、丁度良い焼き加減の西京焼き、人参と一緒に茹でられたほうれん草の胡麻和え。

他にも茸と鯖の和風パスタ、さつまいもチップスやミニトマトなどが間に詰められ、中央にはかりっかりに揚げられた美味しそうな唐揚げが鎮座していた。


かのあのお弁当箱はそれらをベースに野菜抜きのメニューで彩られており、「わーい!」と嬉しそうな声が食堂に響き渡る。

萌も同じようにお弁当を見つめて、嬉しそうに微笑んでみせた。



「萌ね、ママのちらし寿司だいすき」


「ありがとね。萌がいつもたくさん食べてくれるから、ママ嬉しい」


「尊い…」


「世界は不思議で美しいのじゃ…」



親子の尊いやり取りをほっこりと見つめた後、全員で手を合わせる。

「いただきます!」と合掌して、ちらし寿司弁当~ホワイトデーエディション~をそれぞれ口に運んだ。



「うんめーーー!」


「ちらし寿司の酢加減カンペキですわいセリーさん…うまー」


「からあげおいしーーー!!!ミニトマト今日もうんまーーーー!!!」


「西京焼きもパスタも全部美味いっす!」


「ほうれん草の胡麻和えこれこれ!学生の時に食べてた味そのまま~!サイコーだよセリー!」


「ハートの卵焼き何回食っても幸せな気持ちになれるんすわ…てかさつまいもチップスウマ」


「良かった。そんなに美味しい美味しいって食べてもらえたら、一生懸命作った甲斐があるよ」


「ガチで今日のお弁当だけで一か月くらい幸せな気持ちで過ごせるわ」


「分かる。しばらく何も食わんでも生きていけそう」


「いや、何か毎回そんなこと言ってくれてるけど。ちゃんと食べてね」



ぱくぱくと食べ進め、あっという間に空になっていくお弁当箱の中。

その切なさと、美味しいお弁当でお腹を満たしたという満足感を同時に得た面々は、静かに再び合掌をする。



「「「「「「ごちそうさまでした」」」」」」


「いやぁ、美味かった…」


「何か、品数も多くてボリューミーなのに、美味すぎてがっついちゃうからあっという間なんよなぁ」


「今回もかわいいお弁当箱で幸せです」


「たまにそれぞれでお弁当作ってあげることあったし、こういう機会もあるし、お弁当箱買っといて良かったよ。それぞれ柄違うのにしたのも、作るときに誰のお弁当箱って考えながら作るの楽しいし」


「マジでそれ好き」


「あ、私のお弁当箱カワウソちゃんだ…セリーって私をこんなイメージで見てるんだ…きゅん…って思ってる」


「分かる。わいは猫さんなんや…すき…って思ってた」


「分かる~!私のこのほわほわのうさぎちゃん弁当箱!かわいくてめっちゃ気に入ってる。このかわいいお弁当箱にセリーの料理が詰め込まれてて…幸せ…」


「私のクォッカもセンスいいよなこれ。色味もセンス抜群で好き」


「ちょっと待って?!だとしたら、かのあのこのアホヅラのパピヨンは悪意があると思っていいってコト?!?!」


「え?かわいくない?かのあっぽくて。これ以外ないでしょと思って選んだんだけど…」


「かわいいけど!!正直気に入ってるケド!!!」


「正直超かのあっぽくて好き」


「確かにこれ以外ないわ」



お互いの弁当箱を見比べながら、蓋を閉じる。

丁寧にもう一度合掌をして、作り手のセリーに御礼を告げた。



「素敵なホワイトデーエディションをありがとう」


「こちらこそ、美味しく食べてくれてありがとう」


「せめて洗わせてくれー」


「それはめっちゃ助かる。じゃぁ、お願いしちゃおうかな?」


「蛍ありがとな」


「手伝うわ」


「あいあいさ。ごちそうさまでした」


「ごちそうさまでしたー!!!」


「はーい。また来年もお楽しみに」


「わーい!」



蛍と潮がお弁当箱を洗う中、続いておそのが陶器のお皿の上に苺大福を乗せて、人数分並べて行く。

その横で、周も同じく準備を始めた。



「お。あまねん、まさかそれは…」


「えへへ。今回は原点に返ってみようと思って、いちごのショートケーキにしてみました!」


「おいおい、最高じゃねぇか」


「待って!SNSで予約のメニュー表見てた時から思ってたけど、実物のホワイトデーエディション苺大福もっとかわいい~!」


「そうなんです。このハートの苺と白あんが良い感じやろ?」


「めちゃくちゃ美味しそう…!」


「そう言うあまねんのショートケーキもガチで可愛すぎて震えてる。ハートの形のショートケーキ…愛らしすぎでしょ」


「ホワイトデーあまねんエディションです♡」


「かわい♡」


「ありがと♡」



仲良く用意をしている中で、芹と萌、かのあも仲良く話しながら待つ。



「あのね、昨日ね。幼稚園のお友達からホワイトデーもらったの」


「えぇぇぇぇぇ!!!!青春じゃん!!!」


「バレンタインももらったの」


「えええええええ?!!どういう状況?」


「すごい萌のこと好きでいてくれてるみたいでね。バレンタインに貰ったからホワイトデーに返したんだけど、ホワイトデーにも貰っちゃった」


「ガチ感えぐいけど!!そういうのって、幼稚園だったら本人が作るか選ぶかするの?それとも親が選ぶの?!」


「えっと、うちは萌とショッピングモールに行って、萌が選んだ市販の電車クッキーみたいなやつをあげたんだけど。その子がくれたやつはバレンタインもホワイトデーも両方キャラクターもののかわいいチョコレートだった。子供が選ぶパターンが多いかな?仲良かったら手作りって感じかも」


「萌の大好きなキャラクターのチョコレートだったの。嬉しかった!」


「正直全然仲良くなかったからびっくりしちゃって。こういうこともあるんだなーと思って。二回貰っちゃったから、もう一回在園中に何かで返さなきゃなーって思ってる。その子と小学校違うし」


「そうなんだ!!ママたちも色々大変なんだにゃー。かのあも今日ホワイトデーでめっちゃスパチャもらったから、スパチャくれた人に視聴者プレゼント企画でお返しするんだ!!」


「え。何その企画。欲しいからスパチャしようかな」


「いや逆になってる!!目的が逆になってるよセリーさん!!」



そんな話をしている内、洗い物を終えた蛍と潮が戻って来た。

同じタイミングで周とおそのも食後のデザートを並べ終える。


美味しそうな苺大福~ホワイトデーエディション~と、美味しそうないちごのショートケーキ~あまねんエディション~に、全員のテンションはお弁当に続いて更に上がっていった。



「何ですか?この美味しそうな食後のデザートは!」


「両方かわいすぎるだろ…」


「ほんとに美味しそう。和菓子の最高峰と洋菓子の最高峰味わえるの神すぎ…2人ともありがとね」


「こちらこそだよセリー!最高峰は言い過ぎだけど、喜んでもらえて嬉しいな~」


「ま、うちの和菓子が一番美味いよねー」


「自信があってよろしい」


「マジでサイコーのラインナップキターーー!!!早く!早く食べたい!!」


「はいはい、じゃ早速召し上がってもろて」


「どうぞ召し上がれ~」



いただきまーす!!というかのあの大声に続いた後、それぞれ手を合わせる。

どちらを先に食べるか、一口ずつ食べてみるか、など性格によって食べ方は様々あったものの、全員の感想は同じものだった。



「うまい!どっちもうまい!」


「うーん今日も美味いわ苺大福…ホワイトデーエディションの白あんも美味い。味わい終わったらあまねんのショートケーキ食べよ」


「ショートケーキう゛ま゛ああああああああい!!!あまねんのケーキマジでなめらかでふわっふわしっとりでえぐいぃぃ!!」


「は?泣いてるやんこいつ」


「え?美味しくて泣いてるの?!うそ~!ありがとうかのあ…!正直ちょっと引いてるけど…うれしいよ…」


「引かないでよぉぉぉ!!」


「苺大福おいしい…しあわせ…ありがとうおその…」


「わいもセリーのそんな顔が見れて幸せですわ…ありがとうセリー…」


「まさにホワイトデーエディション~君にありがとうを伝えたくて~のタイトル通りの苺大福ですな」


「あまねちゃん!ケーキすっごくおいしい!ありがとー!」


「良かった~!うれしい!こちらこそありがと~!萌ちゃんかわいい!」


「おかしいな?!かのあとの反応と全然違うな?!!おかしいな?!!」



にこにこの萌をにっこにこで抱きしめる周を、かのあが必死に首を傾げて見つめる中。

素敵なホワイトデーは、春の暖かな日差しと共にほっこりと過ぎて行った。









*   *   *   *   *   epilogue








(次はあまねんの卒業式ですな)


(ホントだね~!あ、そういえば皆に進路の話してなかった!)


(お、ようやく話してくれる気になったか。進路で忙しいって聞いてたから、まだ聞かない方がいいかなーって遠慮してた)


(えへへ。何と、燦くんの会社のお手伝いとして、フリーの翻訳家さんになりました!名刺渡しとくね!)


(えええ?!そこと繋がるの?!)


(あ!そうだ。全然知らなかったんだけど、燦くんとお姉ちゃんが同じ会社だったらしくてね?だから、実質お姉ちゃんとも同じ会社経由で働く感じになります!)


(なんてこったい)


(姉妹で同じ会社と関わるなんてしゅごい)


(そっか。じゃぁ、海外に行ったりとか会社に出勤したりで忙しなくなって会えなくなる、って感じではないのね。うれしい)


(うん!結局就職したら自由に時間取れなくて、はなやぎに全然来れなくなるんじゃないかと思って…色々考えた結果、燦くんの助言も相まって、こういう形になりました!)


(良かったね、潮)


(うん……この話題に関してはね、正直年末年始の旅行中に先に聞いてたんだけどね。正直泣いたよね)


(あ゛…?!あの潮が泣いた…?!?!)


(おそのも何やかんやで忙しい中でもはなやぎに来てくれてるじゃん?それもじいちゃんの計らいとかがあって、来れるようにしてくれてるのがでかいわけで。それをさ、会社に勤めたりとかになったら残業もあるだろうし、とか考えるわけじゃん。だからさ、こういう形を本人が望んで選んでくれたっていうのはさ。嬉しいわけじゃん。泣くよ私もそりゃ)


(わいは此処が居心地良いから帰って来てるだけやで)


(マジでそう言ってもらえてありがたい件について)


(母さんもじいちゃんも、私が和菓子屋継ぐって決める場所になったはなやぎっていう宝物に感謝してるし。家で娘としてだらっと和菓子屋行って帰るだけじゃ得られない全てが此処にあるわけだし。そりゃ何を置いても此処に来るってもんでしょ)


(おその、お前ってやつは…)


(たまにデレるよねこの子)


(別にデレてるわけじゃなくて、本心だし事実だからね)


(分かるよ、おその~!本当にそう。だから私も此処に残りたくて、この形を取ったの)


(ありがとね、2人とも)


(ううん!こちらこそだよ、潮)


(んじゃ、ワイが盛大にパーティしてもらったみたいに、あまねんにも何かでっかい卒業イベント考えますか)


(いいね。前回はおそのの希望で串揚げパーティにしたし、あまねんも希望のメニューあれば聞くよ)


(え~!何にしよう…!迷っちゃう!)


(そういえば、あまねんって何でも好き嫌いなく食べるイメージだから、特にこれが好き!みたいなメニューってあんま思いつかないかも)


(実際そうなんだよね~。何でも好きだし、苦手なものはちょこちょこあるけど、大概食べれるし大概好き!好きなものの中に、すごい好きなものはあるって感じだな~)


(おそのが串焼きだったから…何が良いかね?パーティメニューっぽいやつ)


(う~ん。あ!そしたら、あれはどうかな?串焼き!バーベキューとかで良く食べるようなやつ)


(ええやん。焼き鳥とか、野菜焼きとか?何か良い感じに混ぜたやつとか?)


(そうそう!牛肉とズッキーニの串焼きとか、お肉にお餅巻いて焼いた串とか…お魚系も美味しそう!海老とかまぐろとか!)


(おお、想像してたよりおしゃれなものが出てくる出てくる…)


(オッケー。そしたらそんな感じで色々また考えてみる。楽しみにしててね、周)


(セリーありがと~~!!)


(じゃぁまた詳細決めながら、あまねんの卒業の日を待ちますか)


(やばい。楽しい思い出ばっかりだったし、卒業式は別に泣かないだろうな~って思ってたけど、皆が色々してくれると思ったら泣いちゃうかも…)


(きっと素敵な卒業式になるよ)


(あまねんの門出が良い日になるよう願ってます)


(うん!ありがとう、皆)










第二十七話 了











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