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はなやぎ館の箱庭  作者: 日三十 皐月
第2章 「箱庭の夢語」
36/39

第19話(3)





ーあまねんがアルバムを作成しましたー

TITLE:2人旅の思い出!1日目



〔お アルバムきた〕


おその

〔うおー めっちゃ楽しそう 2人旅満喫してますねー〕

〔串の天ぷら美味そすぎんか?〕


あまねん

〔お陰様でめちゃくちゃ楽しいよ~!〕

〔ひとくち天ぷらとお土産屋さんは、人力車のお姉さんにおすすめしてもらってね!どっちもすっごく良かった~〕


〔ええ?店員さんコスプレしてますやん〕

〔戦国武将?〕


セリー

〔色々と身動きとりづらくなるから、そこらへんはふんわり現実の歴史に沿わないていで諸々設定してるっぽい〕


〔ほーん このお土産屋さんの中だけで一つ世界が確立してるわけね、ええやん〕

〔お姫様2人と世界観も合っててさ ええやん〕

〔でもこの青の甲冑着たやつちょっと芹と近すぎんか?ブチギレそう〕


セリー

〔名前とかもわざと決めてなくて、ファンのお姉さんたちが決めてるんだって〕

〔青の甲冑着た人は浅葱の君って呼ばれてたよ〕

〔浅葱色好きだからツーショットお願いしちゃった〕


〔ふーーーーーん〕

〔まぁ、芹がかわいいから一旦保存したけど…〕


〔謎立ち位置のふーんやめてね〕

〔ちゃっかり保存してて草〕


おその

〔ちなみに私はあまねんと映ってるオレンジ色の甲冑の人がタイプっすねー〕

〔涼し気な目元が非常にいい良いっすねー〕


あまねん

〔分かる!東雲の君って呼ばれてたよ~!グッズの減りの感じ見ると多分一番人気だった!〕


おその

〔おいおい東雲の君だってぇ?名前までシャレオツやんけ お姉さま方センス良すぎだろ〕

〔まぁとりあえずこのかわいいツーショット写真は栄のアニキに転送しときます、か…〕


あまねん

〔えぇ?!な、なんで?!〕


おその

〔え?いや、ほら かわいいものは共有しないと…ねぇ?〕

〔あ 秒で既読つきましたわ〕

〔「一旦保存しときました」だそうです〕


〔ん?あれ…?さっき同じこと言ってる人いなかった…?〕


〔皆考えることは一緒だね〕


あまねん

〔ちょっとー!保存してどうするのさ!も~!〕


〔いや別にどうするってわけでもないけど まぁ…ねぇ?〕

〔強いて言うならあれですよ、使命感ですよ〕

〔実はあまねんも分かるでしょ?推しのVlogの動画とか見て一旦スクショして保存しとかなきゃ!みたいな瞬間あるでしょ?〕

〔別にどうするわけでもないけどもう一回見れるように一旦保存だけしとく そう、その気持ちがそれです〕


あまねん

〔え…!?ちょっと待って、その説明ならすごく分かりやすかった…理解した!〕

〔そっかぁ、じゃぁ私も同じことしてたんだね!〕

〔じゃ…じゃぁ…いい…いいのかな…?〕


セリー

〔いや、良くないでしょ〕

〔丸め込まれてるけど良くないでしょ多分〕


〔うーん惜しい…〕


おその

〔惜しいは草〕




〔おっおっおっふ エステの写真まであるじゃないですか!眼鏡クイクイクイクイクイ〕


〔おっふけしからん 実にけしからんですぞ〕

〔おしゃれっぽく写真撮ってるけど実にけしからんですぞこれは〕

〔別に何の意図があるわけでもないけど一旦保存しときましたクイクイクイクイクイ〕


おその

〔あのさー、一旦保存しときましたおじさんさっきからさー〕

〔もしかして保存許されたいおじさんじゃないよね?〕


〔ええ?!別に何の意図があるわけでもないけどね?保存はしといたよねやっぱり〕


〔バカだなぁ いちいちぐちぐち言いながら保存するからキモく見えるんだよ〕

〔こちとら既に全部保存してるからね普通に〕


セリー

〔あーごめん周、やっぱりアルバム削除しといてくんないかな?〕


〔もう遅いよ君たち おじさんアルバムごと保存しちゃったからね〕


おその

〔お前ら何なの?さっきからその謎のおじさんムーブは〕

〔まぁ、かくいうおじさんも既にがっつり保存してるんだけどね?〕

〔この温泉の後の乾杯写真も良いじゃないか 非常に良いよ〕


あまねん

〔えーと…〕

〔アルバムにしてみんなに送っていいかな?ってセリーに確認撮った時、ちょっと考えてたからどうしてかなって思ってたんだけど…〕

〔良く分かったから、次からはやめとこうかな!〕


〔おい!!おじさんムーブ今すぐやめろ!!〕

〔2日目の波打ち際の乗馬体験写真が送られてこなかったらどうするつもりだ貴様ら!!〕


〔いやお前が始めた物語だろうが〕



おその

〔まぁまぁそうかりかりしなさんな〕

〔さてさて改めて エステと温泉はどうでした?お二人とも〕


あまねん

〔ふふ エステほんっと最高だったよ~!温泉も全部入ってきちゃった!〕


セリー

〔全身ほぐしてもらって、綺麗にしてもらって、温泉でゆったりして…〕

〔最高の一日目でした〕

〔夕飯の御膳もすっごく美味しかったし、大満足です〕

〔みんな 本当にありがとうね〕


あまねん

〔本当にそう!地酒も美味しかった…!〕

〔何本か同じ銘柄をはなやぎに送ったから、帰ってきたら皆で乾杯しようね!〕


〔は?最高かよ〕

〔おつまみ 酒がすすむ 美味い 検索〕


〔いや 何かちょっと気持ち悪い検索の仕方するのやめてね〕


セリー

〔絶妙に痒い所に手が届いてない感じするよね〕


おその

〔よしゃー 美味そうなおつまみ取り寄せしとこっと〕



あまねん

〔あ~!明日も楽しい一日があると思ったら、興奮して眠れないかも…!〕

〔そっちはどんな感じ?萌ちゃんは寝ちゃった?〕


〔萌?萌なら今俺の腕の中で寝てるよ〕


〔言い方やめてね〕

〔めちゃくちゃはしゃいで、めちゃくちゃお利口さんでしたよセリー〕


おその

〔ガチで超可愛かった〕

〔こっちの様子もまたのんびり写真送るねー〕


セリー

〔ありがとね 楽しみにしてる〕

〔萌、嬉しかっただろうなぁ〕

〔改めて、優しい友達に囲まれて私は幸せ者です〕


〔何度も言うようだけど、こっちのセリフなんだよねぇ〕

〔大事な娘さんを預けてくれてありがとう〕

〔憧れのセリーの為に何かできる今が最高に嬉しいんよなぁ〕


おその

〔ほんとにそれな〕


〔帰ったら土産話に花が咲きますな〕



かのあるふぁ

〔いえーーーーーい!!!フルーツビールしこたま飲んできたかのあちゃんが遅れて登場だZEーーーーー!!!!!〕


〔うわー 締めようかってタイミングでうるさいのが来た〕


かのあるふぁ

〔ねーーーちょっと待って!アルバム見てたんだけど、誰このイケメン?!〕

〔三次元の人間にときめいたことなかったのに、今心臓が謎にとぅんくしてるんだけど!!!〕


セリー

〔誰かさんから送られてきた、ボディーガードのバンビさんです ね、潮ちゃん〕

〔旅の間ずっと護衛してくれてるんだけど、付き合わせて申し訳ないからすっごい美味しそうなケーキ買ってきて、さっき一緒に食べたんだよね〕

〔かわいーー!って喜んでくれた〕


あまねん

〔あと、ドレス調のナイトウェア見つけてね!〕

〔これめっちゃバンビさんに似合いそう~って2人でプレゼントしちゃった〕

〔その場でうきうきで着てくれて、めちゃくちゃ喜んでくれたよ~!すっごくかわいかった〕


かのあるふぁ

〔酔ってても気づく違和感〕

〔待ってね?整理するから!!えっとー〕

〔このイケメンがドレス調のナイトウェアをプレゼントされてうきうきでー…うきうきで着たってコト?!どういうコト?!〕


〔合ってる合ってる〕

〔大丈夫、自信持って〕


あまねん

〔バンビさんはね、バンビ姉さんだったんだよ~〕

〔スタイル良いし喜んでくれてる時の表情も可愛くって、ナイトウェア着てるの見て不覚にもどきっとしちゃった!〕


かのあるふぁ

〔待ってよ!!新たな扉開きそうになってるじゃん!〕

〔その時の写真は?!その時の写真はないの?!〕


〔必死で草〕


あまねん

〔写真撮らせてもらってるけど、ナイトウェアの写真は友達に見せていいかどうか許可取ってないから、また明日会った時に聞いてみるね!〕


おその

〔なんか、かのあが3次元の人間に興味示してるの珍しくない?〕


かのあるふぁ

〔かのあも初めての気持ちすぎて全然分かんない!分かんないんだけど、謎にめっちゃ気になってる!〕

〔許可待ち!!サンクス!!〕




〔まぁ というわけで〕

〔2人が旅楽しめてて我々はとっても嬉しいです〕

〔二日目もたくさん満喫してくださいませね〕


セリー

〔皆本当にありがとう〕

〔明日も楽しみ〕


あまねん

〔ありがとう~!そっちのお土産話も楽しみにしてまーす〕


〔ほーい〕

〔あ サプライズもお楽しみに!〕


おその

〔おー そうだった〕

〔かのあ主体でとんでもないサプライズ用意してます〕


かのあるふぁ

〔そうだよーーーん!!人脈最大活用した超サプライズでーーーす!!!〕

〔めっちゃ動画撮ってもらってばっちり記念に残すんでよろしくぅ!!〕


セリー

〔え…もしかしてなんかすごい大仰なことしてない…?〕

〔どきどきしてきた〕


あまねん

〔え~!すごい!めちゃくちゃ楽しみにしてる!〕

〔何が起こるんだろう…!〕


〔ご希望ならDVDにしてご親戚全員に配ります〕

〔じゃぁ また明日ねー〕










「やばい、今日何起こるのか楽しみすぎてあんまり寝れなかったからちょっと眠い…!」


「分かる」



ーー徒然じょしたび部、2日目の朝。

朝食に「里の採れたて朝ごはん御膳」を美味しく頂きながら、2人は本日の旅行内容に胸を躍らせていた。


きのこや山菜の入った炊き込みご飯、川魚の塩焼き、葉物と根菜のお味噌汁の優しい味付けに心満たされた後は、季節の果物がずらりと並べられたテーブルから好きなものをお皿に取り、各自好きなように口へ運んでいく。



「ねぇセリー!このブルーベリーすっごく美味しい!食べた?」


「一粒が大きいね。私も食べよう」


「ヨーグルトがあったから混ぜて食べてみようかな~」


「それいいね。ちなみにメロンめちゃくちゃ甘くて贅沢な気持ちになりました」


「それも食べよう!どれも美味しい~!」



購入して配送も可能ということで、美味しかったものを幾つかはなやぎに送る。

朝食を楽しんだ2人は、少し離れたところに座っていたバンビに合図を送った後、早速プラン2日目最初のイベントである「波打ち際乗馬体験」の場所へと移動を始めた。







「すごーーい!海だー!」


「綺麗!」


「ちょっとあんたたち待ちなさい、写真撮ってあげるから!」


「「はーい!」」



ーー太陽の下、波の音が響く砂浜に降り立った周と芹。

眼前に広がる煌めく海に興奮する2人の姿を、バンビが写真に収めていく。



「海ってテンション上がっちゃうなぁ。泳げないんだけど」


「え!セリーも?!私も泳げない!海の中は少し怖い気持ちになっちゃうから、実は砂浜が限界なんだよね…」


「分かる。見てるのは大好きだから、いっぱい写真撮ってもらおう」


「ほらほら2人とも、かわいいポーズしてごらんなさい!」


「バンビさんも一緒に撮りましょうよ~!」



「あ。そういえば、昨日のナイトウェアの写真…友達が見たいと言ってるんですが…送っても差し支えないですか?」


「ええ?!やだ、あたしのふりふりドレスの写真が見たいって?!物好きな友達がいるのねぇ。いいわよ。あんたたちの友達なら特別に許すわ。本当ならチップ頂いてるんだからね!もう!」


「ありがとうございます。すみません」


「かのあ絶対喜ぶね!ありがとうございます!」



一通り写真を撮った後、係りの人に案内されて乗馬の手続きを済ませていく。

それからあれよという間に馬に乗ると、太陽の下、波の音をゆったり聞きながらの乗馬が始まった。


係りの人が写真を撮ってくれているのを横目に、バンビも優雅に馬を乗りこなしながら2人の可愛い瞬間をぱしゃぱしゃと撮っていった。



「バンビさん、今日の衣装と相まって王子様みたいですよ」


「えーちょっとやだーもーー!!!係りの人、良い感じに撮って頂戴」


「白い馬に乗ってるのも王子様感増し増しでいいね!」


「そういうあんたたちも高貴な感じが溢れてて素敵じゃないの?さては乗馬初めてじゃないわね」


「え!すごい、分かりますか?カナダのおばあちゃんと一緒に小さい時から結構乗ってました!」


「私も母方のおじいちゃんが乗馬が趣味だったから、兄さんと一緒によく乗ってたなぁ」



乗馬する3人を、すれ違う人たちがまじまじと見つめていく。

どこかしらから黄色い声が上がる中、壮大な海を背景に乗馬して砂浜を進んで行く光景は、そこだけで世界が確立しているようだった。



「波の音心地いい~…お馬さんの歩くリズムもすごく丁度いい~…癒される~…」


「潮風も気持ちいいね。最高だ…」



癒されている2人の横で、海外の人から写真を撮っていいか聞かれて英語で断ったり、勝手に撮っている人たちを注意しているバンビ。

そうして最高の撮影スポットに到着する頃には、皆写真を撮ったりなどせずただこの空間を楽しむギャラリーとなっていた。


乗馬体験を終えて最初の場所に戻る姿は、さながら映画撮影の一行のようだった。



「なんか、映画のヒロインになったような気分だったよ私…!人がたくさんいて緊張した~!」


「砂浜で乗馬してたら見たくなるよね。いつもこんな感じになるんですか?」


「いや…いや、今日はかなり特別な状況でしたね…。案内している私も緊張してしまいました…黒子やアシスタントの気分でした…皆さんのオーラ素晴らしかったです」



今日の写真をその場で印刷してもらった綺麗な冊子を受け取って、楽しかった乗馬体験を終える。

周囲から何故か握手を求められて応えていった後、3人は次のプランである「浜焼き食べ放題」の会場へと向かった。



「あそこの海の家だよね?もう早速良い匂いがしてきた!」


「でもまだ11時前だけど、どうしよう?潮のプランには乗馬が終わったら海の家に向かうよう書いてあったけど…」


「いいのよ。ほら、あんた達はこっち!」


「え?」



海の家へ入ろうとする2人を、隣のドーム型の建物へ引っ張っていくバンビ。

海の家音楽ホールと書かれたそこへ入っていくと、待ち構えていた女性たちがにこやかに案内を始めた。



「ようこそ、周様、芹様、バンビ様!本日はサプライズイベントにお越しいただきありがとうございます!早速ではありますが、宇留島蛍様よりお2人の衣装を預かっておりますので、お着替えの方お手伝いさせて頂きますね!」


「え…え?」


「すごーい!かのあたちのサプライズ今からなんだ…!どきどきしてきた~!」



それぞれ控室に入って、着替えていく。

しばらくして部屋を出て、2人はお互いの格好に感嘆の声を上げた。



「え~かわいい!セリーお姫様みたい…!!素敵…!」


「そういう周もめっちゃお姫様だね…このドレスまさか、蛍が仕立てたのかな?サイズぴったりなんだけど」


「お二人ともとってもお似合いです!」



遅れて出てきたバンビのタキシード姿にも周囲の人たちから黄色い声が上がる中、3人はホールの中心へと向かう。

大きな扉の前に立つと、ジャケットを着た男性が嬉々として口を開いた。



「ようこそいらっしゃいました!本日これより、蘇芳かのあ様、並びに相良その様、宇留島蛍様にご協力頂いて、海の家音楽ホールにてショートライブを開催しますので、特等席にてお楽しみ頂けます」


「ショートライブ?!」


「粋なことして…」


「こちらへどうぞ、お足元に気を付けて」



静けさと緊張を纏った真っ暗なホール内。

息を潜めるようにして特等席に座った瞬間、ホールの中心に眩い光が降り注いだ。



「え!待って!!ええ?!」


「えぇ…!?」



思わず声を上げた2人。

先にいた観客たちも歓喜に騒めく。


しかし、中心にいた人たちがたった1音を鳴らしたその一瞬で、音を楽しむ空間に変わった。



ーーーいつもどこかで聞いた、誰もが知る音楽が奏でられていく。

1音1音が美しく、響き渡る歌声はホール中を踊るように駆け巡っていく。


生の演奏と歌声に圧倒されながら、3人は間近で空間に酔いしれた。



盛大な拍手の後、衝撃と感動の余韻に浸る会場で一瞬のブラックアウトを挟んで、扉から更にアーティストが入場する。

割れるような歓声と共に、次の曲が始まった。

そして次に、次に…と、ショートライブのボルテージはどんどん上がって行く。



「やばい、セリー…!興奮が止まらない!」


「かのあ達のサプライズすごすぎるでしょ…!」



少女のようにはしゃぐ2人。

動画投稿用のカメラに笑顔を向けたり、リズムに乗ったり、感動して泣いたり。


あっという間のショートライブは、大歓声で終わった。





「え…もしかして夢だった…?!」


「夢だったかもしれない…」


「あたしまで最高の体験させてもらったわよ…」



ーーーアーティストの人たちと会話を交わし、ドレスを着替えて音楽ホールを後にした3人。

突然現実に引き戻されたような感覚に陥りながら、今度は浜焼き食べ放題の会場へと移動していく。



「かのあ達って本当、意外と交友関係広いからびっくりしちゃう!」


「3人がそれぞれの知り合いのアーティストさんに声掛けたことで今日のショートライブが実現したんですーってオーナーさんさらっと言ってたけど、普通に実現するのすごくない…?最早怖いよちょっと」


「なんか、潮が海の家のオーナーと知り合いで、アーティストさんたちは3人と知り合いで、全員の日程と比べながらこの日程なら行けますよーって感じで決まったらしいわよ。ちなみにほとんどかのあちゃんって子の実費で開催したんだって」


「かのあ…?!どんな規模で…ええ…?!サプライズ張り切りすぎだよ~!」


「一生お世話しなきゃ…」



辺りに漂う美味しそうな香りに、はしゃいで空いたお腹が音を鳴らす。

さぁ食べよう!と意気込んで、熱くなった網に海鮮を次々と乗せていった。



「あぁ…はなやぎって最高~」


「写真と動画お願いしてたから、見よう」


「見よう!お酒呑みながら見よう!」


「ほら、焼いていくからどんどん食べちゃいなさいよー!」


「「ありがとうございます!」」



スタッフさんにお願いしていた写真と動画を、冷めやらぬ温度を保ったまま眺めていく。

バンビが上手に焼いていく海鮮に箸もどんどん進んでいった。



「私たち、此処にいたんだね…!やっぱり夢だったかも…!」


「貴重な経験だった。皆に感謝だね」







ーー昼下がりまでお酒を呑みながら楽しんだ、浜焼き食べ放題を終えて。

観光バスに揺られ、いろんなお店を回った後。


最後に期間限定のジェラートをお持ち帰りした3人。



「あそこの椅子で食べよう!」


「いいね」



バンビが仲良くジェラートを食べる2人を写真に収める。



「美味しくって、楽しい旅行だったな~…」


「本当にね。こんな贅沢していいのかなってくらい」


「あたしもあやかれて最高だったわホントに」


「バンビさん、次ははなやぎにもいらしてくださいね」


「いいの?美味しいもの持って行っちゃおうかしら」


「バンビさん、たくさんありがとうございました!お陰様ですっごく楽しく過ごせました!」


「こちらこそ。2人の楽しそうな姿も見れたし、私自身も最高に楽しい旅行だったわ」






それから、新幹線に乗って帰路を行く。


「着いたら起こすから寝ときなさい」とバンビに声を掛けられて、2人は心地よい疲れに身を任せてすっと眠りについた。


大好きな友人たちを思いながら。








*   *   *   *   *   epilogue








(あ!帰ってきたんじゃない?)


(おーーーい!!お二人さーーーーーん!おかえりーーー!!)


(あほたれ、駅ででかい声出すんじゃないよお前は)


(ごめん!!嬉しくて!!)


(ただいまー。すっごく楽しかった…)


(ただいまーー!ちょっとかのあたち!サプライズ頑張りすぎでしょ~!泣いちゃったじゃんか~!!)


(おかえりーーー!!!喜んでもらえて嬉しいよーー!!)


(まぁほぼかのあだけどね。動画上がるのめっちゃ楽しみにしてるんだよねー。楽しめて本当に良かったよ)


(ドレスの写真見たけどちゃんとサイズぴったりだったね。また着る機会設けます!)


(結婚式の時以来だよ、あんな立派なドレス着たの。すごいよ蛍)


(え、ほんと結婚式の時に着たいよ!蛍すごい!ありがとう!)


(いやいや、結婚式の時に着たいんだったらその時にまた仕立てるよ。喜んでもらえてよかった)


(プロの方ですか?)


(潮も、旅行企画してくれてありがとう。すっごく癒されました。まさしく癒し旅でした)


(潮もありがと~!!はなやぎ最高!だいすき!)


(こちらこそ、2人ともいつもありがとうね。また定期的にこういう時間作って楽しんでもらえたらいいなと思ってます)



(あれ!護衛のバンビさんは!?)


(あ!改札のとこでバイバイしちゃった。でも、次ははなやぎに遊びに来てくれるって仰ってたよ~)


(めっちゃ楽しみすぎる!!)


(あ、そうだ。ナイトウェアの写真許可もらったから送っとこう)


(ありがとーーーー!!!うれしいいいいいい!)


(めちゃくちゃ喜んでて草)


(普段のかのあしか見てないから、今日のショートライブ開いてくれた人と同じ人なのか疑いたくなるよ…)


(かのあちゃんは周りの人に助けられて今を生きてまっす!!!え、ナイトウェア着てる写真かわいすぎ!!何でこんなにどきどきするの…?!まさか…まさかこれが、人間を好きになるって、コト…?!)


(春が来たね)


(ついにかのあちゃんに春が…)


(何でよりによってバンビなのよ…)



(じゃ、まぁ…はなやぎに帰りましょうか)


(うん!帰ろう!)


(今日の晩御飯何にする~?)


(楽しませてもらったから、私たちが張り切って作らせてもらいます)


(うぇぇぇえーーーー!!!さいっこーーーーー!!!やったーーーーーー!!!!)


(皆でお買い物して帰ろ~!)


(わーーい!みんな改めて、おかえりー!!)


(((((ただいまー!)))))







第十九話(三) 了






ーーーーーーーーーーーーーーーーー

物語内のイベントにて、

下記の動画を参考にさせて頂きました



☆観光風景

【公式】観光三重 様

*https://www.youtube.com/watch?v=xsaY_RziOcQ

*https://www.youtube.com/watch?v=gMTySotxnJ0


☆ライブ風景

Ayase / YOASOBI 様

*https://youtu.be/ng08QQvjV0U?si=7ZAOsa2tkLf1bHhU

優里ちゃんねる【公式】 様

*https://youtu.be/r93rVW--5ZU?si=KO0URMiKvytPII4B



なかなか県外に出る機会がないので

旅行風景を想像するのがとても楽しいです

三重、行ってみたいなぁ…


好きなアーティストさんのライブとかも

いつか行ってみたいなぁ…


夢が広がります




2024.11.28 日三十ひさと 皐月さつき




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