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はなやぎ館の箱庭  作者: 日三十 皐月
第2章 「箱庭の夢語」

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第13話








かのあるふぁ

〔改めて、あけましておめでとう諸君〕

〔突然だが新年早々諸君らにお願いしたいことがあり申す〕



〔誰だよ〕

〔新年早々キャラ変すんな〕

〔明けましておめでとう〕


おその

〔あけおめーことよろー〕

〔あ 初詣いつ行くん?待ってんだけど〕


〔あけおめことよろです〕

〔同じく着物用意して待ってる〕


〔あー 3日とかどう?〕


おその

〔ええよ〕


〔オッケーよ〕


あまねん

〔あけましておめでとう!今年もよろしくね〜!〕

〔3日大丈夫だよ、初詣楽しみにしてた!〕


セリー

〔あけおめ 3日大丈夫だよ〕

〔今年もよろしく〕


〔芹さん、向こうの実家帰る予定とか大丈夫なん?〕


セリー

〔何か、ちょっと今ごたついてるらしくてね〕

〔落ち着いたら会いに行くからってお義母さんからお達しがあったので、今年は予定なしです〕


〔ほーん?とりあえず了解〕


セリー

〔お気遣いありがとうね〕


〔んじゃ3日に初詣ってことで〕

〔10時くらいでどう?〕



かのあるふぁ

〔いやちょっと待ってよ゛お゛ぉぉ!!!!〕

〔3日りょーかい!!!〕


〔あ、はい〕


かのあるふぁ

〔あ、はい じゃなくてさぁ!!おかしくない?!よく無視して予定決められるよね?!〕

〔異変放置するの良くないよ?!〕


おその

〔触れんのだるすぎるテンションすぎたんよなぁ〕


〔それな〕


〔まぁ じゃぁ聞くだけ聞いてやるから〕

〔3行で頼む〕



かのあるふぁ

〔オッケーやってみる!!〕

〔ムキにならずにゲームを一緒にやりたいの〕

〔レッツFPSオンラインで僕と戦おう〕

〔ツラいことも一緒に分かち合おう〕



〔4行で縦読みさすな〕


おその

〔何でオムレツ〕


〔かなり無理やりで草〕


セリー

〔めちゃくちゃで草〕


〔何か恥ずかしいわ見てたら〕



かのあるふぁ

〔えぇっ?!縦読みになってましたぁ?!〕


おその

〔2点〕


かのあるふぁ

〔えーん〕

〔だって返事したら4行になっちゃったからさー〕

〔オで始まる4文字って何かあるかなーって考えたらさー〕

〔オムレツしか出てこなかったのー〕


〔美味しそうな引き出しだね…〕


かのあるふぁ

〔3行だったらポテトにする予定だった…〕


〔えぇ…〕


〔とりあえず〕

〔ゲーム一緒にしたいってことでおけ?〕



かのあるふぁ

〔はい!その通りでございます!!〕

〔今年やりたいなって思ってるゲームがね、協力プレイを求めてくるゲームでね〕

〔でも気付いたのかのあ〕

〔友達がいないことに…〕



〔気付いてしまいましたか…〕


おその

〔何てゲームなん?〕


かのあるふぁ

〔みんな、NIROって知ってる??〕


〔あー〕

Nightfallナイトフォール Roadロードだっけ〕

〔マップ数のえぐさで有名なやつ 100超えてんだよね確か〕


かのあるふぁ

〔そう!良くご存知で!!〕

〔マップ数多い分ゲーム内容もルールも至ってシンプルなんだけど、3人1チームスキルリンク必須ゲーなんだよね〕

〔これをやりたいの!!かのあ、新年これで遊びたいの!!!誰か一緒にやってぇ!!〕


おその

〔やだよ 配信でやるってことは配信に声乗るんでしょ〕


かのあるふぁ

〔いや!乗せなくてもいける!!チャットで話してくれればそれで!!〕

〔おそのちゃんFPS上手いから期待!!〕


おその

〔そうなん?なら考えてもいいかな〕

〔NIROね?検索するわ〕


〔しかし珍しいね?やりたいゲームでFPS誘われるとは思わんかった〕


かのあるふぁ

〔実はさぁ!!弟がさぁ!!〕

〔NIROのチームランク1桁らしいの!!〕

〔もうかのあ悔しくて!絶対負けてらんないの!!〕


〔これ 配信で弟とぶつかる神回ある?〕

〔期待〕


〔ちなみにわいはFPSは見る専なんで戦力外っすね〕

〔すまん〕


あまねん

〔うーん…楽しそうだし手伝いたいけど、ゲームは専門外だからな〜…〕


セリー

〔やりたいけどね〕

〔ごめん〕


かのあるふぁ

〔ええんやで!!〕

〔てことは…1人返事してないやつがおるなぁ?!〕


〔うーーーん〕

〔かのあの配信は見るのが好きなんだけどなぁ〕

〔まぁ お困りならお手伝いしますか〕


かのあるふぁ

〔ありがとーーー!!!さんきゅーーー!!!感謝ぁーーー!!!〕


〔やばー しばらく3人でゲームするってことだよね?〕

〔配信めっちゃ見よ〕


セリー

〔潮、仕事は大丈夫なの…?〕


〔スマホゲーに費やしてる時間をNIROに使うと思ったら特に普段と一緒っすね〕

〔あと今調子良いから全然大丈夫〕


セリー

〔それなら良かった〕

〔私も配信見よ 楽しみ〕


あまねん

〔なんか、友達がテレビに出るみたいな感じでどきどきする!楽しみだな〜!〕


かのあるふぁ

〔まじ感謝ね!!謝礼は期待して!!〕


おその

〔やったー何買ってもらおっかなー〕


〔弟くんに勝つぞー〕


かのあるふぁ

〔弟に勝つならまじでコーチングいるレベルだからね!がんばろうね!!〕


おその

〔じゃぁまず弟くんにコーチングしてもらって、話はそれからやな〕


〔いいね下剋上〕


かのあるふぁ

〔何かそれめっちゃ面白そう!!ちょっと頼んでみるわ!!〕


〔どんどん変な展開になってきてて草〕

〔コーチング配信楽しみにしてまーす〕



〔てなわけで〕

〔ひとまず初詣は3日の10時で〕

〔じゃぁ また当日に〕


おその

〔はーい よろしくー〕








「あっけおめーー!」


「あけおめですー」



ーー神社にて。


色鮮やかな着物を身に纏った面々は、お互いに新年の挨拶を終え、早速手水舎で手口を清める。



「萌ちゃん、元気してた?」


「うん!おせち食べてね、お餅もいっぱい食べたよー!」


「それは良かった!」



一礼して鳥居をくぐると、爽やかな風が通り抜けた。

7人を迎えるように射す陽の光は暖かく、ぽかぽかと心地良い気持ちにしてくれる。



「んー!神社の空気ってやっぱり美味しいねー!!」


「何でだろうね?」


「まぁここは特に山の中の神社だからね。やっぱマイナスイオンはでかいよ。定期的に浴びるべき」


「小さいけど滝もあるし」


「あー、小さい時滝の辺でよく遊んでたの思い出すなぁ」


「何して遊ぶのよ」


「頭に葉っぱ乗せて、ニンニン!忍者でござる!ってしてた」


「潮ちゃん、かわいーね!」


「ね。それは神様も微笑ましかっただろうね」


「ちび潮がそれしてたと思ったら微笑ましすぎるわー」


「ちなみに小6まで1人でやってた」


「ヒェ…」


「急にこわすぎ」


「ホラーやん」



いつも通りのやり取りを交わしながら、本宮へ移動する。

すると、写真館の店主が境内で先に待っているのが見えた。



「あれ?おっちゃんじゃん」


「予定聞いたら、初詣の写真は神社まで来て撮ってくれるってことだったので。お願いしました」


「まじかよ、最高じゃん」


「おーい!おっちゃーん」



おそのが手を振りながら声を掛け、気が付いた店主が目を輝かせて応える。



「おー!!明けましておめでとうみんな!!はなやかだねー!いいねー!!」


「明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします!」


「いやぁ、こちらこそ!今年もたくさん思い出を撮らせてもらうよ!」


「よろしくです。今日ってどんな感じにしてればいいっすか?」


「んーとね、何枚か7人で撮るカットはほしいけど、基本的に普通に過ごしてもらえれば、こっちで良い瞬間を切り取っていくよ!」


「了解です、出来上がり楽しみだなぁ」



ーー7人で着飾って、且つカメラマンつきでの移動はかなり目立ったものの、それも本宮の前に辿り着いた頃にはほとんど気にならなくなっていた。



優しい太陽の光が降り注ぐ中、並んで賽銭をし、手を合わせていく。


周、芹、萌、おその、蛍。

順に終えて列から外れた後、続いてかのあと潮が2礼、元気良く2拍手した。



「今年も良い一年になりますように!!かのあの活動がたくさんの人を笑顔にしますように!!」


「………」



大きな声でお祈りしたかのあに、後ろに並んでいた人々から生暖かい笑みが溢れる。


ゆっくり1礼して列を離れ皆のところへ合流すると、潮は露骨に眉を寄せてみせた。



「まじで他人の振りしようか悩んだわ。何でこいつの横に並んでしまったのか…」


「潮の顔、背中越しでも想像できたよ。既に今年一面白かった」


「かのあちゃん、おっきい声ですごかったね!」


「神様が微笑ましかったであろう瞬間パート2がこんなにも早く見られるとは」


「かのあちゃんは本当に、天真爛漫でいいねえ。おじさん、孫を見てるようだよ」



話しながら、今度は皆でおみくじを引く。

かのあが、「やった大吉だーーー!!」と叫んだり、平和だなぁ、と呟いた蛍が「はい万年中吉ですー」と1人ごちたり。

周が当然のように大吉を引いたり。


そんな中、お守りを選び始めたおそのが「そういえば」と続けた。



「私、皆の健康祈っといたから。今日から全員暴飲暴食夜更かし禁止ね」


「いや無理ぃ…」


「食べ過ぎ禁止はキツイけどほら、乳酸菌摂るのっていいらしいよ。今日から毎日ヨーグルト摂取しよか」


「続かないんだよねぇ」


「はいはい!!夜更かし禁止は無理だけど、その代わり日中10時間寝てます!!良いでしょうか!!」


「んー良さようで良くなさそう。知らんけど」


「健康に生きるって難しいね」



各々がほしいお守りを買い、今度は御祈願をしてもらう為に靴を脱いで本宮の中へと入っていく。


御祈願の順番を待つ間、7人は声を顰めて話を続けた。



「何しよっかなー健康の為に。ヨガでも始めるかー」


「まず丹田を鍛えよう丹田を」


「お。春さんと一緒に古武術道場通う?」


「兄さん、いつも言ってるよ。健康とは、体と魂の調和が整った万全の状態のことだって」


「健全なる魂は…ってことか。先人の言葉は生きれば生きるほど心に刺さってくんだろうなー」



順番が巡り、はなやぎ館の家内安全、各々の商売繁盛、無病息災などをお祈りしてもらう。


それから、御祈祷を終えて巫女さんから御神酒を頂き、外へ出た後。

他のお社にもお祈りしつつ、一行は最後に滝へと向かった。



「そういえばあまねんって、祝詞覚えてるんだっけか」


「覚えてるよ〜。母方のおばあちゃんと一緒に、小さい時から通ってるから」


「うちと一緒」


「ね!潮も読めるもんね」


「うん。でも正直全然違うよ。前あまねんに祝詞読んでもらったことあるけどさ、まじで部屋の中震えたからね。グラスの中共振させて音奏でるやつあるじゃん。あれ聞いた時みたいな」


「ほえー」


「あまねんってまじで不思議な存在よなぁ」


「まじで不思議すぎるよ。自分で読んでみるのと何が違うのかさっぱり分からん」


「はー心の清らかさの違いかー」


「は?ぐうの音も出んわ」



そうして滝に辿り着くと。

ずっと写真を撮っていてくれた店主が目を潤ませながら呟いた。



「……楽しい…おじさん…写真撮るの、楽しいよ…!」


「そ…それは良かった…」


「めちゃくちゃウィンウィンだね」


「ありがとう、おじさんにこんな楽しい時間をくれて…!」


「いや、むしろ新年から撮ってくださってありがとうございます本当」



滝のそばでニンニンする潮を撮ったり、マイナスイオンを浴びるかのあを撮ったり、滝にはしゃぐ萌を撮ったり。



「潮は何をお祈りしたの?」


「ん?自分を好きでいられる自分でいられますようにって」


「かっこいー!」


「私は他の誰でもなく、ただ私で在りたいから。その為に、自分を好きでい続けたい。かのあ達が見ている私も含めてね」


「かっこいーーー!!」


「誰かじゃなく、自分で在りたいか。潮らしいね」


「愛だね」


「萌も、潮ちゃんに負けないくらい潮ちゃんのことだいすきだよ!」


「かのあも、みんなも、潮ちゃんのことがだいしゅきだお!」


「ま、良いこと言った風だけど、今そう思えてるのは皆の存在がでかいよね。感謝」



様々な場面で、思い出が切り取られていく。

最後に7人で写真を撮り終えて、初詣の写真撮影は終わりを迎えた。





「今日は本当に、ありがとうございました」


「こちらこそ本当に、ありがとうね」



ーー駐車場に戻って、別れの挨拶をする。

はしゃぎ疲れて寝てしまった萌を先に車に乗せて、面々は笑顔で手を振り合った。



「どの写真にするかまた潮ちゃんと吟味して、できたらすぐに贈るね。枚数が多いから少しかかるかもしれないけど」


「全然大丈夫です、楽しみにしてます!」


「いやぁ、おじさんに幸せな時間をありがとう。じゃぁね、君たち気をつけて帰るんだよ」


「おっちゃんもねー!」



神社を後にして、各々帰路に着く。


新年を迎えたはなやぎ館に今日買ったものを並べていき、潮は改めて手を合わせた。



「今年も、みんなと過ごす1日1日が楽しくありますように」






* * * * * epilogue






(初めまして皆さん。かのあの弟の、那由多なゆたです。今日は初めてNIROをプレイするということで、僭越ながら手伝いに来ました)


(潮です、今日はよろしくお願いします)


(おそのです。先生、強くなりたいです。よろしくお願いします)


(こちらこそ、よろしくお願いします。では早速ですが…チュートリアルは終えていますか)


(はい先生)


(ばっちりです先生)


(はい。ではキャラ適性を見たいので訓練場までお願いします)




(潮さんはネアが向いてそうですね。おそのさんはビークが良さそうです。この2人のスキルリンクかなり強いのでいいんじゃないでしょうか)


(はい先生、練習します)


(かのあが多分メミニを使うので、そこともバランス取れてると思います)

(ただ両方癖があるので、スキルのタイミングとか都度教えていきますね)


(よろしくお願いします)




(にゃっほーん 練習どんな感じー?)



(まじで教え方上手いし指示されたキャラ肌に合いすぎて使いやすいし控えめに言ってコーチ最高)


(早口だなー!よかったね那由多!ベタ褒めじゃん!)


(いきなり友達コーチングして!とかいうからどうなるかと思ったけど…そう言ってもらえて良かった)

(あと単純に2人とも上手いし吸収が早いから教えやすいよ)


(先生…)


(ありがとうございます…)


(いえ、僕の方こそ)


(えっ何?何やめて?たった1日ですごい絆みたいなの芽生えてない?)


(ここから強くなってコーチと戦って勝つまでが一連の流れだから)


(そうなんですね、楽しみだな。俄然教えるの楽しくなりそうです)


(まー仲良くやってて安心したわ!!よっしゃー!じゃぁ早速チーム練していきますか!)


(いいよー)


(慣れてきたら配信つけてやろうね!よーし!頑張るぞー!)


(おー!)









第十三話 了






ーーーーーーー



※作中での神社におけるお作法や考え方について、

フィクションの中でのやり取りでありますことを

ご理解頂けますと幸いです




2023.2.13 日三十ひさと 皐月さつき








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