転生
−主人公−
ん?
んん?
んんん?
なんだ俺は。ここはどこだ?
なんかぬるいような、暖かいような……。
それでいて、なぜか離れたくないような。
俺、動いてるのか?
うわっ、なんか目の前が眩しい!
−皇后−
「おめでとうございます。可愛い赤ちゃんですよ」
そう言うメイドの声を聞きながら、皇后は生まれたばかりの我が子から目を離せずにいた。
赤ん坊は、大声で泣きじゃくっている。
「皇后様。このお方が皇子様です。あなた様と皇帝陛下のお子様ですよ。抱きしめてあげてください」
メイドにそう言われ、皇后はようやく電源が入ったように動き出した。
そして、壊れものを扱うように、優しく泣きじゃくる我が子を抱きしめる。
「これが……私の子。
なんと可愛らしい……」
その時だった。ドタドタと城の中を走る音が聞こえてきた。
そして――
ドンッ!
今にもドアが壊れそうな勢いで開かれ、そこから一人の男が入ってきた。
男は興奮した様子を隠しきれず、大声で叫ぶ。
「俺の息子が生まれたって本当か!
お前は大丈夫なんだよな?」
皇后は、生まれたばかりの我が子を抱きしめながら、皇帝にジト目を向けた。
「あなた。今ここに赤ん坊がいます。泣いているのが見えますか?少し落ち着いてください」
皇帝は少し気まずそうに、
「ああっ、すまなかった。だから俺にも子供の姿をよく見せてくれ」
そう言って、自分の息子の姿を優しい目つきで見つめる。
そして、優しく頭を撫でた。
「それで、あなた。職務は?」
部屋が少し気まずくなった。どうやら皇帝は、職務をすっぽかして走ってきたらしい。
そこへ、大量の書類を抱えた文官がドアの前に現れた。
それを見た皇后は、皇帝が職務をほったらかしてここにきたのだと察します
「あなた。心配するのはいいですけれど、職務はしっかりしてください。皇帝ですよね?」
皇帝は、
「……はい」
と小さく返事をすると、ショボーンとしながらトボトボと帰っていった。
皇帝が帰り、少し浮かれた雰囲気が流れる部屋。
皇后は生まれたばかりの我が子をメイドに渡し、身の回りの世話をさせる。
メイドたちは生まれたばかりの皇子を綺麗にしたり、皇后の身の回りの世話をしたり、産後の後片付けをしたりと、テキパキと仕事をこなし始めた。
その横で皇后は、メイドに世話をされ無事に泣いている我が子を見つめ、微笑んでいた。
「我が子よ。強く、賢く育ちなさい。あなたの成長が、この国の成長になるように」
この声は赤ちゃんの泣き声にかき消されて周りには聞こえていなかった。
−主人公−
やあ。いっぱいの人がいてびっくり。
ドアがいきなり開かれてびっくり。その時に入ってきた男と、俺の母だと思われる女性が美形すぎてびっくり。
そんな人間です。
つうか、何これ?俺の周りにメイド?
そして、その緑色に光っている手は何?
……おそらく魔法?
ってことは――異世界?
異世界転生したっぽい?
この世界って、どんな世界なんだろうか?
何も分からない、何も分からないからこそ楽しそうだ。
だがっ!ひとまず!泣くんだよお!
おぎゃあああああああああ
―作者です―
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