EP80 摩天楼にて、教育の闇を見る
期末試験に向けて美浦と義人はメタバース防衛術の訓練に励んでいた。
自衛隊と開発した教材ソフトの厳しさにもうヘロヘロ。
そんな二人も休息として一路秋葉原へ!
ビルの壁面に巨大ホログラムが踊り、
屋台では合成食材の唐揚げとサイバー丼が湯気を上げる。
衣食住 × ポップカルチャー × 国際マーケットが融合した
アジア最大の文化経済特区――
秋葉原ハイパーシティ
「初アキバーー!!」
美浦は両手を広げて吸い込むように叫んだ。
「ここに来るのは初めてか?」
「当たり前でしょ!
ここ、伝説の“衣装資料エ◯ゲ”が掘れる街なんですよ!!」
「……なんか言い方がこわいんだが」
義人は婚約者の趣味の深さに軽く眩暈を覚える。
だが、その影で――
彼らを尾行する10の影があった。
◆
◆“旧秩序教育連盟”──
「……稲毛アウルズのせいで、俺たちの居場所は奪われた」
スーツ姿の中年男が唸る。
「“生徒の個性を伸ばす教育”?
そんな甘ったるいものが正しいわけがない!」
仲間たちがうなずく。
「フリースクールの台頭で、公立の厳格教育は消えた。
我々の“管理型教育”こそが正義なんだ!」
「その象徴が……あの二人。
若者の希望とか、自由とか……くだらん!!」
かつて体罰問題で資格剥奪になった教師たちは、
敗北を社会のせいにし、
**「厳しさこそ教育」と叫ぶ“旧秩序の亡霊”**となっていた。
「アウルズを倒せば、
管理型教育の“復権”を世に示せる!」
悪意が、静かに燃え上がる。
◆
◆衣装選び──ランウェイの命運
「よしくん、今回はド派手に行きたいの!」
「いや、シンプルのほうが映えるって」
TGBMGCのランウェイは、
“視覚刺激の規定”が厳しい。
派手すぎると即失格。
「じゃあ——
<執事とメイドのふしだらな関係>の主人公カップルで!」
「タイトルが強烈なんだよ!!」
義人がツッコむ間もなく、美浦はウキウキと衣装を購入する。
「次はウィッグね。竹石先輩のお店、行こ!」
「世界的美容師のとこな。質は保証されてる」
二人はアキバのメインストリートを歩き出した。
その瞬間――
「そこまでだ!」
10人の“旧秩序”が二人を包囲した。
◆
◆アキバ封鎖──旧秩序の襲撃
「お前たちが若者を堕落させた!
個性教育なんて幻想だ!!」
リーダー格の女性が叫ぶ。
「いや、あなたたちがやりすぎただけでしょう」
義人は冷静に言い返す。
(来る……!)
美浦が自然と構える。
かつて女子テコンドー部のキャプテンを務めた体は、戦いの呼吸を忘れていない。
「反抗的な……! 黙って潰されろっ!!」
男教師がナイフを振りかざして突進。
「えいっ!」
美浦の後ろ回し蹴りが炸裂し、男教師は地面に転がった。
「ちょっと! 本気で来てるよ!?」
「こっちも本気でいくしかない!」
だが、残りの9人が鉄パイプとナイフで迫る。
(……まずい)
美浦の胸がズキリと痛む。
持病の発作が、緊張でじわじわ濃くなっていく。
「美浦、無理すんな!」
「平気……水なしで飲めるやつ持ってきたから」
二人は、覚悟した。
◆
◆警視庁・NLWS部隊、突入!
「確保!!」
ホログラム看板の上から
電磁パルス弾(EMPラッシュ)が十条に走る!!
「うわっ!?」「体が……動か……!」
非致死性装備《NLWS》による“神経遮断”。
相手を気絶させずに戦闘不能にする、
新世代の警察装備だ。
教師たちは次々に倒れていく。
「離せ!!
アウルズを倒さないと“厳格教育”は復活しないんだ!!」
「フリースクールがある限り、被害者は増えるんだ!!」
叫びながら全員が連行されていく。
義人と美浦は、崩れ落ちるように安堵した。
◆
◆そして──金髪の救い主
「大丈夫だったか、二人とも?」
金髪の若者が駆け寄る。
「竹石先輩! 呼んでくれたんですか?」
「たまたま近くに警官がいてな。
アウルズの後輩が危ないなら、動かないわけにいかねぇだろ」
竹石明、24歳。
世界的美容師のもとで修行した、
“コスプレウィッグ界の革命児”
「美浦は平気か?」
「さっき鎮静剤を飲んだので……大丈夫です」
「ならよかった。
さ、行くぞ。キマイラで最高のウィッグ作ってやる」
◆
◆ウィッグショップ・キマイラ
繁華街の喧騒から少し離れた路地。
ネオンと桜ホログラムが彩る先に、
《WIG SHOP CHIMERA》
と刻まれた重厚な扉。
「着いたぜ。世界に三つしかない“本物のオーダーメイドウィッグ”の店だ」
義人と美浦の胸が――
これからの戦いとランウェイに向けて高鳴る。
「さぁ、二人とも。
VIP待遇で最高のウィッグ作ってやるよ」
未来のステージに向けて、
彼らの準備がいま動き出す。
次回は明が最高のウィッグづくり!
カリスマ美容師監修の逸品をご覧あれ!
そして、期末試験が迫る!!




