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バトルステーツ・リベレイション〜若き番の叙事詩〜  作者: 騎士誠一郎
熱闘! 奮闘! デジタル体育祭!!
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EP59 パワーとスピードの先鋒戦

久々にBSOにログインした義人と美浦は、息抜きも兼ねてイベント戦を楽しんだ。

そして迎えた練習試合、沖縄のウチナンチュ学園と体育祭に向けた練習試合!

その先鋒戦が始まる!

顧問の檄が飛び、ふくろうスクール女子テコンドー部の士気は一気に最高潮へ。


 場内にアナウンスが響き渡る。


 <只今より、千葉市立ふくろうスクール・女子テコンドー部と

 沖縄県立ウチナンチュ学園・混合テコンドー部の練習試合を開始します>


 観客席がざわめき、緊張と期待が交錯する。


 <それでは先鋒戦、入場!>



「行くよ……! あたしのキックで嵐を起こす!」


 ふくろうスクールからは、スピードスターのアリサが前へ。

 一歩踏み出すたび、足元に風が巻くほど気合は満タンだ。


「オイラが相手さぁーー!」


 対するは、アリサの二回りは大きい巨漢、

 瑞希博(みずき・ひろし)──ウチナンチュ学園随一の怪物パワーファイター。


「瑞希くんは後ろ蹴りが主軸……一撃必殺タイプだね」

「しかも体育祭に向けて強化中、と聞いてる」


 義人と美浦が冷静に読み取った。


 <両者、構え>


 アリサの鋭い目。

 博の揺るがぬ軸。


 <はじめ!>



 合図と同時に、アリサが風のように踏み込み、

 膝へ狙い澄ました飛び蹴りを叩き込む!


 ガンッ!


「さっすが。オイラの後ろ蹴りが脅威って、もう見抜いてるんだね?」


「先輩たちの分析があったので!」


「ははは、ばあちゃんの畑仕事で鍛えたパワーは伊達じゃないさ」


 軽口の直後、博の回し蹴りが唸る。

 咄嗟にガードするも、アリサの身体は吹き飛ばされ距離が開く。


「すっごい……! パワーが段違い!」


「君も速すぎて当てるの骨が折れるさぁ」


 互いの実力に笑みを浮かべ、

 熱気が立ちのぼるような友情の火が一瞬にして宿る。


「なら――全力で!」

「正々堂々と!」

「「勝負!!」」



 アリサの後ろ回し蹴り!

 博は腕を盾にし、重い蹴り上げで迎撃!


「まだっ!」


 アリサは空中で反転し、急降下キック!

 博も上段蹴りで迎え撃つ。


 爆ぜる風圧。

 交錯する足技。

 ポイントは完全に互角!


「このまま時間切れなら……」

「タイブレイクポイントマッチに移行するな」


 勝敗は残り時間と駆け引き次第。


◆ <ハーフタイム>


 二人は一度、息を整える。


「アリサちゃん、どう?」


「瑞希くん……あの体格であのスピード……!

 でも崩すなら“あの技しかない”!」


──チェインガン・ラッシュ。

アリサが持つ連撃の極致。

スピードでパワーを上回る、唯一の勝機。


「一瞬のスキを……必ず突く!」


 彼女の瞳が闘志で燃え上がる。


 一方、ウチナンチュ側。


「瑞希、いい相手ができたな」


「へへへ……あの子、オイラと真正面からぶつかってくれる。最高さ」


 主将コーイチが誇らしげに笑った。


◆ <ハーフタイム終了>


 再び舞台へ。


「行くよ……!」

「こっから先は……!」


 火花が散るような視線。


「「全力でぶつかるまでだッ!!」」



 アリサが飛翔。

 博の後ろ蹴りがカウンターで襲う!


 だがアリサは空中で方向を曲げる。

 普通なら不可能な軌道だが、VRの身体操作なら可能。


「やるね、一宮さん!」

「あなたこそ、瑞希先輩!」


 二人は笑っていた。

 勝ち負けを超えた、“戦いの楽しさ”の笑み。



 その頃、顧問席では教師同士の緩いやりとり。


「すいませんね。うちの生徒が張り切りすぎて」

「いいんですよ。有坂先生。今年はMAVの二人もいますしね」

「藤宮くんと明石さんですね? マイクが気に入ってて……」


 のんびりした会話をよそに──


◆ <タイブレイク突入>


「タイブレイクマッチか……」

「でも、あたしはまだやれる!」


 二人の闘志は全く消えない。


「それじゃあ、僕の“フェイバリットドライブ”を見せてあげるよ!」


 博が足を大地へめり込ませるほど踏み込み、低く構えた。


 アリサの背筋が震える。


「ガードしても無駄さ。これは――」


 地面を割らんとする勢いで博が突進!


「すべてを――突き破る!!」


 巨躯から繰り出される飛び蹴り。

 ぶつかる瞬間、空気が揺れた。


「奥義……海龍豪烈波リヴァイアサル・ブレイク!!」


 海を割る暴威のごとき一撃。

 アリサのガードごと防御を破壊し、

 重い衝撃と共に連続ポイントが奪われる。


 <試合終了! 勝者、瑞希博!>


 ウチナンチュ学園が先取。



「負けちゃった……でも……最高の試合だった!!」


 アリサは涙まじりの笑顔。

 次の目標を見つけた少女の眩しい顔だ。


「良かったよ。でも女の涙は――とっておくもんさ」


 博がプロフィール画面を転送する。


「これって……!」


「最高の試合のお礼。いつでも連絡してね」


 礼節と敬意が込められた交換。


「じゃあ、あたしも!」


 アリサもプロフィールを返す。

 青春特有の清々しい風が二人の間を通り抜けた。


◆ <5分間インターバル>


「アリサ、お疲れ!」

「悔いのない表情だね」


「はい! 完敗ですけど、すっごく勉強になりました!」


「それは何よりね」


 美浦は次鋒戦へ視線を向ける。


「次は……美穂ちゃん!」


 眼鏡と三つ編みの少女──

 光宗(みつむね)あかり が一歩踏み出した。


 静かな闘志を秘めた、技巧派の拳。


次鋒戦へ――!

次回は次鋒戦!

あかりの知略がバトルを制する!!

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