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38 エピローグ


ある晴れた日。

教会で、結婚式が行われていた。


花嫁は、カミラ・アルベルツ子爵令嬢。

アルベルツ家の正当な跡取りである。


花婿は、ローレンツ・ベック男爵子息。

彼は、花嫁の家に婿に入る事が決まっていた。

婿に入る場合、元の姓の後に嫁の姓が付くため、本日をもって、彼は、ローレンツ・ベック・アルベルツになる。


あの社交会の「魔女」の結婚ということで注目が集まったが、もう一つ、彼女の異名が流れていた。


それは、本当の彼女は「魔女」ではなく、「白薔薇」だという噂だ。


招待状を受け取った者たちは、その真偽を確かめようと、皆、2人に目を光らせる。


花嫁は、父であるベルンフリート・アルベルツ子爵の腕に片手を添え、バージンロードを司祭のもとまで、ゆっくりと歩いていた。


司祭の目の前で花嫁を待っている花婿、ローレンツ・ベック男爵子息は、穏やかな容姿と、敏腕な商会の経営者として、若くして名を馳せていた。


高い身長と足の長さを際立たせるように、びしっと隙無く、タキシードを着こなしている。


花嫁であるカミラ・アルベルツ子爵令嬢は、社交界でのみすぼらしい格好から一変、まるで精霊のような美しさを放っていた。


個性的なマーメイドラインの純白の絹のドレスは、胸元にレースで造った、立体的な薔薇の花のモチーフをふんだんに付けてボリュームを持たせ、胸の下から足まで身体のラインに沿わせ、膝下からまた、ボリュームが出るよう、レースで出来たフリルがついている。

そして、マーメードのひれのように後ろにレースが広がる。


その姿は、カミラにとても良く似合っていた。


アルベルツ子爵は、花婿に娘である花嫁を渡すと、袖にいる家族と合流した。

主役の2人は司祭の前に立ち、結婚宣誓書に名前を書き入れる。


そして、誓いのキスをしようとお互いに向き合うと、2人は照れるようにはにかんだ。

カミラの表情は誰も見た事がないくらい、美しく可憐な少女そのものだったのである。


その笑顔は、男女共に心を奪われてしまう位、周りを魅了してしまった。


2人がキスをすると、見ている側は微笑ましいとばかりに笑顔になる。

この日から周囲の者は、明らかにカミラに対しての態度が一変したのだ。


その結婚式以降、カミラ・アルベルツ子爵令嬢は、こんな異名でも呼ばれる事になった。


「白薔薇の精霊」と。


これにて完結です。

明日、これとは別枠で「つり目の令嬢が可愛い過ぎて困る 番外編」というタイトルで、二話投稿予定です。

よかったら、お読みください。


読みに来てくださった皆様に感謝です。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

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