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虎型の魔物を倒してから一週間後。
手足を動かしたりして確認するが、どこも痛みはない。
どうやら完治したようである。
「やっと治ったか……」
強敵と戦いしかも限界を超えたのだ。ポーションが無かったら危なかったところだ。
だがポーションは使い切ってしまった。独学でポーションを作るか、変わりになる回復薬を見つけるしかない。
「とりあえず今日は出来るだけ戦闘避けつつ、ポーションの材料である薬草を見つけるか。っとその前にステータスの確認をするか。どれくらい強くなったか気になるし」
ステータスと呟き確認する。
名前:シルム・カサーク
職業:傘使い
レベル:41
スキル:豪腕Lv.6 気配察知 鉄壁Lv.3 鬼神
レベルが一気に上がっているのには驚いた。
「てか『鬼神』ってなんだよ……」
多分限界を超えた時に獲得したスキルだと思う。
これが傘使いに獲得できるとか、傘使いという職業は一体……
そんな疑問が脳内を過るが、わからないものは仕方ないので考えるのを止めた。
「さて行くか」
俺は拠点を出て薬草を探しに向かった。
薬草の特徴とポーションの作り方は聞いたことはあるが、まあ何とかなるだろう。
――数時間後。
「これ、なのか? 薬草と特徴は一致するな」
とりあえず回収をしてそれっぽいのも集め一度拠点に戻った。
拠点に戻った俺は集めた薬草を見て一つ一つ見て仕分けをし、ポーション作りを開始した。
ポーションの作り方は一度熱湯に漬け、その後エキスを絞り出していく。
絞り出したエキスを水で薄めれば完成だ。
一時間で最初のは完成した。
色は黄色だが、売っているポーションと比較するとそこそこの出来栄えに見えた。
匂いは強烈だが、手で触ってみても問題はない。
「飲んでみないと分からないよな……」
一度手に小さな傷を付ける。これで治ればポーションだ。
俺はゴクリと唾を飲み込む。
不安で手が震えるが一気に飲み干した。
「……大丈夫、だったか……?」
反応がない。そう思っていたのだが……
「うっ、体が痺れ、て……」
ドサっとその場に倒れ込む俺。
手足が痺れて動かない。
これは――
「くそ、麻痺の草だったか……」
麻痺で体が動かない俺は数時間そのままの状態となった。
これを外で試していたら今頃は魔物や獣の餌となっていただろう。
「さっきはしくったが、次は成功させる!」
麻痺から回復した俺は次の薬草を試すため、再び作り始めた。
数時間後、いくつかのポーションが完成した。
一つずつ試飲していく。
まずは色が紫色のポーションからだ。
ゴクッと一口飲んだ。
硬化はすぐに現れた。
「うっ、これって……」
頭痛に吐き気、これは――毒ポーションだった。
数時間して回復した俺は、次のポーションを試す。
それから俺は色々な状態異常を受け翌日。俺はとうとう回復ポーションの作製に成功した。
微量だがしっかりと回復している。あとはどこまで効果を高められるかというだけである。
こうして数日間、俺は様々な素材を使用してポーションの完成度を高めるのに没頭するのであった。
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