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3

 拠点に戻った俺はステータスを確認した。


 名前:ルシム・カサーク

 職業:傘使い

 レベル:2

 スキル:豪腕Lv.1


 レベルは2に上がっていた。

 それとスキルが新たに手に入っていた。


「豪腕、か。多分名前通りなんだろうな。次の戦闘で試してみるか」


 少し休憩をした俺は拠点を出た。

 出たのは良いが、食料の確保も同時に行わなければならない。

 なら、と。俺は食糧確保を優先した。


 魔物の肉は食べれるが俺はまだゴブリンしか倒せない。なら獣を狩るのが安全だろう。

 周辺に気配を配り進んでいく。途中強そうな魔物に遭遇するも気付かれないように息を殺しその場をやり過ごすといった事が何度か起きた。

 魔物や獣は水分を摂らないと生きていけないので、俺は一度川辺にやってきた。

 茂みの隙間から見張っていると、一体の1.5メートルほどのイノシシがやってきて水を飲んでいた。


 ここが好機だろう。これを逃したら当分は来ない気がした。

 傘を手にゆっくりと近づいていくが、イノシシが水を飲むのを中断しこちらを見た。


(バレたっ! だがここで仕掛ける!)


 すぐさま俺を敵と判断したイノシシが突進してくる。

 回避に失敗すれば牙に刺さり致命傷を負うだろう。もしくはそのまま死ぬ可能性すらある。


 突進してくるイノシシに、俺は横に回避し胴体に向かって全力で傘を振るった。

 ドンッという音と共にイノシシは転倒したが、同時に傘が折れてしまった。


(これがスキル豪腕か、思った以上だ……)


 スキルの威力に驚くも、すぐさま傘を再生させる。

 これで傘の強度が増した。

 戦闘を長引かせると他の魔物や獣が寄ってきてしまうため、次の攻撃は突きにした。


 体勢をを整えたイノシシが再度突進を仕掛けてくる。

 対して俺も突きの構えを取った。


 イノシシが俺の間合いに入った瞬間、スキル豪腕を乗せた渾身の一撃を胴体目掛けて突き放った。

 攻撃は見事胴体の奥深くへと突き刺さり、イノシシを絶命させることに成功した。


「ふぅ……凄い一撃だったな。っと、早くイノシシを血抜きして拠点に持って帰るか」


 巨体なイノシシを持てるか不安だったが、スキル豪腕のお陰で難なく持ち上げることができた。


 拠点に持ち帰った俺はイノシシの毛皮を剥ぎと、順調に捌いていった。

 何故解体が出来るかと問われれば、それは村でやらされたからだ。

 ここで役に立つとは思ってはいなかったが……


 毛皮は美味く加工し着れるようにした。これで夜の寒さもある程度は改善された。


 イノシシの解体が終わり、長期保存食にするために肉は乾燥させることに。

 量が多いので昼食代わりに火を起こし焼くことに。

 それが問題だった。

 肉が焼ける匂いは香ばしく食欲をそそられる。だから魔物や獣が寄ってくるのは当然の流れであった。


 それに気が付くも遅かった。

 拠点の中でも足音や唸り声が聞こえてくる。


「やらかした……」


 早く食べようとしたのが問題だった。

 こんなことになるとは……

 後悔するも後の祭り。こうなっては引くまで待つしかない。だが何もしない訳ではなかった。


 スキルが手に入らないか突いたり叩いたり、時には傘が壊されたりしながらも対処していた。

 それが功を成したのか、豪腕のスキルレベルが2に上がったのだ。


 途中疲れた俺は、魔物が引いたことを確認しひと眠りするのであった。




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― 新着の感想 ―
[一言] これが夜兎族か
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