172/172
僕の海馬を君に贈りたい(完)
――あぁ、しっくり当てはまる言葉を思い出した。
「だから、僕の海馬を君に贈りたい」
「ふふっ、透夜の受け売り?」
思わず口にしていたようで、
彼女に笑われてしまった。
彼女は結婚する前くらいから、
口調が随分穏やかになったが、
僕をからかうところは相変わらずだ。
「でも、そうだね。これからも続けていこう」
僕一人のエゴイズムではなく、繋がる思い。
きっと誰もが一度くらいは
考えたことがあるかもしれない。
大事に想う人へ、
僕の海馬を君に贈りたいということだ。
―完―




