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僕の海馬を君に贈りたい  作者: ハイドランジア&シーク
【第四種「ミントの種」―死にたがりのパラドックス―】
129/172

「あなた宛ではない手紙が遺されていたはずだ」

「あなたは本当にそれでいいのか?」


「……誰ですか?」 


 インターホン越しに田所さんの訝しげな声が響き、

 僕の胃がキリキリと痛み始める。


「そんなことはどうでもいい。


 故人が遺したものの中に、

 あなた宛ではない手紙が遺されていたはずだ。


 それをどうした」


 インターホンからの応答はない。


「そちらがそういう対応をするなら、

 こちら側にも考えがある。


 あなたが行った行為は証拠品隠蔽という罪に当たる。


 これを警察へ伝えれば、

 他殺を自殺に偽装したのだろう

 という疑いを向けられるだろうね」


「……それがどうしたっていうんですか。


 さゆりのことはもうとっくに終わったことなんです、

 今さら警察が取り合ってくれるわけもないでしょう」


「怖いものはないと言いたいわけか。


 ……しかし、世間はどうかな。


 風化したとは言え、

 遺品を隠し持っていたとあれば、邪推するだろう。


 人は噂を好む生き物だからね。


 人の噂も七十五日というけれど、

 それだけあれば勤め先や

 あなたのご両親に伝わることもあるだろう。


 ――それに、あなたも彼女がどうして

 自ら命を絶ったのか知りたいのではないか?」


 暫くの間、

 沈黙が流れてインターホンとの接続が切れかかった頃、

「分かりました」という声とともに正面玄関の戸が開かれた。



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